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2013年の携帯出荷数は1割減、「過剰なiPhone優遇策が原因」

 MM総研は、2013年(1月~12月)の国内携帯電話出荷台数をまとめた調査レポートを発表した。携帯電話の総出荷台数は、前年より10.2%減少。同調査では、キャリアが過剰にiPhoneを優遇する施策を行い、Androidスマートフォンと正当な競争環境が形成されていないこと、スマートフォンへの乗り換えペースが鈍化していることが原因としている。

アップルがトップ、ソニーが躍進、富士通・サムスンが落ち込み

 メーカー別シェアを観ると、2012年に続き、アップルが1位(シェア32.5%、9.2ポイント増)となった。その出荷数は1277万台で、前年よりも25.3%増加した。2位はシャープ(シェア14.6%、1.7ポイント増)で、その出荷数は572万台(1.4%増)と、アップルとはダブルスコア以上という大きな差がある。続いて3位はソニーモバイル(シェア12.6%、3.7ポイント増)で出荷数は496万台(27.2%増)だ。ソニーの大幅な増加は、ドコモが2013年夏に実施した“ツートップ戦略”の影響を伺わせる。

 4位以下は、富士通(381万台、シェア9.7%)、京セラ(347万台、同5.8%)、サムスン(231万台、同5.9%)となった。富士通は前年から47.9%減、サムスンは32.3%減と大幅な落ち込み。

 スマートフォンのOS別シェアではAndroidが1651万台で56.4%、iOSが1277万台(43.6%)となった。なお、スマートフォンに限ったシェアでもアップルが1位で、そのシェアは43.6%。

2013年度は前年比11.3%減の見込み

 同調査では、2013年度(2013年4月~2014年3月)の出荷台数の予測も示す。昨年10月時点での予測は3960万台だったが、今回示された予測は250万台の下方修正となり、3710万台になるとされた。これは前年度と比べて11.3%の減少となる。

 このうちスマートフォンは2750万台(前年度比7.5%減)で、全体の74.1%になるとされている。

 2014年度以降の出荷規模もあわせて下方修正された。同調査では「料金が依然として高止まり」として、料金面に敏感なフィーチャーフォンユーザーのスマートフォン購入意向が34.4%に留まると指摘する。今後の市場拡大には、そうしたフィーチャーフォンユーザーに向けた戦略の重要性も説いている。

関口 聖