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新iPhone登場でも「キャッシュバックは不健全」、ドコモ加藤社長が語る

 NTTドコモは、2014年度第1四半期(2014年4月〜6月)の決算発表会を開催した。収益は前年同期比で減収したものの年間計画に対して堅調に進捗していること、7月から提供している新料金プランが好調なこと、それにより純増・MNP・解約率の改善が見られたことなどについて、代表取締役社長の加藤薫氏が説明した。

NTTドコモ 代表取締役社長の加藤薫氏

新たな成長に向けた基盤をつくる

 第1四半期(4月〜6月)の営業収益は、前年同期比3.4%減の1兆753億円、営業利益は前年同期比15.3%減の2096億円となり、対前年比では減収減益となった。

 加藤氏は減収減益ながら、年間計画の進捗に対しては1Qで、収益23%、利益28%と順調な滑り出しであると説明、さらに純増数が大幅増加が見られたことを強調した。純増数の大幅な増加は、7月よりスタートした新料金プランが好調であることを理由としてあげている。前年1Qの契約数が9万件に対して、今年度は46万件の純増、前年同期比で約5倍となった。新規販売数が前年1Qに168万件に対して今年度は174万件と増加、「解約率は若者層を中心に改善が見られる」とした。

 加藤氏は「純増が回復に向かったことで基盤をつくっていく。新たな成長に向けた礎を築く年になる」と述べた。

「キャッシュバックは不健全」、新iPhone発売後も今のままを堅持

 NTTドコモは、昨年秋以降続いた各社のMNPによるキャッシュバック施策が沈静化したことによりMNPが大幅に改善、その後新料金プランの発表後にはさらに改善された。加藤氏は“キャッシュバックは不健全”とこれまでたびたび述べてきたが、今回の決算発表会においても、その見解を強調した。

 iPhone発売後のMNPキャッシュバックの激化が通例となっていることで「次のiPhone登場後にどのようにコントロールするのか」と記者からの問いに対し「毎年そういった傾向にあるが、(ドコモとしては)適正に販売していく。やはりキャッシュバックは不健全。長期のユーザーを優遇しながらキャッシュバックは控えておりますけれども、その戦い方を堅持していきたい。どういうことが起こるかはわかりませんが、そういうスタンスで望みたい」と述べた。

 新料金プランの好調により、現状、MNPの改善は続いているとし、「MNPゼロ・プラスも夢ではない」と語った。

SIMロック解除義務化に及び腰 「ドコモでは20万件程度」

 総務省が定めた“SIMロック解除の義務化”について加藤氏は、「ドコモとしてはこれまでお客様の要望に対してはお応えしてきた。SIMロック解除は3年間でおよそ20万件くらい。そのうちのほとんどが海外で利用したいという要望によるもの。今後SIMロックに関するガイドラインに変化があるかもしれないが、我々としては今のままでいいと考えている」とコメント。

クーリング・オフ導入は「難しい問題」

 携帯電話にクーリング・オフ導入についての議論に関して加藤氏は「なかなか難しい問題。我々はサービスや端末・エリアについて充分ご理解いただいた上でご契約いただいている。エリアに対してはお試し期間も設けている。(導入する場合)お客様に混乱がないように、どういった項目を設けてどうするのか、窓口の対応についても議論が必要。事業者として何ができるか考えていきたい」と述べた。

タブレットは約30%増 「2台目需要が拡大」

 端末の総販売数は前年同期の539万台に対して516万台、うちスマートフォンは前年同期の335万台に対して306万台と、微減となった。一方でタブレット販売数は前年同期の22万台に対して今回は29万台、前年同期比で約30%増となり、ドコモは2台目利用が拡大傾向にあると説明した。「iPadの取り扱いを開始したわりには低いのでは?」とタブレットの動向について問われると、「タブレットの導入が国内ではまだまだ鈍い印象はあるが、iPadに限らず、この夏モデルふくめ3機種は好調。フィーチャーフォンを根強く使っているユーザーなど、これから需要が高まると感じている」とコメント。

dマーケットの成長が、スマートARPUを牽引

 新料金プランは、7月24日時点で601万6000人を突破したという。その影響もあり、ARPUは、前年同期5190円に対して5120円、70円のマイナスとなった。内訳として、音声ARPUが160円減に対してデータ通信によるパケットARPUが40円増、dマーケットなどのサービスによるスマートARPUが50円増となる。ドコモとしてはパケットARPU・スマートARPUの更なる増加を目指していく方針。

 スマートARPU増加の理由としては、dマーケットのサービス拡充を挙げている。dマーケットによる売り上げは127億円から168億円と前年同期比で30%の増加となった。dマーケットの中でも、この春から新たに開始した「dヒッツ」と「dマガジン」が好調で、スマートARPUを牽引。またdアニメストアは114万件と予想を超える契約数であるとして「大きな市場だと感じている」とコメントしている。

(川崎 絵美)