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UQがWiMAX 2+で無制限プラン復活、“解放”を謳う新施策

440Mbpsは「射程に入った」、2020年より前に1Gbpsを目指す

 UQコミュニケーションズは、WiMAX 2+サービスの拡充し、220Mbpsの通信速度に対応したモバイルWi-Fiルーター2機種と、WiMAX 2+向けの新料金プラン「UQ Flatツープラス ギガ放題」を発表した。15日には都内で発表会が開催され、通信速度のロードマップや新料金プラン、新端末、WiMAXからWiMAX 2+へ移行を促す施策などが解説された。

ネットのストレスからの解放がテーマ

 登壇したUQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏は、3キャリアが2014年に相次いで導入した新料金プランについて、パケット通信料が従量制に移行し、「使えば使うほど高くなる不安がある。そういったものから解放していきたい」としたほか、同じく拡大しているMVNO各社のサービスについても「速度と通信料のジレンマから解放」、固定回線のブロードバンドについても引っ越しの際の手続きや配線の処理から「解放していきたい」と、現在の課題を指摘しながら、“解放”をキーワードに同社のスタンスを表明する。

 その同社は、従来の倍となる220Mbpsで、将来的には1Gbpsを見据えた通信速度の倍化施策を「ヤ倍速」と命名。同時に発表した、月間の通信容量を無制限とする「UQ Flatツープラス ギガ放題」(ギガ放題)と合わせて「ギガヤバ革命」としてアピールしていくことが明らかにされた。

CAと4×4 MIMO全国展開、2020年を前に1Gbpsが目標

 野坂氏からは、通信速度のロードマップとして、今後下り440Mbpsを実現し、2020年の東京オリンピックより前には1Gbpsを目指すという方針が示された。今回発表された220Mbpsのサービスについては、キャリアアグリゲーション(CA)と4×4 MIMOという異なる技術を用いて、それぞれに220Mbpsが実現されている。端末への実装面で4×4 MIMOの実現に苦労したとのことだったが、今後は、CAかつ4×4 MIMOという組み合わせを開発していくことで「440Mbpsが射程に入ってきた」という。

 WiMAX 2+の基地局数については、1年半前の500局から急増させ、現時点で約2万局、3月末には2万2000局になる予定で、従来のWiMAXを上回っていく計画。「ここで区切りをつけ、次のことを考えていきたい」と、今後の増加ペースは緩やかになる見込みだが、「むしろ(2万2000局には含まれていない)屋内や地下鉄、空港などの動線とかを頑張っていきたい」と、屋内のエリア化にも注力していく方針。なお、屋内向けの基地局についても、CAおよび4×4 MIMOに対応した設備で拡充していくとしている。

 CA対応エリアは全国に順次拡大していくとし、栃木県真岡市からスタートする。先行して提供されるエリアは、WiMAX 2+が主体になっているなど、いくつかの条件が必要とのことで、基地局とエリアの構成が比較的シンプルな、条件に合致する地域からスタートする。こうしたことから、ユーザー数が多くエリア構成も複雑な東名阪地域がCA対応エリアになるのは、比較的後になる見込み。一方で、CA対応エリアが全国に展開する時期については、「1年はかけたくない」(野坂氏)としている。

 CA対応エリアとは対照的に、4×4 MIMOは全国で一斉に対応を開始する。基地局の大部分はすでに4×4 MIMOに対応したアンテナを備え、準備が整っているとのことで、端末の開発・完成を待っていた状態だったとした。

「ノーリミットの魂を継承」した「ギガ放題」

 料金プランでは、「ギガ放題」として、月間の通信量に制限を設けないプランが復活した。WiMAX 2+向けにすでに提供している「UQ Flatツープラス」では、月間通信量が7GBという設定が今後適用される方針だが、ユーザーの反応などから検討し、「ノーリミットの魂を継承したもの」として「ギガ放題」が新たに提供されることになった。一方で、WiMAX 2+対応端末では、「UQ Flatツープラス」「UQ Flatツープラス ギガ放題」を月単位で変更できることも明らかにされ、7GB以下に収まるユーザーにも選択肢を残している。

直近3日間で3GBの終日制限、「700kbpsが十分に通る速度」

 質疑応答の時間には、直近3日間で3GBを超えると速度を制限するという規制について質問が及んだ、野坂氏は、「一定の人が帯域を独り占めするのを防ぐ、防衛の意味合い」とし、直近3日間で3GBを超えた際の「終日制限」は、プランの上限到達時の速度制限とは考え方が異なると指摘。「(終日制限は)128kbpsになるようなことはなく、YouTubeの標準画質の動画くらいなら見られるようなものを考えている」とした。一方、3日間で3GBを超えると、ほぼ一律的に適用される方針ともしている。

 囲み取材でも「無制限でも3GBの制限がある」との指摘に対し、「複雑になるが」と前置きした上で、「3日間で3GBの制限があるといっても、では30日間で30GBが上限かといわれれば、それは違う。仮に(制限後の目安である)700kbpsで24時間使ったとすれば、1カ月で210GBになる計算。3日間を超えて何GBも使い続けるユーザーは“ノー”だが、それ以外のユーザーは使える。(簡単に)制限があるとは言われたくない。ドコモが3日間の終日制限を撤廃したといっても、(プラン自体に)2GBや5GBなどの上限があり、我々のノーリミットとは意味が違う。終日制限は、本当は悩んだところ。撤廃する手もあったが、それは無責任。UQとして今までなかった取り組みで、今言わなければと考えた」などと時間を割いて終日制限の方針を説明した。なお終日制限でのスループットについては、「700kbpsに制限するのではなく、700kbpsが十分に通る速度」と技術部門長の要海氏から補足されている。

 WiMAX 2+対応の通信モジュールを搭載したパソコンの展開については、「某メーカーと話しをしている。いつとは言えないが、少なくともひとつは出る」とした。WiMAX 2+にける「機器追加オプション」の提供見込みについては、「重要なテーマと捉えている。シェアしていきたいという思いはあると思う」と理解を示すものの、具体的な内容には触れられなかった。

 囲み取材ではまた、10MHz幅に縮小されたWiMAXの将来性について聞かれた。野坂氏は、「ある日から使えなくなりますということは、基本的に避けたいと考えている。WiMAX 2+に移行していただきたいが、(その過程では)WiMAXの10MHz幅はしっかりとキープしていく。(現時点で)何年何月に終了しますとアナウンスすることは考えていない」と答え、ユーザーの移行を見極めていく方針を示した。

 SIMカードのみを提供する方針については、機器の充実などを含め、「大きな潮流としてあるのかもしれないが、施策との兼ね合い」と明言されなかった。

(太田 亮三)