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ニュースアプリ「SmartNews」が300万DL、その現状とは

 スマートニュースは、スマートフォンおよびタブレット向けニュース閲覧アプリ「SmartNews」のダウンロード数が300万件に達したと発表した。2013年10月に200万ダウンロードに到達してから4カ月で100万件増加した。

 このほか2月28日まで、読売新聞東京本社提供の「読売ソチ五輪ニュース」が提供されることも明らかにされている。同社では3日、都内で記者説明会を開催し、ユーザーインターフェイスなどユーザーの使い勝手の部分や、媒体との提携の現状などを紹介した。

スマートニュースの藤村氏(左)、鈴木氏(中央)、浜本氏(右)

数字で見るSmartNewsの利用傾向

 「SmartNews」は、Web上で配信されている、さまざまな媒体のニュースをひとまとめに閲覧できるアプリ。各媒体のWebページをそのまま表示する「Webモード」と、パソコン用表示しかないページなどをスマートデバイス用に最適化する「Smartモード」が用意されている。アプリ内ブラウザで閲覧する形となり、Webモードの読み込みに時間がかかる場合などは、Smartモードに切り替えて読む、といった使い方ができる。

 同社によれば、ダウンロード件数はiOS、Android端末でダウンロードされた回数。ユーザーのアクティブ率(月に1回以上利用したユーザーの割合、2014年1月)は75%で、デイリーアクティブ利用率は38%とのこと。またアプリ内で行ったユーザーのアクションは月間11億フリップ(件数)。利用者の端末の割合は2:1で、iOS:Androidという割合だ。

浜本氏

 特定の媒体だけのページとなる「チャンネルプラス」購読数は、述べ460万件を超え、「やがて500万になる」(執行役員の藤村厚夫氏)状況という。ユーザー1人あたりにすると、平均3〜4件、チャンネルプラスを利用しており、代表取締役の浜本階生氏は「のびしろはまだまだある」と語る。なお、最大の利用者を抱える「チャンネルプラス」の媒体は「ギズモード」で、30万件弱という。

 SmartモードとWebモードの利用動向は、5割ずつとのこと。藤村氏は「駅間でも通信環境が改善されており、Smartモードの利用傾向は低くなっていくと見ている」とした。

仕組み

 SmartNewsは、アプリ上でのユーザーインターフェイスでの工夫と、そのニュースを配信するかどうかを決めるサーバー上のアルゴリズムの工夫が特徴とされている。ユーザーインターフェイスについては、左右のフリックでのページ/タブの切り替えの滑らかさを追求するなど、ストレスのない閲覧環境の実現を目指す。ニュースの見出しも、形態素解析によって、フォントサイズを自動的に変更するといったことも行った上で、日本語の意味が通る形で自動的に改行している。

 どのニュースを配信するか、という部分は自動的に選択されており、「Twitterで話題になった(バズった)ニュース」が配信されやすいという。Twitter上で公開されているツイートのうちURLを含むものを1日1000万件以上、収集して解析する。このクロールによって収集される媒体は1000以上とのことで、言語判定、カテゴリー分類、注目度の判定を経て、スマートフォンへ配信される。1日3回と、定期的に配信されるようになっており、通知があるとユーザーが一斉にアクセスして利用する、という傾向だそう。

102の媒体と提携

 既に55社102媒体と提携・協業しており、新聞社やテレビ、雑誌のWebニュースを利用できるようになった。

月間100万PV相当の送客を行っているのは、そのうち66媒体。SmartNewsに載ることで、平均的にどの程度、媒体側のアクセスが増えるか、具体的な数値は明らかにされなかったが、藤村氏は「媒体から話を聞くと、スマートフォンからのアクセス経路として、SmartNewsが最大になりつつある」と説明。アプリを提供しはじめた当初は、リファラをつけておらず、Webニュースサイト運営側(媒体側)からすると、スマートフォン標準のブラウザ(iPhoneはSafari)からのアクセスとしか見えていなかった。そこで、2014年にリリースした新しいバージョンからリファラをつけて、確認できるようにした。

提携を断わる媒体は?

 藤村氏によれば、「媒体側から断わられることはしょっちゅうある」という。特に初期は怪しまれてクロールを断わられることもあったが、ユーザーが増加した最近はそういったことが減少してきた。かつてクロールを断わった媒体が、クロールを許可、あるいはチャンネルプラスの開設など提携を検討する、という姿勢に変わってきたという。

Smartモードに広告掲載へ

 コンテンツによってはスマートニュースから対価を支払うこともあるが、基本的には媒体とWIN-WIN(互いにメリットのある)関係となることを目指す、と藤村氏は語る。その関係づくりに携わる藤村氏は、現状、シンプルなレイアウトになる「Smartモード」において、媒体側が指定する広告を表示できる仕組みを導入したいとして、「Smartモードを通じて、媒体側のマネタイズの可能性も、今後、利用していただける段階に入ってきた」と述べた。

 このSmartモードでの広告掲出が実現する時期は明らかにされなかったが、パターンとしては「媒体がアクセス先(ランディングページ)へ誘導する枠」や、「広告配信サーバーやタグをページ内に入れて配信する」「アドネットワーク(複数の媒体に広告を配信する仕組み)をを導入する」といったことが検討されている。このうち、ページ内にタグを入れるものは、仕組みとしては既に実用段階にあり、トライアルも行っているとのことだが、「うまくいっているとは言えない」(藤村氏)とのこと。こうした広告表示の際、スマートニュース側が利ざや(手数料)を取ることはないとのこと。

収益化は二の次、ユーザー属性も議論していない

鈴木氏

 するとスマートニュース自体は、どう収益をあげるのか。この点について、取締役の鈴木健氏は「現在はユーザーインターフェイスの改善を継続し、媒体との関係を強化する時期」として、収益の確保は二の次とする。なお、同社は昨年8月、グロービス・キャピタル・パートナーズから、第三者割当増資によって4億2000万円を調達済だ。

 会見後の囲み取材において、浜本氏が明らかにしたところによれば、SmartNewsのユーザーは男性が7割、女性が3割。それ以上のユーザー属性情報はどの程度、把握しているのか、という疑問に、囲み取材で鈴木氏は「(社内で)まだ議論もしていない」と説明する。アプリの利用時間も統計はとっていない。なお、アプリ内ブラウザは、iOS/Androidともにスマートフォンの標準ブラウザとCookieを共有できない仕様になっているという。

機能面での今後

 事業として、媒体とのWIN-WINの関係の構築を掲げるスマートニュースだが、アプリとしての今後はどうなっていくのか。鈴木氏は「読む人と書く人を結びつけるのが(スマートニュースの)ミッション」と語る。

 まずはユーザーインターフェイスの改善、そしてアルゴリズムの改善を図りつつ、Smartモードでの広告掲出といった部分での開発に注力する。

(関口 聖)