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Bluetooth最新動向、「スマートホーム」が拡大と予想

Android LでBluetooth 4.1が拡大へ

 Bluetooth SIGは、Bluetoothの最新の状況や今後の展開を解説する説明会を開催した。次世代の規格が発表されたわけではないが、ビーコンなど現在拡大している分野や、今後活用が広がると予想する分野について解説が行われた。

Bluetooth Smartは「第2の波」

 登壇したBluetooth SIG グローバルインダストリー&ブランドマーケティング ディレクターのエレット・クローター氏は、2014年に30億を超えるというBluetooth製品の出荷台数を示し、2018年には46億台を突破するとの予想を示す。

Bluetooth SIG グローバルインダストリー&ブランドマーケティング ディレクターのエレット・クローター氏

 こうした出荷台数が拡大している背景には、Bluetooth Smartの提供が挙げられる。通話やオーディオでの利用が中心だったそれまでのBluetoothの規格に、超低消費電力で駆動できる規格も提供したことで、「第2の波になった」と出荷台数が飛躍的に伸びるきっかけになったとする。同氏からは、2018年には、スマートフォン以外も含めてすべての携帯電話の96%にBluetoothが搭載されるだろう、との予想も示され、(免許の不要な)無線通信の規格としてかつてない規模になることを示した。

Bluetoothのアジア地域の加盟企業数
Bluetooth出荷台数の推移と予想
Bluetooth Smartで出荷台数が拡大
2018年にはほとんどの携帯電話にBluetoothが搭載と予想

Androidでもネイティブ対応が拡大

 日本のスマートフォン市場については、iOSが51.6%、Androidが47%のシェアという数字を紹介し、ほかの国よりもiOSのシェアが高いと説明。iOSについては、現在はBluetooth 4.0をサポートしているが、今後の端末や次期iOSがサポートするバージョンについては「事前に知らされるわけではない」とし、不明であるとした。エレット氏は質疑応答の中で「9月9日にいろいろと発表されるのではないか」との見方を明らかにしている。

 Androidについては、Android 4.3からBluetooth Smart(Bluetooth 4.0)がネイティブ対応となり、次期「Android L」は、Bluetooth 4.1が初めてネイティブでサポートされるOSになるとした。Bluetooth 4.1がサポートされることで、「クライアント、サーバー、どちらも対応でき、非常に柔軟な開発が可能になる」と、さらに進化する様子も語っている。

モバイルOSの日本でのシェア

テレビ、エアコンなど「スマートホーム」にも波及

 エレット氏は、こうしたスマートフォンやパソコン用OSのネイティブ対応のみならず、「今後はテレビにも搭載される時代になる」としたほか、バンドや時計、モニターなどさまざまな端末をつなぐハブとしての重要性もますます強化されていくとする。

 現在伸びている分野はビーコンで、これはBluetooth Smartを活用し、ときに小売店や屋内でのナビ、空港や美術館・博物館などで採用が進んでいるという。日本でも採用例は増えており、8月22日から新宿駅周辺で開催される「新宿クリエイターズ・フェスタ2014」でも採用されていることを紹介。「開発コストがかかるものではなく、アプリも複雑ではない。ビーコンで小売環境はダイナミックになる」とアピールした。

 同氏はさらに、成長している分野としてヘルスケア関係、「スマートホーム」を挙げる。特にスマートホームは2013年に540万台の出荷だったところが、2018年には1億台に上るとし、スマートフォンで操作できる電球といった現在の製品とは異なる、機器同士の連携がより進んだ製品が登場するとの見方を示した。

ネイティブ対応のプラットフォームが拡大
対応スマートフォンが増加すれば周辺機器も拡大
ビーコンを使った取り組みは今まさに拡大中
ウェアラブルとスマートホームが急成長する
スマートホームは伸び率が非常に高いと予想

関連各社が最新の製品を紹介

 説明会ではこのほか、Bluetooth対応チップを提供する企業として、Nordic Semiconductor、シーエスアールの担当者が登壇し、最新の取り組みが説明された。Nordic Semiconductorからは、家庭内での複雑なセンサーネットワークにも対応する最新チップの特徴が解説され、オープンコミュニティに情報を提供していることも紹介された。

Nordic Semiconductorの製品
Antと両対応した製品もラインナップ
家庭内において複雑なネットワーク構成も可能
SDKも提供

 シーエスアールからは同社が「CSRmesh」として開発し、実験では6万台を超えるBluetooth機器をひとつのネットワーク上で制御できたというソリューションが紹介された。現状のBluetooth Smartの規格を活用したものとのことだが、この規格はBluetooth SIGに提供される予定で、Bluetoothの規格に取り込めるかどうかについて、Bluetooth SIGによる評価が行われる予定になっている。

「CSRmesh」の利用イメージ

 最後には、Kickstarterで1億円を調達した「Ring」を開発するログバー 代表取締役の吉田卓郎氏が登場し、「Ring」の概要を説明した。文字通り指輪型の「Ring」は、Bluetooth Smartに対応し、空中で行うジェスチャーを認識して、さまざまな機器を操作できるというもの。スマートフォンを経由して、Webサービスを操作できるのも特徴の1つに挙げられている。9月にはKickstarterの出資者向けの出荷が開始され、一般販売は10〜11月を予定している。

 吉田氏は、省電力駆動がBluetoothを採用した理由としたほか、Bluetooth SmartがOSでネイティブ対応されていることで、「デバイスの開発に集中できた」と感想も語っている。

「Ring」はBluetooth Smartとモーションセンサーを活用する
デバイスの操作のほか、Webサービスの操作にも対応
Ringと充電台

会場での展示

CSRmeshの電球を点灯するデモ
CSRのBluetoothを利用した低消費電力のソリューション
Dialog SemiconductorのSmartDice。サイコロの目を瞬時にアプリに反映させられる
SmartDiceの内部
Nordic Semiconductorの製品群
StickNFindの消費電力モニター「Meter Plug」
Blue Maestroの温度モニター「tempo」
富士通コンポーネントやホシデンなどのモジュール
Oregonの「Weather@Home」
三城ホールディングスのアラート通知デバイス「雰囲気メガネ」
アプリックスのビーコン関連製品
Cerevoの「EneBRICK」はUSBキーボードをBluetoothで接続する
QUICCO SOUNDの無線MIDIアダプター「mi.1」を使ったデモ

(太田 亮三)