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ドコモ2015年夏モデル発表会、加藤社長囲み取材一問一答

 13日に行われたNTTドコモの2015年夏モデル発表会で、同社代表取締役社長の加藤薫氏に対する囲み取材が行われた。主な内容をお伝えする。

――LINEアプリが利用できることで、フィーチャーフォンでも段階制のパケット料金がすぐ上限に達するのではないか。

加藤氏
 今のところ、それで行こうと思う。

――クレームが出るのでは?

加藤氏
 フィーチャーフォンユーザーのなかでLINEをお使いになりたい方もいるだろうが、それがどれくらいの比率なのかは今後見ていく。

――それでARPUを伸ばすという考えではないと?

加藤氏
 それは考えていない(笑)。せっかくAndroidベースなので、ということで提供することになった。

――ポイントサービスの陣営が絞り込まれてきたが、競争が激化するのか共存していくのか。

加藤氏
 なかなか難しい。ユーザーの視点からすると、いろんなところでおトク、便利があればいい。そういう中に我々も組み入れていただいて、私たちの世界が拡がっていければいいなと。

――ローソンとは独占的な契約か?

加藤氏
 それは(コメントを)控えたい。

――4月下旬の決算会見で他社とのパートナーシップを進める「+d(プラスディー)」を打ち出した。最初の発表がローソンになったのは?

加藤氏
 正直に言うと、それぞれ独立して考えていた。ドコモには一定の資産がある。それを有効利用して、うまく組み合わせればいろんなことができる、という声はかねがね寄せられており、いろいろと考えていた。そこへローソンとの話が別で出てきた。そこが「+d」という概念に繋がりつつ、地方創生や社会的課題の解決というのもあった。ちょうど重なったというところ。

――ソフトバンクがヤマダ電機に出資した。どう捉えているか。

加藤氏
 他社の出資にコメントする立場にはないが、ヤマダが全部ソフトバンク(の商材に)に揃えられないかという質問を受けたものの、それはあまり考えられないな、というような気がしている。ユーザーの立場からすると、いろいろな物が揃っていて選択肢があるという形を訴求されるのではないか。ポイントサービスという立場でも出資はあまり見たことがない。

――ソフトバンクモバイルが東京電力と電力販売で提携すると発表した。

加藤氏
 そうなんですか?(※編集部注:発表会中にソフトバンクからリリースが開示された)。我々はいろんなところと検討している。ユーザーにとって新しい付加価値を考えていきたい。両社の発表については「そういう結果なのか」という気はするが、特にコメントは(ない)。

――ポイントサービスに関して業績への影響は? 昨年度は新料金プランの導入で影響があったが。

加藤氏
 去年は大変ご心配をおかけした。長く使っているとおトクという概念を入れつつ、新たな構造にしつつ、検討している。すでにベースでDCMXで基盤がある。クレジットカード事業は時間がかかったが黒字化した。その上で展開するのは楽しみ。

――SIMロックの解除義務化による事業への影響は。

加藤氏
 年間10万~12万の実績があったが、今後への影響は読み切れないところがある。ユーザーの声に傾けなければいけないと思う。

――MNP導入時のインパクトと比較してどうか。

加藤氏
 今までもSIMロック解除はガイドラインに沿って対応してきた。MNPは当時、それまでなかった新しい概念が入ってきた形。今回とは少し違うと思うが、ユーザーがどう捉えて、どう利用するか。

――AQUOS EVERなどコストを意識した端末を揃えてきた印象がある。方針が変わったのか。
加藤氏
 方針は変えておらず、「安くて良いものを作ってくれ」と(メーカーには)求めてきた。最新技術をどんどん入れると端末価格が高くなるという歴史はあったが、ある種、機能や性能は(成熟したところに)来ているのかなと思う。そのなかでよく利用されるものを、うまく、安く作っていただけるフェーズに入ってきたのかなと思う。

――フィーチャーフォンの現状のユーザー層は?

加藤氏
 やはりメール、音声通話が主な用途。長く利用して慣れていて、メールも現状が安心だと。

――iモード、iアプリを使う人も少ないのか。

加藤氏
 使う方はいるでしょうが、どんどん使う方はスマートフォンに移っているのではないか。

――今回のフィーチャーフォン2機種はおサイフケータイなどの機能がない。それはそれで店頭で混乱するのではないか。

加藤氏
 次の冬にどうなるかははっきり言えないが、(今回と)テイストの違うものになる。

――これまでの技術のフィーチャーフォンも供給を続けるのか。

加藤氏
 供給を続ける。しかしどこかのタイミングで、部品やOSといったレベルでその後継続できなくなるだろうという見通しはある。ただ、それがいつになるかは見定めていく。(その時期までは)ある程度、モデルチェンジするかもしれない。

関口 聖