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「Bluetooth 4.2でスマートホームが拡がる」、業界団体が示す未来像

 2014年12月、スマートフォンやアクセサリーなどを繋ぐ無線技術「Bluetooth」の最新バージョンである「Bluetooth 4.2」が発表された。その最新技術では、どういった未来が実現するのか、規格を策定する団体のBluetooth SIGが23日、記者説明会を開催。ブランド&デベロッパー マーケティングシニアディレクターのエレット・クローター氏が今後の展望を明らかにした。

クローター氏

Bluetooth 4.2でIPv6に対応

 かつて、日本ではなかなか拡大しなかったBluetoothだが、近年のスマートフォンの普及、そして低消費電力技術を盛り込んだことで、さまざまなBluetooth対応機器が登場。過去1年でBluetooth SIGに参加する企業は25%増(アジア太平洋地域での増加率は28%、日本は22%)となった。

 新たに登場したBluetooth 4.2の特徴は、「IoT(モノのインターネット)の実現」「安全性の向上」「高速化」の3つだとクローター氏。これは、IPv6に対応して、インターネットへ直接接続できるようになったこと、そして128bitのAES暗号を採用したこと、伝送できるパケットサイズを10倍にして最大2.5倍までスピードアップしたことを指している。

 クローター氏は、昨年8月に会見した際、今後スマートホームの実現でBluetoothが活躍するとの見通しを示していたが、今回もスマートホーム関連の機器が期待の大きい分野と指摘。これは、実際に製品を開発する上において、Bluetooth 4.2でIPv6をサポートしたことで、ネット関連の技術者がBluetoothのプロトコルなど専門知識を学んでいなくても、APIを活用してアプリや製品の開発が可能になるため、だという。

 電球やエアコンなど、宅内の機器がネットに繋がるためには中継役の装置が必要となる。ここで期待されているのが、Wi-Fiルーターのような製品。ここにBluetooth 4.2の機能を搭載することで、宅内のBluetooth機器がルーターに繋がりネットで通信する、という流れになる。Bluetoothのチップなどを手がけるNordic Semiconductorのカントリー・マネージャーである山崎光男氏も、1つ1つのBluetooth 4.2機器がWi-Fiと同じようにインターネット上で通信できるようになる、と解説。サーバーやルーターにとっても、Wi-Fiなどと同じようにシームレスにIPベースで通信できる、として、異なる通信技術で構築される“ヘテロジニアスネットワーク”でスマートフォンを実現しやすくなる、とした。

 クローター氏によれば、既に米国ではBluetooth機器用のハブになるルーターが登場しているとのこと。現在は、まずスマートフォンやタブレットとペアリングすることの多いBluetooth機器だが、スマートフォンがない環境でも役立つ、宅内向けのBluetooth機器が今後拡がる可能性がある。

 説明会の会場では、Bluetoothを利用するさまざまな機器が展示されていた。

ブロックで作った車をスマホアプリで操作する、というオモチャ。リモコン操作時にBluetoothで繋がる
LINEごっこが楽しめるタカラトミーの玩具。アプリックスのBluetoothモジュールを採用し、スマートフォンと繋がる
Cerevoが開発したスマホ連携のスノーボード用具「SNOW-1」。Bluetoothでスマートフォンやタブレットに繋がり、滑走データを確認できる
天気予報のWebサービスからその日の予報を得て、雨天ならは傘を持っていくよう促す、という機器。ハッカソンから生まれたアイデアを元に、Bluetoothモジュールに3Dプリンタで生成したケースを組み合わせたプロトタイプだ

(関口 聖)