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ASUS、SIMロックフリースマホ「ZenFone 5」を国内で発売

16GBが2万6800円、MVNOとも連携

 ASUS JAPANは、5インチクラスでLTE対応のSIMロックフリースマートフォン「ZenFone 5」(A500KL)を国内で発売すると発表した。価格は16GBストレージモデルで2万6800円(税別、以下同)、32GBモデルで2万9800円。

ASUS ZenFone 5

 ZenFone 5は、Android 4.4.2を搭載したスマートフォン。ディスプレイは、5インチ、1280×720ドット(WXGA)のIPS液晶で、800万画素のアウトカメラ、200万画素のインカメラを装備する。チップセットはクアルコムのSnapdragon 400(1.2GHz、クアッドコア)で、メモリー(RAM)は2GB。内蔵ストレージごとに16GBと32GBの2モデルのラインナップとなる。

 同社はSIMロックフリーの端末を展開するにあたり、オンラインショップ「ASUS ZenFone Shop」もオープン。端末単体や、SIMカードとのセット、延長保証パッケージなどを販売するほか、純正アクセサリーも用意。同時に発表されたAndroid Wear端末「ZenWatch」と同時購入すると5000円を割り引くキャンペーンも実施される。

 対応する通信方式と周波数帯は、LTEが2100(1)/1800(3)/2600(7)/900(8)/800(19)MHz、W-CDMAが2100(1)/1900(2)/850(5)/800(6)/900(8)/800(19)MHz、GSMが850/900/1800/1900MHz。SIMカードスロットはmicroSIM対応となる。無線LANはIEEE802.11b/g/nに対応し、Bluetooth 4.0もサポートされる。

 日本向けのモデルでは、日本語変換エンジンとして「ATOK for ASUS」がプリインストールされるほか、MVNO各社のAPN(アクセスポイント)情報がプリセットされている。

 大きさは148.2×72.8×10.34mm、重さは約145g。バッテリー容量は2110mAhで、連続待受時間はLTEで約180時間、3Gで約395時間、連続通話時間は約1230分。ボディカラーは、ブラック、ホワイト、レッド、ゴールドの4色が用意される。

ASUS ZenFone 5 ブラック
ASUS ZenFone 5 ホワイト
ASUS ZenFone 5 レッド
ASUS ZenFone 5 ゴールド

 同端末向けには、純正アクセサリーとして、閉じたままで時計を確認したり、そのまま通話に出たりできる「View Flip Cover」(3500円)や交換用の背面カバー「Zen Case」(3000円)も販売される。

View Flip Cover ブラック
View Flip Cover ホワイト
View Flip Cover レッド
View Flip Cover ゴールド

台ASUS会長が「ZenFone 5」「ZenWatch」を披露

 10月28日に都内で記者向けに開催された発表会では、台湾ASUSTeK Computer 会長のJonney Shih(ジョニー・シー)氏が来日。海外のイベントでは精力的に新製品のプレゼンテーションをこなす同氏が自ら新製品の特徴を解説し、SIMロックフリーのスマートフォン「ZenFone 5」を日本市場に投入する意気込みを語った。

「ZenFone 5」を披露する台湾ASUSTeK Computer 会長のジョニー・シー氏

 「想像を超えるものに挑むのが我々の生き方」と自らを紹介するジョニー・シー会長は、パソコンやタブレットの実績はそこそこに、「ZenFone 5」の日本への投入を発表する。

 「これまで月間100万台のペースで出荷している。日本の皆様にも、ワンランク上のものを提供できる」とSIMロックフリーの比較的安価なスマートフォンとして、高いレベルにあることをアピール。デザイン賞の受賞歴や、細かなディテールへのこだわり、ディスプレイの発色や調整機能を紹介したほか、カメラ機能ついても18種類のモードや暗がりでも撮影できるLowライトモードなどを紹介し、GALAXY S4、iPhone 5sと比較して綺麗に撮影できるとアピール。撮り逃しを防ぐタイムシフト撮影、手ぶれ補正機能、顔認識機能付きの自撮りモード、美人効果モード、9種類の特殊フィルターとった充実したカメラ機能を紹介した。

 ディスプレイ表面にはコーニングのGorilla Glass 3が採用され、手袋をしたままでも利用できるモードを紹介。画面デザインも「Zen UI」として開発し、日本向けとしてAndroid用のATOKをプリインストールしたことも紹介された。パソコンのリモートコントロールアプリもプリインストールされ、「ワンランク上の贅沢を提供する」と細部に至るまでこだわっている様子が示された。同端末には、アイコンが大きくなるといった簡単モードも用意されている。

