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クアルコム、「LTE-U」でWi-Fiとの共存を実証と発表

アンライセンス周波数帯のLTE、2015年後半にサンプル出荷へ

 クアルコムは、アンライセンス周波数帯でLTEを利用する「LTE-U」について、関連する製品群を発表するとともに、Wi-Fiとの共存を実証したと発表した。

 同社では、スモールセル向けのSoC「FSM99xx」にLTE-U機能を追加、2015年後半にも利用可能にする。スモールセル用として初めて専用RFソリューション「FTR8950」も発表している。

 モバイル端末向けには、業界初と謳うLTE-U用RFトランシーバー「WTR3950」を発表。「WTR3925」と組み合わせて利用することで、ライセンス周波数帯とアンライセンス周波数帯の3×20MHzのキャリアアグリゲーションに対応する。5GHz帯イントラバンドの連続した40MHzのキャリアアグリゲーションにも対応する。これらは2015年後半に商用サンプルが出荷される予定。

 Wi-Fiでも使われる周波数帯のため、Wi-Fiとの共存について実験が実施された。米中韓で商用導入が可能なLTE Release 10とLBT(Listen Before Talk)に対応したケースのほか、日本などほかの地域で使用されるLAA(Licensed-Assisted Access)と呼ばれるLTE Release 13の両方のケースで実験が実施されている。

 実験では、LTEとWi-Fiを個別に利用するより、LTE-Uのパフォーマンスが優れていたとしている。加えて、LTE自体が電波を効率的に利用できることから、多くの場合は、LTE-Uに移行することで、残りのWi-Fiユーザーのパフォーマンスも向上することを確認したとしている。

 クアルコムは、スペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress 2015」にて、LTE-Uのデモンストレーションを実施する。

太田 亮三