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KDDI石川専務が語る、「au版iPhone 6」の強み

 12日、KDDIは各種キャンペーンの実施にあわせて記者会見を開催、代表取締役執行役員専務の石川雄三氏が「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の登場を踏まえて、キャンペーンやauのアドバンテージについて説明を行った。

KDDIの石川氏

SIMロックフリー端末でも「auのサービスは使える」

 説明を行った石川氏は、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」がキャリアアグリゲーション、WiMAX 2+(TD-LTE)を利用できることから、「全部入り」と表現して、auの通信サービスをフルに使える端末と説明。あわせてLTEのエリア整備に注力してきたことから、3Gへの切り換え(ハンドダウン)もほぼなくなってきた、としてその状態を“LTE維持率”として表現して、ネットワークの充実ぶりをアピールした。

 「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」は、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの各社に加えて、SIMロックフリー版が用意される。このSIMロックフリー版について、石川専務は「auのSIMカードを装着すれば、WiMAX 2+やキャリアアグリゲーションといったauの通信サービスは利用できる」と語る。

VoLTEは「ほとんど準備が整っている」

 LTEネットワークを利用する高音質な通話サービス「VoLTE」(ボルテ)について問われた石川氏は、「我々のVoLTEはほとんど準備が整っている。新しいiPhoneは、最初、対応していないが、できるだけ早期に対応したい。ただし、我々の希望だけでは決められない」と述べて、アップルと調整した上で、可能な限り早期にサービスを開始する意向を示した。

従来の料金プランと毎月割

 新料金プラン「カケホとデジラ」を8月から提供しはじめ、その利用動向を問われた石川氏は「利用数(の開示)は差し控えるが、順調に伸びている」とコメント。また、従来の料金プランの受付を以前として続けていることについては、「(広告で)“えらべる自由”と申し上げていることもあり、(選択肢を)広げておきたい」と述べる。既に加入している人も、1000円程度の通話料だったユーザーもいるものの、通話定額の安心感から加入しているという。

 またNTTドコモが、端末購入にあわせて提供する割引サービス「月々サポート」の条件を9月から変更したことに関連し、従来プランでも、auは「毎月割」の扱いをどうするか質問が挙がると、「同金額で対応いたします」と述べ、料金プランによる割引額の違いはないとした。

キャンペーン特典、端末価格について

 取り扱うスマートフォンが同等になり、サービス面でも大きな違いを打ち出しにくい“同質化”が進む中で、KDDIでは、固定通信とのセット割「auスマートバリュー」、電子マネーサービス「au WALLET」、コンテンツ使い放題やクーポン、保証サービスを提供する「auスマートパス」で差別化を図ってきた。

 iPhoneに限ると、他社との大きな違い、競争軸は「ネットワークになる」とした石川氏は、「他社と本当にここがすごく違う、と言うのは難しいかもしれないが、これからは(サービスなどの)上位レイヤーやサポートが重要になると思う。少しずつ他社より良い物を積み重ねていくしかない。今回はキャリアアグリゲーション、WiMAX 2+という明確な違いがある。そこをしっかり訴求すれば、他社との競争に勝てるのではないか」と自信を見せる。

 またキャンペーン特典として、au WALLETのチャージを提供することについては「実質上、キャッシュバックと同じことになるが、日本人の感性として現金を渡すよりいいのではないか。1万円という金額はきりのいい数字ということ。(今春はキャッシュバックの高額化が批判されたが、という問いに)そこの部分をあまりに手厚くすることは控えよう、ということで1万円レベルだと思っている」とした。

 端末価格が予約開始の約2時間前に案内されたことについて、「10日に発表され、スペックなどが本当にオープンになるのはその日なんですよ。価格やキャンペーンを揃えていくのは、我々の段取りが悪いのかもしれないけれど、やっぱりこれだけの時間がかかってしまう」と述べる。販売を手がけるキャリアと言えども、アップル側が事前に詳細な情報を開示せず、突貫工事で価格などを決めているようだ。

関口 聖