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「SIMロック解除、無料で応じよ」、2015年5月から〜総務省が方針案

 総務省は、「SIMロック解除に関するガイドライン」改正案を発表した。携帯電話各社に対して、無料でSIMロック解除に応じるよう強く求める内容で、SIMロック解除が義務化される形。2015年5月以降に発売される機種への適用が想定されており、11月1日より意見募集がスタートする。総務省では31日、「モバイル創生プラン」を発表しており、SIMロック解除はそれにあわせた政策の1つとなる。

 SIMロックとは、特定の携帯電話会社の回線しか利用できないよう、携帯電話に施された設定のこと。そうした機能が施されていない携帯電話は“SIMロックフリー”と呼ばれ、最近ではSIMロックフリーの機種も国内で増えてきている。

原則、全ての端末に

 2011年からSIMロック解除に関するガイドラインが適用され、NTTドコモの多くの機種において有料で解除できたものの、通信方式や周波数の違いなどから他社では積極的な取り組みが進んでこなかった。こうした現状に対して、今回の改正案で総務省は、サービスの健全な発達やユーザーの利便性の確保に支障があるおそれがあれば、「電気通信事業法では、業務発動命令を発動できる」と指摘。

 いわば業を煮やす形で、携帯各社の「端末価格が高くなる」「サービスの独自戦略を進める動機が失われる」といった主張に対して「適正性・合理性の根拠とは認められない」と退け、現在は技術の進展で、通信方式・周波数の違いも小さくなってきた、として「原則、携帯電話会社は、自ら販売した全ての端末についてSIMロック解除に応じるものとする」「無料で解除する」とガイドラインを改正。ユーザーから申し出があっても応じなければ、業務改善命令を下す姿勢を示した。

主張その1

  • 携帯会社:他社のサービスに十分対応してない点について、ユーザーに混乱を生じさせる恐れがある
  • 総務省:適切な説明をした上で、ユーザーの選択に委ねることが適当

主張その2

  • 携帯会社:SIMロックがなければ販促費を抑制することになり、端末価格が高くなる恐れがある
  • 総務省:端末価格相当分が毎月の通信料から割引される現状から大きな問題にならない。端末購入時の行きすぎたキャッシュバックに一定の抑制効果があることは、むしろ望ましい

主張その3

  • 携帯会社:端末・通信サービスの独自ブランド戦略を進めるインセンティブが失われる恐れがある
  • 総務省:ブランド戦略はSIMロックで強制的にユーザーを囲い込むことではなく、端末の魅力を最大限、引き出すサービスによって進められるべき

対象機種はスマホなど、一定期間の解除不可は認める

 SIMロック解除の対象機種は、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット、モバイルルーター/USBモデムなど、汎用的に通話・通信できるものが想定されている。技術的にSIMロック解除が困難な端末、通信方式や周波数が特定の事業者でしか使えないものは対象外。2015年5月1日以降、新たに発売される機種へ適用される。

 また、ユーザーが端末割賦代金を支払わない、端末入手だけが目的の契約など、不適切な行為を防止するため、「最低限、必要な期間はSIMロックに応じないことなど、必要最小限の措置を講じることを妨げるものではない」としており、たとえば購入から半年、1年など、一定期間を経てSIMロック解除に応じる、といった形を認めている。さらに、通信サービスで「初期契約解除ルール」が将来的に導入される場合は、別途整理する、とされた。

 こうした方針を踏まえ、携帯各社に対しては、SIMロック解除の対象機種、手続きなどの方針を定めて公表すること、端末販売時に対象機種かどうか、SIMロック解除の条件・手続き、他社回線を利用する際には通信サービスやアプリなどが一部使えない可能性があること、その機種の対応する周波数と通信方式を説明することを求めている。

 故障・修理時の問い合わせ窓口は、各社が協議して明確にすることが適用、として携帯各社の対応を促している。

 そして「SIMロックを解除した端末はできる限り、自由に利用できるようにすることが望ましい」として、SIMロック以外の機能制限も、SIMロック解除時にあわせて解除できるよう要請している。

 ガイドライン案に対する意見は11月1日〜12月1日まで受け付ける。

(関口 聖)