 同氏からは続いてもうひとつの目玉である「ZenWatch」の日本市場への投入も発表され、外観デザインに職人技の技工をこらしたことや、革バンドの採用、100種類以上のウォッチフェイス、「ZenFone 5」と連携を強化した機能が動画を交えて解説され、「ZenFone 5」「ZenWatch」の2つでもってASUSが掲げる「想像を超えた製品」を提供するものとした。また、「ZenFone 5」については「日本の未来をUNLOCKするモバイルスタイルの新境地」というコピーも示し、SIMロックフリー端末を大々的に展開していく方針を示した。

 同端末はASUSからの販売のほか、MVNO各社とも連携して販売していく方針。プレゼンテーションの最後には、フジクラ、フュージョン・コミュニケーションズ、ハイホー、インターネットイニシアティブ(IIJ)、U-NEXTの5社の代表者がステージに登壇。5社が「ZenFone 5」を取り扱っていく方針が明らかにされた。MVNO各社は登壇するのみに留まり、詳細は今後各社から発表される見込み。

 なお、会場で配布された資料には、上記の5社には含まれていない、ニフティによる音声通話対応のMVNOサービス「NifMo(ニフモ) by NIFTY」というチラシが含まれており、「ZenFone 5」の16GBモデルで(サービスが)「11月26日にデビュー」と案内されている。

SIMフリーは「民主的」、端末は感情と理性の科学的なバランスでデザイン

台湾ASUSTeK Computer 会長のジョニー・シー氏

 シー氏は報道陣からの質問に答える形で、業界が大きな再編の中にあり、パソコン中心からクラウド中心に移行していると指摘。クラウドを中心とした中の一部としてパソコンやモバイル、タブレットが位置付けられるようになり、移動性の高いモバイル端末の重要性がより高まっていくとする。また、ユーザーにとっては、受動的な変化として、IoTで街や家庭、ウェアラブル端末で変革が起き、その後にロボット関連の変革・発展が起こると予想し、業界には総じて明るい未来があるという見方を示している。

 スマートフォンである「ZenFone 5」の投入にあたり、日本市場でもすでにアップルやソニー、サムスンといったグローバル規模の競合他社がある中で、どう競争していくのか。シー氏は今回大々的に投入する端末がSIMロックフリーであることをもって「より民主的」と表現する。一方で、「プレミアムで、最高クラスの製品を提供してく。美しさも重要で、音楽などの体験も重視している」と、ただの安価な端末ではないと自信を見せる。

 プレゼンテーションでは詳しく触れられなかったが、タッチ操作にも注力しており、応答性が60msという世界最高クラスのタッチ操作を実現している。「今まではどちらかというと性能が重視されてきたが、ユーザーが“感じる”のは応答性であり、そこにこだわっていく。ASUSは技術者の会社だが、そうした技術者の考え方をガラッと変えて、ユーザーサイドから何が重要なのかを、もう一度見直していく。これはデザイン・シンキングと呼ばれるもので、スタンフォード大学ではデザインの科学として研究も行っている。パラメータの設定により、感情、理性、どちらにもフォーカスしながらうまくバランスをとっていく。例えば薄さとバッテリー容量、そのバランスの最適解を追求するのもそう。我々のスローガン『IN SEARCH OF CREDIBLE』、日本語では“想像を超えたその先へ”としているが、まさにそれを意識しながら、製品をつくり、競争していく。具体的には、最高の体験を提供しながらも、コストを下げていく。大変な課題だとは思っている」と語っている。

 SIMロックフリー端末の市場性について聞かれると、シー氏は、「ほかの国では普及しており、(日本で広がるのは)良いことだ。より多くの人がスマートフォンを使えるようになる。日本では特に年配のユーザーがフィーチャーフォンを多く使っている。SIMロックフリー端末であれば、ずっと手頃な価格になり、もっともっとスマートフォンを使ってもらえる。フィーチャーフォンもいいが、クラウドが発展し、さまざまな機能がある中で、それらを最大限享受しない手はない。そうしたものを活用するのにSIMロックフリーの端末は非常に重要ではないかと思う。政府もSIMロックフリーを支援していると聞いている。価格は大切だが、安ければいいというものではない。安くても、美しくなかったり、品質が悪ければ元も子もない。品質については日本市場から非常に多くのことを学び、過去8年間で注力してきた。品質だけでなくさらに、いかに良い体験ができるか、これを非常に重要視している。つまるところ、商売の基本だが、ユーザーに喜んでもらう、ということに尽きる。まずは品質で、それからコスト、ということになる」と、熱心に市場性や品質に注力している様子を語った。

 「プレミアムレベルの美しさ、しっかりとした体験、手頃な価格という3つを三角形の頂点に置き、3つすべてを追求していくことで、おかげさまで(グローバルで)月間100万台という人気になっている。向こう1〜2カ月の間に、これを2倍、3倍にしていきたい」とシー氏は、グローバル市場の勢いを日本市場にも持ち込みたい様子を語っている。

(湯野 康隆/太田 亮三)