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MVNOの伸長に警戒感、auのFirefox OSスマホは「けっこうオシャレ」

KDDIの2014年度第1四半期決算

 KDDIは、2015年3月期第1四半期(2014年4月〜6月)の連結決算を発表した。営業収益は前年同期比2%増の1兆206億円で通期予想に対する進捗率は22%、営業利益は前年同期比9%増の1948億円、進捗率27%、EBITDAは前年同期比7%増の3264億円で、進捗率は26%などとなった。

 決算説明会に登壇したKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は、現在の取り組みを解説する中で、2.1GHz帯のLTEのカバー率が90%を突破したことを明らかにした。観光地など居住人口が少ない場所もエリアを拡大しているという。

 「au WALLET」はサービス開始から41日間で300万契約を突破したとし、auスマートパスが255日で300万契約を突破したことと比較し、「au史上最速」とアピール。一方、端末販売と連動することが多いauスマートパスの契約は、6月末で1070万台にまで拡大しているものの、4月の端末販売数の落ち込みの影響を受け伸び悩んだことも認めている。

モバイル通信料収入の増加が収益に大きく貢献

 決算の業績については、大幅に増加した営業利益について、「モバイル通信料収入の増加が収益に大きく貢献した。モバイル通信料収入は前年同期比で6%増加し、増収幅は着実に拡大している」とその要因を解説した。

 解約率は、直前の2013年度第4四半期がキャッシュバックの実施などで1.18%と急増していたものの、沈静化に伴い今期は前年同期と同じ過去最低水準の0.54%に戻っている。

 法人契約を除いたパーソナルセグメントにおいて、auの累計契約数は3450万件で、前年同期比で5.4%の増加。MNPの数は、3キャリアの申し合わせで非公開という。田中氏は「MNPは市場自身は小さくなっている。競争環境は変わっていないが、流動数は少なくなっている」との見方を示している。

 音声通話とデータ通信を合わせた通信ARPUは、前年同期比1.7%増の4220円。「着実に反転している。通期で増加することが目標で、非常に順調」と手応えを語っている。

 auスマートパスやau WALLETなどの付加サービスの収入を示す付加価値売上は前年同期比20%増の295億円で、「増収幅が大きく拡大している」とこちらも順調であるとした。au WALLETの決済額は想定よりも多いという。

 auスマートパスの会員数が1070万件と拡大していることで、付加価値ARPUが底上げされているとし、今期の付加価値ARPUが300円とした上で、スマートフォンユーザーに絞ると470円になり、さらにauスマートパスユーザーに限定すると690円と、成長の背景になっていることを示した。

 田中氏は、2014年度第1四半期が順調に進捗しているとまとめ、ARPUの拡大とスマートフォンへのシフトを、新料金プランと合わせて進めていく方針や、付加価値売上については、好調な「au WALLET」でオフラインの領域にも拡大していく方針を示した。

MNPは非公開、端末販売は下期に多いのが業界のトレンド

KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏

 質疑応答と囲み取材で質問に答えた田中氏は、純増数について、「これまでのような行き来がなくなって、スマホシフトも進んでいる。前期に増えたこともあって、4月、5月は弱めに出た。6月は少し増えている。下半期はいろんなものが出てくる。通期では頑張って目標を達成したい」とした。

 NTTドコモなどが発表した新料金プランの影響については、「影響がないという認識。どちらかというと、ドコモユーザーの中の話とみている」との認識を示している。

 新料金プランに提供にともない、旧料金プランを終了するかどうかについては、「いつかどちらかに寄ったら、やめるかもしれないが」とするものの、当面の間は併存させる方針。

 端末の出荷数が第1四半期では少なかった点について、「全体として、端末販売や出荷数は小さくなっている。ただ、下半期に重きを置いている計画」と明らかにしている。

 auで「iPhone 5」を最初に買ったユーザーの多くは、今年の秋で2年目を迎える。囲み取材で問われた田中氏は、「秋ですよね。頑張ろうかな、と」と、やや“決意の明言”を避けた回答だった。

MVNOの伸長に警戒感

 SIMロック解除の義務化の議論については、回線交換の通話に使う3GがCDMA方式である点などに触れ、同社の端末の流動性には懐疑的な見方を示したが、「議論が中間段階で、もう少し先行きを見ていかないと、なんとも言えない。SIMロックを外す内容や、どういう形で制限が残るのかも分からない。なんともコメントし難い」と現在の不透明性を率直に述べている。

 田中氏はこれに関連し、SIMロック解除よりもMVNO市場の拡大のほうが事業環境に影響すると警戒感も示す。「MVNOの増加で、3キャリアの枠組みに変化が出てきているのではないか。SIMロック解除義務化でも、割賦販売主体では影響がないという意見もあれば、短期で影響はなくても2年後にはMVNO用として利用されるかもしれないという見方もある。現在は、MVNOの伸長のほうが(事業環境への)影響が大きいのではないか」。

 一方、MVNOへの回線の提供については、「接続なので、接続料金も決まっており、“自然体”」と、au回線のMVNOの拡大はあくまでMVNO側に委ねられているとした。

ドコモの光回線セット売り、「あんなことしていいのかな」

 「ドコモは光回線を(セットで)売る気満々だが、どう対抗するのか」と聞かれると、「D-フレッツ?(笑) 公式コメントで申し上げているが、“あんなことしていいのかな”と。NTT東西のフレッツは全国に張り巡らされており、これ以上入る人はなかなかいない。結局何かというと、我々やケイ・オプティ、ケーブルテレビから巻き取る(奪い取る)のが本音。それの営業フロントをドコモにまわす。そんなの、いいんですかね?」。

auのFirefox OS端末、「けっこうオシャレですよ」

 Firefox OS端末については、開発者向け端末がMozillaから提供されたばかりだが、auはコンシューマー向けに提供する方針で、その進捗を聞かれると「言うなって言われているんですよ」と詳細は語られなかった。ただ、「僕はもう見てますけど、けっこうオシャレですよ」と口を滑らせる一幕もみられた。

3.5GHz帯、VoLTEについて

 LTE-Advancedなどに向けて割り当てられる3.5GHz帯については、割り当ての指針案が総務省から公表されたが、「当然ながら、申請する予定。ヒアリングではTDD-LTEで申請すると申し上げ、わりと想像通りの開設指針案という理解」とした。

 VoLTEについては「やりますよ。何月? 言えるわけないじゃないですか(笑)。頑張ってテストしています」とした。

(太田 亮三)