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固定と携帯のセット割「ドコモ光」発表、10GB/1万3500円〜

 NTTドコモは、携帯電話回線と個人宅向けの光回線をセットにして、割引価格で提供する「ドコモ光パック」を3月1日より提供する。予約開始は2月16日。固定回線だけの新サービス「ドコモ光」をベースにスマートフォンと組み合わせる。新料金プランのデータ通信容量にあわせて、割引額が変わる形。たとえば1人での利用を想定した「光データMパック」は9400円、家族で通信量をシェアする「光シェアパック10」では1万3500円(どちらも戸建て、以下全て税抜き)となる。

 「ドコモ光パック」の料金は、ドコモが2014年から提供する新料金プランと連動するもので、固定と携帯が1つのパッケージとなった。ドコモの携帯電話の新料金プランでは通信容量をシェアするという体系となっていることもあって、auのような「1回線あたり△△円の割引」といった案内ではなく、携帯電話とドコモの固定通信を単独で利用する場合と比べて○○円割安、と紹介する形となった。

NTT東西の光回線を使った「ドコモ光」

 新サービスとしてドコモでは、NTT東西から光回線を調達し、固定回線向けの光回線「ドコモ光」を提供する。この新サービスは、ドコモの携帯電話(XiかFOMA)を利用していることが前提。ドコモの携帯電話を利用していなければ契約できない。ドコモの携帯電話回線を解約した場合でも、ドコモ光(固定回線)は利用を継続できるよう検討中。通信速度は最大1Gbps。

【更新 2015/02/03 15:07】
 初出時、「ドコモの携帯電話回線を解約するとドコモ光も解約になる」と記載していましたが、ドコモが方針を変更し、固定回線を継続して利用できるよう検討が進められていることが明らかにされたため、上記の内容に訂正しました。

 その内容としては、ユーザーがISP(プロバイダ)を選び、ISP代が別途かかる「『ドコモ光』 単独型」と、ドコモと提携するプロバイダの利用料が一体となった「ISP料金一体型」という2つのプランがある。ISP料金一体型の中にも、料金が異なるタイプA、タイプBという2種類がある。タイプAは当初から利用できるプロバイダ、タイプBはシステム開発の都合により6月から提供するプロバイダとなっている。

 それぞれ戸建て向け、集合住宅向けで料金が異なり、固定回線だけで6種類の料金がある、というやや複雑な形だ。2年契約が可能だが、期間拘束がない場合、戸建て向けは1500円、集合住宅向けは1000円、高くなる。

タイプ 住宅 料金
単独型 戸建て 5000円
集合住宅 3800円
ISP一体(タイプA) 戸建て 5200円
集合住宅 4000円
ISP一体(タイプB) 戸建て 5400円
集合住宅 4200円

電話サービスはNTT東西のものを利用、電話番号は……?

 光コラボレーションでNTT東西が供給する回線の内容としては、データ通信のほか、通話サービスが含まれる。しかし今回の発表された「ドコモ光」では、ドコモ側から固定電話の通話サービスは提供されない。もしフレッツユーザーが「ひかり電話」を利用していれば、そのままNTT東西との契約を継続して「ひかり電話」を利用する。これはシステム開発の都合によるものだという。たとえば料金を支払っておらず、一時的にサービスを中断する、という場合、ドコモだけのサービスであれば、支払い状況に応じて携帯電話サービスの停止/再開が可能となっており、その手続きはコンビニエンスストアで受け付けて、支払い直後に再開する、といったことが可能だ。しかし、現在は、NTT東西側との連携が完了しておらず、ドコモ側で特定のユーザーのサービスを中断あるいは再開したくとも、NTT東西側でリアルタイムに対応できないのだという。

 そうした面を含めて、体制を整えてから、ドコモでは「ドコモ光」での通話サービスを提供する考えだという。

 なお、電話番号については、NTT東西の「ひかり電話」を継続利用する場合、ドコモ光にしてもその番号を引き続き利用することになる。ちなみにドコモ光から、光コラボレーション対応の他社サービスに、再び“転用”で乗り換える場合はどうなるのか。NTT東日本によれば、現時点でドコモ光から直接転用できる仕組みがない、と説明。一度、転用すると、その後の乗り換えの際には、乗り換え先がいかなるものであれ、現在の仕組みでは電話番号の変更を伴うことになるという。

 また宅内に設置する光回線の終端装置(ONU)については、NTT東西からの卸に含まれるが、そのレンタル料は無料。NTT東日本が提供する有料のONU(無線LANルーター機能付き)を利用している場合は、「ドコモ光」へ乗り換えた後、ドコモに対して利用料を支払う形になる。ドコモ光の提供に関してドコモでは「スマートホーム化」も目標の1つに掲げており、今後はドコモ独自のONUも検討していく。

