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ソフトバンク、下り1Gbpsに迫るLTE-Advancedの実験を公開

3.5GHz帯で80MHz幅、256QAMを使用

 ソフトバンクモバイルは、LTE-Advancedの実証実験として、3.5GHz帯で下り最大1Gbpsを実現するデモンストレーションを公開した。同社は1月に、700Mbpsを超える通信速度をデモで公開しているが、今回は一部の内容を変更し、さらに高速化を図った内容になっている。

銀座の路上にて、3.5GHz帯で下り最大991Mbpsを記録

 実験の概要は1月に実施されたものと同様で、トラフィックが集中しやすい銀座の繁華街で、3.5GHz帯を用いて通信速度の確認や、LTE-Advancedの特徴でもあるスループットの改善技術や機能を確認するというもの。

 通信方式はTDD方式の「LTE-Advanced TDD」を利用し、3.5GHz帯として、3480MHz〜3560MHz帯が利用されている。アンテナ4本を利用する4×4 MIMOを利用するほか、実験で使う80MHz幅は、20MHz幅を4つ使ったキャリアアグリゲーションも採用。さらに、今回の実験では変調方式として256QAMを新たに採用し高速化を図った。256QAMはまだLTE-Advancedにおいて標準化されていないが、リリース12で標準化が検討されているという。

 公開されたデモでは、銀座の繁華街の中をバスで走行しながら、実測で1Gbpsに迫る最大991Mbpsを記録した様子が確認できた。最も条件の良い場所に静止すると、平均で900MBpsを超えた状態になっていたほか、条件が良ければ瞬間的に1Gbpsを超えることもあるという。

日本における3.5GHzの状況、2014年中の割り当てを想定
TDD方式のLTE-Advancedで1Gbpsに挑戦する
銀座の特徴。通信環境としては厳しい条件
実験の通信方式や仕様
前回の実験と同様に、既存のアンテナ設備に3.5GHz帯の仕様を追加する
ピークスループットを計測するゾーン
新たに256QAMを採用し高速化を図る
256QAM
最大991Mbpsを記録した地点。バス車内からアンテナが見えていた
実験で用いたLTE-Advancedの技術

 YouTubeにアップされた4Kビデオ映像を受信するデモでは、映像のために40〜70Mbps程度のデータの受信する必要があるが、実験では移動中のセル境界でも500Mbps以上を安定して受信するとあって、4K映像を安定して視聴することができていた。

 デモではこのほか、1月の実験の時と同様に、セルエッジ(基地局のエリアの端)でもスループットが変わらない基地局間協調技術の効果なども披露された。

前回の実験と同様に、4K映像の受信に挑戦
4KにアップコンバートしたソフトバンクのCM。受信は40Mbps前後で、大幅に余裕がある
こちらは従来のセル境界の様子。セルエッジに近づくとスループットは低下していき、ハンドオーバー後に急速に持ち直している
こちらは基地局間協調技術が適用されたエリア。セルエッジでハンドオーバーする前後でも、スループットが安定している
CoMPは端末側での対応が不要

 今回の実験ではまた、LTE-Advancedには対応していないものの、3.5GHz帯のLTEの受信に対応したスマートフォンも披露された。これは実験用に特別に準備したもので、3.5GHz帯の電波が、屋外や屋内、繁華街といった環境でどのように届いているのかを確認するためのもの。実験設備は大型で、喫茶店などユーザーの行動範囲に持ち込めないことが多いため、スマートフォンの形にすることでこうした問題を解決し、より緻密な調査を行えるようにする。

 この3.5GHz帯対応のスマートフォンで速度を計測してみると、下りでは53Mbps程度の速度が出ていた。

3.5GHz帯のLTEに対応した実験用スマートフォン
銀座の大通りで通信速度を計測
計測結果。LTE-Advancedには対応していないが、高速な結果。端末は通信エリアの整備を目的に準備されたもの
実験で銀座を走行したバス
ルーフにはアンテナ
後部の受信設備

 ソフトバンクは、3.5GHz帯について、合計120MHz幅が2014年中に割り当てられると想定している。同社は、3.5GHz帯をLTEのグローバルバンドとして推進していく方針で、端末側でも対応が必要になることから、エコシステムの構築に積極的に関与していく構え。約1Gbpsが実測で実現できたことから、無線通信で有線を巻き取れる時代になるとも意気込んでいる。

(太田 亮三)