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「店頭の苦情を減らそう」、携帯販売代理店12社が対策に乗り出す

全携協の会長を務める竹岡氏(ティーガイア社長)

 携帯電話販売代理店を営む大手12社が「全国携帯電話販売代理店協会」(全携協、National Association of Mobile-phone Distributors、NAMD)を設立した。説明に時間がとられる携帯電話の販売において、ユーザーからの相談・苦情を減らす取り組みに着手する。

 参画メンバーは、ITX、MXモバイリング、兼松コミュニケーションズ、クロップス、コネクシオ、相互移動通信、ダイヤモンドテレコム、ティーガイア、TDモバイル、富士通パーソナルズ、ベルパーク、和田正通信サービス。最初の会長には、ティーガイア代表取締役社長の竹岡哲朗氏が就任する。協会内には、まず「携帯電話店頭販売サービス向上委員会」を設置、ユーザーから寄せられる苦情・相談をとりまとめ、店舗固有の問題なのか、あるいは各社共通の傾向があるのかといった分析を進め、春以降、店頭への対策を実施する方針。今秋には、苦情・相談件数の減少という実績に結びつけたいという。

キャリアショップ中心、シェア50%強

 設立時のメンバーとなった12社では、キャリアショップの委託運営を主に手がけており、いわゆる一次代理店と呼ばれる。国内のキャリアショップは約8000店、いわゆる併売店や家電量販店を含めると1万5000店、存在すると言われる中で、12社直営のショップは約1600店に留まる。しかしシェアで見ると50%強とのことで、「(12社の店舗から苦情・相談を収集して)その傾向を得るのは意味があると思っている」と会長の竹岡氏。

個別ではわからなかった問題を見つけ出す

 竹岡氏によれば、これまでもキャリアと販売代理店の間では、苦情・相談の情報を共有していた。特に、スマートフォンへの移行が進む中で、これまでの携帯電話との違いが多く、さらには関連するサービスなども多様化し、「使いこなせない」と感じるユーザーが一定数存在し、相談や苦情の件数は高止まりする。そうした中で、消費者庁からは、苦情件数を減らすよう要請があったという。

副会長の井上裕雄氏(コネクシオ社長)
副会長の西川猛氏(ベルパーク社長)

 しかし国民生活センターに寄せられた苦情情報(PIONET)は、民間には開放されておらず参照できなかった。これまでも店舗ごと、企業ごとに苦情・相談の分析を行っていたが、各社ごとの分析程度では「苦情の原因が一般的なもの、キャリア側の施策によるものなのか、わからなかった」(副会長を務めるベルパーク社長の西川猛氏)という。

 今回の取り組み収集する情報には個人情報は含まれないものの、年齢、性別、苦情の内容など20項目のデータが集められる。参加企業のなかでデータを共有、分析することで、苦情・相談の原因を割り出して、店頭で対応できるものは各社で対応し、キャリア側の施策に課題があればキャリアに要請する、といったことが実現しやすくなる。ちなみに参加企業の間でも、どの苦情がどの代理店に宛てられたものかはわからないようにしているという。

SIMロック解除、通信サービスのクーリング・オフは?

 2014年に総務省で打ち出された方針により、2015年には、携帯電話のSIMロック解除の義務化、通信サービスのクーリング・オフ(端末は対象外)が導入される見込み。こうした新制度について、竹岡氏は、導入後に寄せられた苦情・相談には協会として分析、対策を進めていくと説明。協会として、たとえばSIMロックフリーについての見解はとくにない、としたものの、竹岡氏個人としては「1つの流れ、お客さまのためになる方向で対応していきたい」と説明。いわゆる格安スマホとされる、MVNOサービスについては、全携協の参加メンバーでは扱っていない、としたものの、当面その動向を注視する方針だ。

 優良な店舗かどうか、とふるいにかけるのではなく、いわゆる併売店、家電量販店は今後、入会を働きかけ、携帯電話販売の現場で公正化を進めていくという。

(関口 聖)