【お詫びと訂正 2015/01/29 22:21】
 記事初出時、電話番号に関して、「フレッツに戻ってから再び転用すれば同じ番号を維持できる」としておりましたが、この内容は誤りでした。お詫びして訂正いたします。

提携ISP、ドコモ自身が提供するプロバイダサービスも

 当初から利用できるタイプAのプロバイダは、ぷらら、BIGLOBE、hi-ho、DTI、BB.excite、エディオンネット、SYNAPSE、楽天ブロードバンド、ゼロワン光コアラ、ANDLINE、U-Pa!、Qitとなる。そしてドコモ自身が提供するプロバイダサービス「ドコモnet」となる。一方、6月から利用できるタイプBは、AsahiNet、So-net、nifty、Tcom、TNC、OCNの6社。

 このタイプA、タイプBの違いについて、加藤社長は「プロバイダ自体が光コラボレーションで独自ブランドの光回線サービスを提供する可能性もある。(タイプA/タイプBに属す企業の違いは)それぞれのプロバイダがどうお考えか、という結果だと思う」と述べており、6月からの企業は独自サービスに注力する可能性を示唆した。

 「ドコモ光」のベースは、NTT東西が光回線を卸で提供する「光コラボレーションモデル」で、こちらでは、既にフレッツ回線を利用している場合、工事なしで光コラボを利用する独自ブランドのサービスに乗り換えられる。この仕組みは「転用」と呼ばれており、今回、ドコモ光でも、フレッツ回線からの転用が可能となっている。

 転用により、フレッツ回線で利用していたプロバイダをドコモ光に切り替えても、同じプロバイダのまま利用できる。これによりたとえばプロバイダ発行のメールアドレスやその設定を変更せずに済む、というメリットがある。ドコモ自身による「ドコモnet」は、新規契約で「ドコモ光」を利用するユーザーに向けたプロバイダという役割を担う。もしタイプBのプロバイダを現在利用しているユーザーが、3月〜6月の間に「ドコモ光」を契約する場合は、「『ドコモ光』単独型」の料金に、ISPの利用料を別途支払う、という形になる。

 ドコモでは提携するプロバイダを順次拡大する考え。

パケットパックによって異なる料金「ドコモ光パック」

 固定通信サービスの「ドコモ光」と、ドコモの携帯電話を一緒に利用することで、セット割が適用されるというサービスが「ドコモ光パック」だ。以下で紹介する料金は、ドコモ光とパケットパック、ISP代(固定)を組み合わせたもの。ここにカケホーダイ、spモード代、家族で利用する場合はシェアオプション(1回線500円)が加わることになる。なおデータSパックは割引がない形。

戸建て向け/ISP一体型(タイプA)
パック名 携帯電話の通信容量 シェア パケットくりこし 利用料(2年契約)
光らくらくパック
(らくらくスマートフォン向け)
200MB × × 7200円
データSパック(割引なし) 2GB × 8700円
データMパック 5GB 9400円
データLパック 8GB 10900円
光シェアパック10 10GB 13500円
光シェアパック15 15GB 15900円
光シェアパック20 20GB 18700円
光シェアパック30 30GB 24500円
集合住宅向け/ISP一体型(タイプA)
パック名 携帯電話の通信容量 シェア パケットくりこし 利用料(2年契約)
光らくらくパック
(らくらくスマートフォン向け)
200MB × × 6000円
データSパック(割引なし) 2GB × 7500円
データMパック 5GB 8200円
データLパック 8GB 9700円
光シェアパック10 10GB 12300円
光シェアパック15 15GB 14700円
光シェアパック20 20GB 17600円
光シェアパック30 30GB 23500円

割引額と支払額

 マンション住まいで家族3人(3回線)という場合、「ドコモ光/マンション向け(ISP一体型A) 4000円」に、たとえば15GBのシェアパック(1万2500円)を合算すると1万6500円だが、ドコモ光パック15は1万4700円となり、1800円安い。戸建て向けと集合住宅向けで値付けが異なる「ドコモ光パック」だが、割引額自体は、戸建ても集合住宅も同じだ。
 この料金に、基本料(カケホーダイ)やspモード、iモード、シェアオプションが加わることになるため、先述した「ドコモ光パック15(マンション向け)」の3人家族(3回線)で全員スマートフォンだと、カケホーダイ(2700円×3)、spモード(300円×3)、シェアオプション(500円×2)があわさって、支払い総額は、2万4700円になる。

