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台湾レイヤークに聞く、スマホゲームの最新事情

 スマートフォン向けゲームで一気にグローバル規模へと成長する企業が続々と誕生している。台湾のレイヤーク(Rayark)もその1つだ。今回、グーグルのプレスイベントにあわせて、同社のユウ・ミンヤン(游名揚)氏が日本メディアの合同取材に応じた。

ユウCEO

 2011年に設立されたレイヤークは、翌2012年、スマートフォン向けの音楽リズムゲーム「Cytus」でブレイク。現在は、外部コントローラーを2つ繋いで同時プレイまで可能なアクションゲーム「IMPLOSION」の開発を進めている。

開発中のIMPLOSION

 スマートフォン市場の拡大とともに成長してきたレイヤークにとって、日本は、同社の売上のほぼ半分を占めるほどの重要な市場。ユウCEOは「かねてよりゲーミングカルチャーを牽引し、日本で人気のゲームはアジアの他の国でも人気になる可能性が高いと思っている」と語る。ただ、ゲームに慣れた日本のゲーマーは、複雑なルールのゲームも楽しむとのことで、ゲームによっては日本だけで人気になる、といったケースもあり得ると考えているのだという。

 今回のインタビューでは、レイヤークそのものよりも、有力なコンテンツプロバイダから見た現在の環境に対する質疑が大半を占めた。

 年々、ハードウェアがスペックアップしてきたことで、スマートフォン向けと言えどもコンテンツのクオリティ向上が求められ、ゲーム開発にかかる人数も増え続けている、とユウCEO。Unityなどゲーム開発で用いるエンジンは成熟しており、細分化が指摘されるAndroid端末でも、開発は以前より楽になったとのことだが、ゲーム開発に携わるスタッフの数は「3年前は5~10人程度だったが、今は20人以上が当たり前。今のクオリティでは今後、満足してもらえないかもしれず、グラフィックの改善に注力したい」のだという。

 そんなレイヤークは自社のゲームのPR活動をどうしているのか。日本ではテレビCMで一気に知名度を高める手段をとることも少なくないが、「現在は、ソーシャルメディアにおけるバズ(口コミ)の効果が一番重要だと思う」と説明。スコアやコメントがFacebookなどで共有されることで、友達同士のコミュニケーションが促進され、プレイに繋がる、ということのようで、「テレビCMは効果があるだろうが、現在はリソースを割いていない。来年以降はいろいろ考えていないが、試したことがないため、テレビCMの効果はわからない」と率直に語っていた。

関口 聖