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京セラ決算、スマホ向け部品事業が好調

端末事業は2015年度に再黒字化を

京セラ 代表取締役社長の山口悟郎氏

 京セラは4月28日、2015年3月期(2014年度)通期の決算説明会を開催した。売上高は5.5%増の1兆5265億3600万円、営業利益は22.5%減の934億2800万円となった。

 事業セグメント別の売上高では、携帯電話端末などを含む通信機器関連事業が構成比13.4%の2042億9000万円だった。前期からの成長率は9.4%。同事業での利益については、約185億円の資産評価の見直し(のれん代の償却)を行ったこともあり、202億1200万円のマイナスとなった。

 一方、スマートフォン向けの部品事業は堅調に推移しており、2015年度はさらに約30%の売上増を見込む。端末事業については海外での市場開拓を積極的に進める意向で、ヨーロッパではイギリス、イタリア、スペイン、中南米ではメキシコ、チリへの参入を検討しているという。また、米国においては4大キャリア向けに端末供給を行っているが、高耐久モデルを軸にさらなる販売拡大を目論む。あわせて、高耐久関連の技術を生かしたタブレットやファブレット、次世代フィーチャーフォンといった新たな端末の開発にも取り組んでいく。

 同社では2015年度の業績予想も公表しており、売上高は4.8%増の1兆6000億円、営業利益は71.3%増の1600億円を見込む。通信機器関連事業については、売上高で構成比12.8%の2050億円、利益で30億円を計画。

 端末事業を拡大しながらも売上の規模が横ばいになっている点について、同社代表取締役社長の山口悟郎氏は「台数や金額を保守的に見ているのは事実。前期に減損となったこともあり、今期はしっかり利益を出すことを重視している。前期、減損になった理由の一つは円安になり、海外からの調達部品が影響を受けたこと。海外にこだわらず、日本の中で良いものがあれば検討していかなければならない」と述べるとともに、「社内体制を変更して若返りを図り、アメーバ経営を徹底することで利益を追求する」としている。

湯野 康隆