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「honor」シリーズを楽天で独占販売するファーウェイの狙い

 ファーウェイ・ジャパンは20日、日本市場に「honor」シリーズを、楽天を通して提供することを発表した。同日、都内で発表会が開催された。

楽天への独占供給で、オンライン+オフラインの展開を目指す

ファーウェイ・ジャパン デバイス・プレジデント 呉波氏

 最初に登壇した、ファーウェイ・ジャパンでデバイス・プレジデントを務める呉波(ゴ・ハ)氏は、これまでのファーウェイの日本市場での展開を振り返り、今後に向けた取り組みを明らかにした。

 呉氏はまず、グローバル市場にて出荷数で第3位のメーカーとなったファーウェイでは、総務省のSIMロックフリー市場の推進政策に合わせて、2014年の6月より「Acsend P7」や「Acsend G6」などのSIMロックフリー端末を販売してきたと振り返る。

 その次に呉氏は、今後の日本市場での展開に向けた課題として、取扱店舗数の拡大、販売チャネルの拡大、SIMロックフリー製品への理解促進の3点を挙げた。取扱店舗に関しては、これまでファーウェイは量販店などのリアル店舗中心の販売チャネルを開拓してきた。ファーウェイでは、SIMロックフリー端末市場進出から半年で、日本では約1200店舗あるこうしたリアル店舗のうち半数程度で製品を販売するようになったという。

 その上で、今後は、オンライン+オフラインの二本柱で日本展開を加速させていくことを示した。オンラインの販路として、新たに楽天と組み、楽天市場や楽天モバイルを通して、同社の製品を販売していくことを明らかにした。

 honorシリーズは、日本ではオンラインでのみ買えるシリーズとして提供され、楽天の独占供給となるという。

フレッシュな人達の夢を応援するhonorシリーズ

ファーウェイ コンシューマービジネスグループ honorビジネスユニット プレジデント 趙明氏

 次に登壇したファーウェイ コンシューマービジネスグループ honorビジネスユニット プレジデントの趙明(ジャオ・ミン)氏は、honorシリーズの開発責任者として、honorシリーズに込めたコンセプトを紹介した。

 趙氏は、中国と日本の若者には、「いかにして自分の夢を実現するか」を考え、実践しているところに共通点があると語り、honorシリーズについて、そうした若い人たちの夢を応援するために作ったスマートフォンだと紹介した。加えて、若者に限らず、フレッシュな気持ちを持つ人たち全員がターゲットユーザーだとした。

 日本について趙氏は、「ユニークなマーケットだ」と語り、日本でhonorを提供することで、「日本の若者のライフスタイルがhonorに新しい要素を与えてくれる」と話した。

 honorシリーズについては、2014年度、世界市場で2000万台を出荷し、その売上の10%が中国以外の海外市場だったという。趙氏はこれを「社内で『honorの奇跡』と呼ばれている」と紹介した。2015年度は、世界での販売を加速し、出荷台数4000万台を目指すという。

楽天モバイルのhonorへの期待

楽天代表取締約副社長兼フュージョン・コミュニケーションズ代表取締役会長 平井康文氏

 続いて、楽天代表取締約副社長兼フュージョン・コミュニケーションズ代表取締役会長の平井康文氏が登壇した。

 平井氏は、honor6 Plusを楽天モバイルで「最高峰のフラッグシップ端末」として扱うと表明し、同機はいわゆる「格安スマホ」と呼ばれる端末とは一線を画すものだということを、同氏がhonor6 Plusで撮影したとされる写真と共に語った。

 honor6 Plusの日本投入に際しては、楽天モバイルのプロジェクトチームが、ファーウェイ側との調整を何度も重ねてきたという。日本で発売されるhonor6 Plusでは、楽天の提供する、Viberなどのコミュニケーションサービス、楽天市場などのeコマースサービス、楽天koboなどのコンテンツサービスがプリインストールされるという。さらに、楽天モバイルで購入した場合は、純正ケースがプレゼントされるほか、既存のキャンペーンも利用できると紹介した。

 また、honorシリーズはオンライン限定としていたが、楽天が運営するリアル店舗、「楽天カフェ」などではタッチ&トライや購入・契約の申し込みが可能なことを案内した。

ダブルレンズカメラで綺麗なボケや高い暗所性能を目指した「honor6 Plus」

ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長 吉本晃氏

 ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長の吉本晃氏は、honor6 Plusの詳細について、カメラ機能を中心に紹介した。

 honor6 Plusの背面カメラでは、約800万画素のカメラを2つ搭載し、連係動作させることで、センサーサイズや画素数を大きくすることなく、綺麗な写真を撮れるようになったという。「ワイドアパーチャ」機能では、F0.95~F16相当のぼかしをソフトウェア上で表現し、撮影後も焦点や絞りの変更ができる写真が撮影できると紹介した。

 また、暗所性能については、iPhone 6 Plusと撮り比べた写真を示して、honor6 Plusの高感度への強さをアピールした。HDR撮影では、2つのカメラで撮影感度を変えて同時に撮影することで、合成ノイズが少なく自然な仕上がりになるという。

 インカメラについても、約800万画素で、広角89度のカメラを搭載しており、自分撮りに適していることを紹介した。

 6層設計とし背面デザインを紹介し、チップセットやメモリについては、その高性能さをアピールした。そのほか、ディスプレイやバッテリー容量、バッテリー持ち、画面占有率などの点で、同じ5.5インチのiPhone 6 Plusと比較し、honor6 Plusが勝っていると語った。

石井 徹