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ユニクロ、「UTme!」でデザインしたTシャツを販売できる新サービス

著名人のデザインしたTシャツも出品。デザイン作成でも機能追加

 ユニクロは、ユーザーがアプリ上でTシャツをデザインし、購入できるアプリ「UTme!」をアップデートし、マーケット機能を追加した。同機能では、ユーザーが自分で制作したデザインを、ほかのユーザーに販売できる。同アプリでデザインしたTシャツはメンズ/レディースで一枚1990円(税抜、以下同)から購入できる。

左から、デザイナーの中村勇吾氏、田辺誠一氏デザインの「かっこいい犬。もっちー」、芸人の陣内智則氏、ユニクロの松沼礼氏

 「UTme!」は、Android/iOS対応のアプリ。インストールは無料。イラストや写真を取り込んだり、文字を入力したりして、エフェクトをかけることで、オリジナルのTシャツのデザインを気軽に作ることができる。

「UTme!」で作成されたTシャツ

 Tシャツはアプリ上で購入でき、メンズとキッズが用意されており、メンズの場合で、ホワイト生地のものが1990円、ブラック地とネイビー地が2990円など。従来はユニセックスとして、大人向けは一種類のみだったが、今回レディース向けサイズが追加された。値段はメンズと同価格で、ホワイトとブラックのみ用意されている。また、トートバッグも作成できるようになった。オフホワイトの一種類のみで、2490円。注文したTシャツやトートバッグは、最短で翌日中に発送される。

他のユーザーが作成したTシャツを購入できる「UTme!マーケット」

 新たにサービスが開始された「UTme!マーケット」では、ユーザーが作成したTシャツのデザインを出品し、販売することが可能。マーケットでの商品の発送や、購入者との取引連絡は、ユニクロが行う。出品者には、Tシャツが一着売れるごとに300円のデザイン報酬が支払われる。

 購入者は、一般的な通販サイトのように、マーケットの商品を購入可能。UTme! で販売されているすべての種類の商品として購入できる。マーケットに出品されている商品を購入する際は、デザイン費として一着につき300円を追加で支払う。

 マーケットでは、芸能人やファッションモデルがデザインしたTシャツも販売される。第一弾として、芸人の陣内智則、俳優の田辺誠一、ファッション誌「non-no」のモデルが作成したデザインが出品されている。

デザイン作成機能もボリュームアップ

 「UTme!」のアプリでデザインを作成するときに使えるエフェクトも追加された。MoMA(ニューヨーク近代美術館)の監修の「MoMAエフェクト」はその一つ。写真やイラストに近代絵画の表現技法風の画像加工をかけられる「EARLY MODERN」と、コラージュ風の加工ができる「COLLAGE」が提供される。

 エフェクトは、いずれも、端末をふるだけでかけることができ、振った具合に応じて効果のかかり方が変化する。

 人気キャラクターのイラストなどが使えるスタンプも新たに2種類が追加される。俳優の田辺誠一が描いたイラストが元になったキャラクター「かっこいい犬。」は本日から提供される。コカ・コーラとコラボレーションした、名前ラベル風のスタンプも、5月中旬より提供予定。

発表会の様子

ユニクロ グローバルマーケティング部リーダー 松沼礼氏

 新サービスの発表会で登壇した、ユニクロでグローバルマーケティング部リーダーを務める松沼礼氏は、「UTme!」のコンセプトを「作る喜び」だと説明する。「UT」として、デザイナーが手掛けたTシャツをこれまで数千種類展開してきたユニクロだが、「UTme!」ではさらに、ユーザーひとりひとりのライフスタイルにより近いサービスを提供していきたいと話す。

 今後、「UTme!マーケット」で、お気に入りの出品者をフォローする機能の追加や、テーマに沿ったTシャツをデザインするキャンペーンなどの実施を予定しており、「UTme!マーケット」をTシャツを通じたコミュニティとして展開していくという。

中村勇吾氏

 続けて登壇したインターフェイスデザイナーの中村勇吾氏は、同氏が指揮を執り開発した、「UTme!」のデザイン作成機能のデモンストレーションを披露した。同氏によると 「UT」には「ユニクロのTシャツ」と「あなた(You)のTシャツ」という2つの意味があるという。「UTme!」により、Tシャツを自分を表現するメディアにしたいと語る。

 「UTme!」のデザイン作成機能は、プロが綿密にやるようなデザインではなく、デザインや機械の操作に詳しくない人たちが3~4分で「結構いいじゃん」と、思えるものが作成できる機能を目指したという。デモンストレーションでは、入力したいくつかの単語を振るだけでタイポグラフィが作成できるエフェクトや、ペンキで塗ったようになるエフェクトが披露された。

陣内智則氏と「もっちー」

 芸人の陣内智則氏と、俳優の田辺誠一氏がデザインしたキャラクター「かっこいい犬。もっちー」が登壇したトークセッションでは、陣内氏の描いた原画を元に、「UT!me」で作成された完成品が披露された。

 「絵心がない芸人」として紹介されたことがある陣内氏は、「絵を描くことがコンプレックスだったけれど、このアプリを使って、かっこよく加工できた。何作品も描いていきたいです」と話した。

陣内氏が15秒で書いた原画を、ペイントとフォト機能で切り出した「犬のTシャツ」
陣内氏が40秒で書いた原画を、オートデザイナー機能でレイアウトした「河童のTシャツ」
田辺誠一さんがデザインした「かっこいい犬。もっちー」のTシャツ

石井 徹