 この支払い額をベースに、ドコモがあわせて提供する割引施策が適用される。

光パックにあわせた割引

 あわせて発表された割引は「光スマホ割」「ドコモ光期間限定割引」だ。また、既に導入済の割引である「U25応援割」「ずっとドコモ割」も適用可能となっている。

 光スマホ割は、「光シェアパック」を契約し、ドコモのLTE対応スマートフォンかタブレットを購入、さらに新規契約(MNP含む)のユーザーを対象にしたもの。この条件を満たした月から最大12カ月間、一定額が割引される。カケホーダイプランの場合は1カ月あたり1350円、データプランであれば350円の割引額となる。受付期間は2015年2月16日〜2016年3月31日まで。

 もう1つの「ドコモ光期間限定割引」は、一部の料金プランに向けて用意された割引。らくらくスマートフォン向けの「光らくらくパック」、割引がない「光データSパック」や旧料金プランで、ドコモ光を契約するユーザーを対象に、12カ月間、1カ月あたり500円割引する。受付期間は8月31日まで。なお、旧料金プランで「ドコモ光」を契約すると、旧料金に、そのまま「ドコモ光」の料金(集合住宅向け、ISP一体型タイプAなら4000円)が合算される。

 既存の新料金プラン向け割引である「U25応援割」では、これまでと同じく、モバイルの月間通信量1GBがボーナスとして付与され、月500円の割引となる。

 同じく既存割引の「ずっとドコモ割」は、契約期間や契約するプランによって割引額が異なる。

6〜8年目 9〜10年目 11〜15年目 16年目以降
光らくらくパック 設定なし 設定なし 設定なし -600円
光データSパック 設定なし 設定なし 設定なし -600円
光データMパック 設定なし 設定なし -600円 -800円
光データLパック 設定なし 設定なし -600円 -800円
光シェアパック10 -300円 -600円 -800円 -1000円
光シェアパック15 -300円 -600円 -800円 -1000円
光シェアパック20 -600円 -800円 -1000円 -1500円
光シェアパック30 -800円 -1000円 -1500円 -2000円

サポートサービス

 ドコモ光にあわせて「光リモートサポート」「光訪問サポート」も提供される。

 「光リモートサポート」は月額500円で、スタッフが電話やツールを通じてトラブルを解決するというもの。スマートフォン画面を共有することで、スマートフォン側の設定を手助けしたり、カメラ機能を使って配線などを確認することもできる。対応する内容はネットやメール、無線LAN、プリンタ、ゲーム機、ウィルス対策ソフトなどの設定となる。

 「光訪問サポート」は、スタッフが現地を訪れてサポートするというもの。基本料は6000円で、サポート内容によって料金が異なり、たとえばネット接続(パソコン1台)は3000円、無線LAN設定は4500円などとなっている。

スマートホームでの活用も視野

 29日、決算会見にあわせて説明を行ったNTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、料金の割引があること、最大1Gbpsのサービスであり、フレッツ光対応ISPが利用できること、そして申し込み〜サポートまでドコモが一括して対応できることが特徴と紹介。今後の展望としてスマートホームでの展開も視野に入れているという。

 光コラボレーションでは、工事なしで乗り換えが可能な「転用」が特徴的な仕組み。ドコモでは、転用、新規どちらが増えるかは不明としつつ、既存のフレッツユーザーが移行しやすい仕組みであることは事実、として当初は転用が多い、という見方を示している。施策としても、どちらかに注力することはなく、転用・新規どちらにもインセンティブ(販売奨励金)は用意しない、と加藤社長はコメント。

 10月にサービスそのものの構想を発表した際には、「2015年2月開始」としていたが、実際のサービス開始は3月になった。加藤社長は、「NTT東西が新しいスキームに踏み出すということは、日本のICTにおける大きな転換点。これまでにいろんな議論がなされてきた。その結果として、ガイドラインなどが策定される予定。それらを総合的に勘案して3月になった」と説明した。

 加藤氏は、サービス開始そのものは遅れるものの、予約を2月から受け付けることで、春商戦への影響はカバーできると説明していた。

 なお、28日には総務省からNTT東西に向けて、光コラボレーションに関する要請が発表されている。その内容は、ユーザーが転用を利用して、「ドコモ光」などへ乗り換える際に、契約する相手がNTT東西から切り替わること、プロバイダの解約などが発生する場合には解除料がかかることがあることなど、ユーザーが誤解しないようきちんと案内するよう求めるものとなっている。

(関口 聖)