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LGが「isai VL」の説明会、「LGはau VoLTEのリードベンダー」

自撮り棒で便利な「ジェスチャーショット」機能も披露

 LG Electronicsは、発売を控えたau VoLTE対応のスマートフォン「isai VL LGV31」の説明会を開催した。前モデルにあたる「isai FL」から仕様面での変更は限られているとあって、特徴である「au VoLTE」などに的を絞って解説が行われた。

引き続き日本オリジナルモデルを展開していく

 都内で開催された記者向けの説明会では、「isai VL LGV31」について、LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション プロダクトチームの金希哲(キム・ヒチョル)氏から解説された。

LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション プロダクトチームの金希哲(キム・ヒチョル)氏
「isai VL LGV31」 ピンクゴールド

 金氏はまず、ほかのメーカーが、開発する機種数を絞って利益の確保に動いているとするニュースを紹介。対するLGの方針として「引き続き日本オリジナルモデルの展開を考えている。ユーザーにとっては選択肢は多いほうがいい」と、日本向けモデルにもこだわっていく姿勢を示す。

 「isai VL LGV31」の中心となる特徴は、auの新しいサービスである「au VoLTE」に対応する点。「LGは韓国でもVoLTEの開発の実績がある。au VoLTEは端末にも手を加える必要があるが、VoLTEの開発経験を活かして、リードベンダーとして一緒にau VoLTEを開発した」と、KDDIと連携しながらサービスや端末を開発してきた様子を語った。

実は搭載、“自撮り棒”で便利な「ジェスチャーショット」機能

 「au VoLTE」への対応以外では、「isai FL LGL24」と共通の内容としながらも、WQHDで高視野角・高輝度のIPS液晶により、屋外でも見やすく、動画を友達と見たり、電子書籍の閲覧にも適しているとアピール。

 これまであまり説明会などでは触れてこなかったという、カメラの「ジェスチャーショット」機能は、“自撮り”の時に、カメラに写した手のひらを「パー」の形にしてから「グー」にすると、タイマー撮影が自動的に開始されるというもの。スマートフォンの画面や本体のボタンを押さずに済むほか、流行の自撮り棒(セルフィースティック)を使う場合でも、「Bluetoothシャッターボタン機能の付いた高機能な自撮り棒を買わずに済む」と紹介した。

 このほか、「isai FL LGL24」との数少ない仕様面の違いとして、メモリが2GBから3GBになったことに触れられ、「厳密には、au VoLTEに必須だったというわけではないが、画面が高解像度であることや、シンクコールの今後の機能追加の内容を考えると、2GBでは心もとない」とその理由を回答している。

 記者からの質問で、「au VoLTE」対応にあたっての苦労は? と聞かれた金氏は、「たくさんありすぎて。韓国国内でVoLTEを開始した時は、3Gも搭載して開始した。NTTドコモなどもそう。しかしKDDIは英断で、(au VoLTE端末は)国内はLTEのみになった」と語った。

 デザイン面では、ボディカラー以外で「isai FL LGL24」との違いはみられない。この点については金氏は素直に「新たな筐体を作る時間がなかった」と回答。一方のカラーバリエーションは、ポップなイメージが強かった方針から変更し、ピンクゴールドはディスプレイ側の額縁も塗装するなど、質感も重視しながら選択したという。

「MVNOで時流に乗れた」、キャッシュバック祭で記録的な販売数に

 説明会の冒頭には、LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション 統括部長の首藤晃氏が挨拶を行った。年末ということもあり、首藤氏は2014年を振り返る形で「格安スマホ」が話題になったことに触れ、「図らずも、イオンから販売されたNexus 4が売れて新聞誌面を賑わせたこともあった。その後もMVNOにLG製端末(G2 mini)が採用され、時流に乗っかれたのではないか」と、これまでにない販売経路で端末の出荷が拡大したことを今年の話題として振り返った。

LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション 統括部長の首藤晃氏

 また、2014年3月までのキャリアのキャッシュバック競争の影響で、「3月は大変売れた。二桁万台だが、LGの1カ月の販売台数として過去最大数だった」ことを明らかにした。加えて、現行モデルの「isai FL LGL24」も販売は順調とし、店頭在庫もほぼ無くなっているとのことで、今後発売される「isai VL LGV31」と入れ替わる形になるという。

 isaiのシリーズは、ディスプレイサイズなどから比較的大型なモデルになっている。小型モデルを投入する意向について、金氏は、キャリアのラインナップの方向性次第としながらも、LGのグローバルのラインナップには小型のモデルもあること、MVNO向けにはすでに小型のモデルを投入していることなどを紹介。「MVNOが拡大している話題もあったが、来年は、価格に関する一般ユーザーの肌感覚がさらに敏感になってくる年になるだろう。ディスプレイサイズが小さくなれば、本体価格を抑えることに繋がる」などとして、ボディサイズのバリエーションの増加は、価格の面を含めて可能性があることを示した。

太田 亮三