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免許不要の電波でLTE、ドコモとファーウェイが実験第1弾

 NTTドコモは、ファーウェイおよびドコモ北京研究所との共同実験で、LTE方式による5GHz帯での通信実験に成功したと発表した。LTEそのものは既に実用化されているが、今回は、免許不要の電波でWi-FiやBluetoothなどで使われている、いわゆるアンライセンス周波数帯(アンライセンスバンド)で実験が行われた。

 アンライセンス周波数帯は、Wi-Fi(無線LAN)やBluetoothなどが利用する周波数帯のこと。携帯電話のように、電波を使って通信などを行う場合は免許が必要なケースもある一方、個人ユーザーが自宅で使う場合などでは、免許不要で、気軽にワイヤレスな通信などが使えるような機器も存在する。そうした機器が使う電波がアンライセンス周波数帯であり、日本だけではなく、国際的に免許が不要となっている。

LAAのイメージ

 今回、ドコモでは、LTEをアンライセンス周波数帯で使うための技術「Licensed Assisted using LTE(LAA)」を用いて、アンライセンス周波数帯の5GHz帯で通信実験を実施した。このLAAは、5GHz帯での利用を前提に、国際標準の技術として、今後検討される見通しの技術。ドコモとファーウェイでは先行的に実験することで、標準企画の策定にあたり、リーダーシップを発揮して、より高度な技術を標準に盛り込むことを目指しているという。

 これから標準化が検討されるとあって、実験も第1弾という位置付け。そのため、実験では、LAAによる通信、その次に無線LANによる通信、という具合に、交互にシステムを切り替えて、その性能が確かめられた。LAAには、他の通信システムとの干渉を防ぐ技術もあるが、今回は複数の周波数帯を束ねる“キャリアアグリゲーション”のみを用いて携帯電話用の電波と、アンライセンス周波数帯を束ねて通信した。

 実験の結果、5GHz帯対応の無線LAN技術「IEEE802.11n」と比較して、LAAでは約1.6倍、通信容量が向上したことを確認したという。これは、基地局装置と、そこに繋がる端末4台を用意して、LAAでの通信時の速度と、11nでの通信速度を比較した結果。LAAでは4台で常に100Mbps程度の速度となったが、11nでは60Mbpsとなった。

実験イメージ

 今後、第2弾の実験として、LAAと無線LANを同時に稼働させて通信して、その性能を検証する。その結果を踏まえて、無線LANと共存できるようLAA側を最適化して、あらためて実験が実施されるとのこと。

関口 聖