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VAIOとXperiaの棲み分けは? イオンスマホ春夏モデルのねらい

橋本部長の囲み取材、一問一答

 イオンリテールは19日、都内で記者向けの発表会を開催し、「イオンスマホ」の春夏モデルのラインナップを発表した。3月12日に発表していた「VAIO Phone」に加えて、新たに京セラ製の「S301」、ソニーモバイル製の「Xperia J1 Compact」を投入することが明らかにされた。新端末やプランについては別記事を参照していただきたい。

 発表会にはイオンリテール 住居余暇商品企画本部 デジタル事業開発部長の橋本昌一氏が登壇しプレゼンテーションを行ったほか、囲み取材も同氏が対応した。プレゼンテーションの模様は別記事で掲載している。以下では囲み取材の模様を一問一答の形でお伝えする。

囲み取材に応じる、イオンリテール 住居余暇商品企画本部 デジタル事業開発部長の橋本昌一氏

――「VAIO」「Xperia」という2機種が同時にラインナップされた。棲み分けは難しいのではないか?

 VAIOはブランド力と、高速データ通信がし放題。XperiaはモバイルWAONなどのおサイフケータイ機能や2000万画素以上のカメラ機能を重視するユーザー向け。棲み分けはできるのではないか。

――「“こだわり”を実現した」という“こだわりスマホ”。格安スマホという言葉と使い分けるのか?

 “格安”の看板を降ろすつもりはない。価格は重要だと思っている。しかし、これ以上に客層を広げて支持をいただくためには、ハード、回線が従来よりもパワーアップしたものが必要だろう。

 ガラケーからの移行では、選択肢が多すぎると何を選べばいいのか分からない。しかし今回のラインナップは、今スマホを使っているユーザー向け。節約志向のユーザーが一番(多い)だろうが、(価格以外の)すべてをトレードオフして魅力のない機種では難しい。ユーザーはすでに大手キャリアの良い機種を使っているので、こだわりの部分については充足できるようなものにした。

 その時、まず日本ブランドから幅広く選べるのが重要ではないか。もちろん、フラッグシップモデルを廉価にできれば一番良いが、実現は難しい。多機能なフラッグシップモデルの機能をユーザーが全部使いこなしているかというと、そういうユーザーばかりではないのではないか。ある部分にこだわったユーザーで、節約志向のユーザーをターゲットにした。

――端末と回線がセットだ。例えばVAIO Phoneにセットの通信サービスを、ほかのスマホで使いたいユーザーもいるのではないか。イオン自身がMVNOなどで通信サービスを提供しないのか。

 指摘の内容はよく分かる。段階があり、着実にやっていきたいと考えてきた。スタートしてまだ1年。今以上に充実させようとしているのは、サービス面や、現場での対応の拡充。その次のステップとして、回線に我々のオリジナリティを反映させていくことは考えている。

――今回のモデルは5万円前後もある。今までと比べると高いのではないか?

 指摘はよく分かる。京セラ製「S301」は2万9800円。ディスカウントではない価格だ。5万円代のモデルもあるが、24回払いは無金利で、通信サービスと端末代込みで3000円台からだ。(端末代込みで)4000円台のさらに上というのは、今は考えてない。

――大手キャリアの中には、Androidを採用したフィーチャーフォンをラインナップし、回帰するような動きも見られるが、イオンスマホでそうした動きはあるか。

 今はあまり考えていない。回帰もあるかと思うが、ガラケーからスマホに、まだまだ憧れを持っている人が移行していない。シニア層でもそういう声は多く、孫とコミュニケーションをとりたいユーザーも、ガラケーでは対応しきれない。スマートフォンで頑張っていきたい。

――日本ブランドにこだわるとのことだが、ミッドレンジでは海外メーカーも非常に注力している。これらを導入することはないのか。

 まず、分かりやすく日本ブランドでやる。当然、海外ブランドでも(スペックで)遜色ないもの、優れているものはある。しかし、商品は優れていても、ブランドはまだ日本では浸透していないことがある。タイミングをみていきたい。ユーザーが望む機種が海外ブランドできっちりはまるのであれば、展開するのに支障はないが、ブランド力は重要。ユーザーが全く知らないブランドを、非常に機能が優れていると勧めても、まだまだユーザーは不安を感じる。しかし、すごいスピードで(市場が)動いている。積極的には考えていきたい。


――今回のモデルで20〜30代に訴求していくということで、大手キャリアと競合する。イオンの店舗では大手キャリアのスマートフォンも販売しているが、どうするのか。

 我々は「お客さま第一」。ユーザーに幅広い選択肢を提供し、決めるのはユーザーだ。大手キャリアとの関係も良好に進めていくが、決定権はユーザーにあることになる。大手キャリアだけより、幅広い選択肢があるのが良いのではないか。

――1年が経過したが、購入したユーザーからの問い合わせや対応は大変だったのか。

 第1弾(Nexus 4)は、スマホデビューのユーザーだった。使い方に対する問い合わせは非常に多かった。現在提供している有償の電話サポートは、最初の2カ月間は無料にしている。ユーザーには、使い方が分からない場合には電話をかけ倒して下さいと案内している。電話はサポートもフリーダイヤル。社内では論議もあったが遠慮無くかけてもらえる環境を重視してフリーダイヤルにした。

――販売台数は非公表とのことだが、事業として黒字なのか?

 黒字だ。イオンスマホ単独でビジネスをしているわけではなく、既存のキャリア(が作った市場)の選択肢として提供している。また、携帯電話の売り場には、自前の従業員をかなり多く配置している。オリジナリティのあるスマートフォン(イオンスマホ)を投入した際にも、販売員を新たに雇用する必要はない。新たな投資は(販売面でも)そうかからない。

――利益は想定の上振れか? 下振れか?

 1年目はほぼ、計画通り。

――今後の利益の目標は今の倍か? 1.5倍か?

 言えないが、もっとだ。倍以上だが、もっと上のところを目指す。

――2015年はSIMロック解除の義務化が注目される。格安スマホの市場はどうなっていくと見ているか。

 異業種からの参入も非常に多くなっている。我々は2014年度から始めたが、2013年度以前は、大手キャリアしか選択肢がなかった。それ以外の選択肢があると、ユーザーにかなり認知されたと思う。我々のような量販店、家電量販店に加えて異業種も参入していることで、かなり身近に感じてもらっているのではないか。

 今度は、ユーザーはどこを選べばいいのか。その中で選んでもらえるようにする。今までは大手キャリアとの差別化が重要だった。これからは格安スマホの中から選んでもらえるような戦略が重要になる。それのひとつが、今回発表したような“品揃え”で、我々の答えだ。日本ブランドでいろいろ選べるのが、我々の想定ユーザーには重要なのではないか。

――市場規模についてはどうみているか。

 この2〜3年で、市場全体の10%かそれ以上が、格安(SIMロックフリー)の市場になるのではないか。

(太田 亮三)