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光ケーブル1本で20Tbps、ソフトバンクモバイルが実験に成功

 ソフトバンクモバイルは、バックボーンネットワークに利用する光ケーブルにおいて、2Tbpsスーパーチャネルの伝送実験に成功したと発表した。これにより、1本の光ケーブルで伝送できるバックボーンネットワークの通信容量は、従来の8.8Tbpsから20Tbps程度にまで拡張され、将来的に高速で安定的なサービスを提供できるとしている。

 今回の伝送実験では、直交振幅変調方式(16QAM)が採用された。同社の従来方式(QPSK)の2倍にあたる1波長あたり200Gbpsの伝送容量を確保でき、スーパーチャネルとして10波長を束ねた「2Tbpsスーパーチャネル」として伝送実験が行われた。

 加えて、波長間隔が従来用いていたDWDM伝送の方式の50GHzから、37.5GHzにまで狭められたことで、1本の光ファイバーで100波長の伝送が可能になり、約20Tbpsの大容量データ通信を可能にしたという。

 実験は、ソフトバンクモバイルが所有する陸上ケーブルよび海底ケーブルを利用して行われた。商用ネットワークの将来の容量拡張性を検討するためとして、商用サービスで使用中の中継局が利用され、光増幅器に加えて、従来方式の中継局で200Gbpsを実現するのに併用が不可欠という分布ラマン増幅技術が適用された。分布ラマン増幅技術には高品質なケーブルが求められるとし、安定した運用が可能なことも確認されたとしている。

太田 亮三