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ヤーガ氏が「ABC 2014 Spring」で語ったGoogle Playの強みとは

グーグルのクリス・ヤーガ氏。レアなTシャツを着用する同氏は、今回、ヒゲをつけたドロイド君らしきTシャツを身に着けて登場

 日本Androidの会が3月21日に開催したイベント「Android Bazaar and Conference 2014 Spring」で、グーグルのGoogle Playエンジニアリング・ディレクターのクリス・ヤーガ氏が基調講演に登壇した。

歴史を引き合いに……

 ヤーガ氏は「マルチプレイヤーゲームの歴史」として、約1000年前、イングランド王のヘンリー1世とフランス王のルイ6世の時代の戦争を引き合いに出す。当時、書状などを輸送することで、広大な領域に渡る戦場と通信していた。これには、とてつもないレイテンシー(通信の遅延)があり、ときとして“パケットロス(書簡の紛失)”も起きていたが、そうした問題も「プロトコル(規定、外交手順)」レベルでカバーしていた。

 ヤーガ氏は、1166年の戦いも、現在のマルチプレイヤーゲームと同じ問題(レイテンシやパケットロス)に対応しようとしていることを指摘する。

世界初の郵便切手をフラットレートデータプランと紹介

 続いて通信を用いたチェス対戦を例に挙げる。1840年に登場した世界最古の郵便切手であるペニー・ブラック(1ペニー切手)を「フラットレートデータプラン」に見立て、「どこにいる人にでも定額で送れるペニー・ブラックを使ってチェスを楽しむ人が増えた」と紹介。さらにその後、電信技術が登場したことで有線・無線で通信チェスを楽しめるようになるなど、エコシステムの進化がゲーム体験に大きな影響を与えてきたとする。

初期のアーケードゲーム筐体

 1980年代になると、アーケードゲームが登場した。アーケードゲームはゲームセンターに行ってコインを投入する必要があったが、それまでに比べると大きな進化になる。やがて家庭用ゲーム機が登場し、ゲームセンターに行かなくてもゲームがプレイできるようになって、さらに現代にはユーザー全員が非常に高性能な端末、つまりスマートフォンを持ってゲームを楽しめるようになった。ヤーガ氏は、ゲーム体験の大きな進化であり、大きな機会が生み出されていると語る。

Android Wearは「今のアプリがそのまま動く」

Android Wearのコンセプトモデル

 さらにヤーガ氏は、Androidチームがいろいろな人にイノベーションを与えるために、車のような大きなデバイス、腕時計のような小さなデバイスに使ってもらえるような試みをしていることを説明する。とくに発表されたばかりのウェアラブルデバイス向けプラットフォーム「Android Wear」については、「いまのAndroidアプリがそのまま動く。Notificationなど基本的なフレームワークを変える必要はない」と開発が容易なことをアピールした。

Android市場の大きさ

 続いてヤーガ氏は現状のAndroidエコシステムについて話を移す。Androidは世界各国で成長しており、これまでに10億台がアクティベートされ、1日あたり150万台のペースで増えているという。現在は60のメーカーが世界190カ国、329の携帯電話会社向けにAndroid端末を提供している。ヤーガ氏は、「これだけ多くの人たちが開発者の成功を願っているということでもある」と語る。

ユーザーの50%がキャリア決済対応に

 Google Playも急速に成長し、アプリのダウンロード数は500億に達した。ARPU(ユーザー1人あたりの収益)も1年ごとに倍以上に増えているという。昨年12月には、プリペイドカードの「Google Playギフトカード」が日本でも発売されるなど、決済手段も広がっていることを紹介した。

 開発者向けに提供されているGoogle Playゲームサービスに新しいAPIが追加されていることも紹介する。マルチプレイヤーゲームの自動マッチング機能では、Android同士だけでなく、iOSともマッチングできるようになり、ユーザー間でギフトを贈り合ったりする機能も追加されている。

Google Playと連携できるGoogleのサービス群

 ほかのGoogleサービスとの連携が簡単なことも、Google Playの優位点だとアピールする。ヤーガ氏は、「Googleプラットフォームのメリットを活用してもらいたい。開発者は得意な部分だけに注力してもらえば、あとのインフラはGoogleが提供する」と説明した。

 最後にヤーガ氏は「何億人もの人がゲームを楽しむことができるようになった。その中で開発者が果たす役割は大きい」と開発者に感謝の意を表わした。

(白根 雅彦)