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スマホで開錠できる電子ロック「danalock」

 IoT機器の輸入販売を手掛けるM2モビリティーは、デンマークのPoly Control社が製造する、ドアの内側に取り付け、スマホで開錠できるようにする電子ロック機器「danalock」を、7月下旬より日本で販売する。希望小売価格は基本モデルが1万9800円(税別、以下同)。デザインブランドJACOB JENSEN(ヤコブ・イェンセン)がデザインしたモデルも提供され、こちらは2万5800円。施錠、開錠を操作するためのアプリはiOS 7以降と、Android 4.4以降に対応し、無料で提供される。

左がヤコブ・イェンセンがデザインしたモデル、右が標準モデル

 danalockは、錠前のサムターン部分を加工して取り付けるスマートロック機器。Bluetooth Low Energy(BLE)での接続機能を備えており、スマートフォンのアプリから開錠、施錠ができるようになる。

 アプリから錠を開けるためには、Poly Control社のサーバーで認証をする必要がある。そのため、スマートフォン側でWi-Fiまたはモバイル回線に接続されている必要がある。

danalock用のアプリ

 アプリ上で鍵を共有する機能があり、家族などに対して鍵の共有を設定すれば、所有者と同じように鍵の操作ができる。

 時間を指定した一時的な鍵の共有権限も設定することができる。共有権限を設定すると、テキスト形式の認証キーが発行される。それをメールなどで、共有するゲストに伝えることで、指定した時間帯に、ゲストが錠を解除することができるようになる。ゲストが鍵を操作した場合、所有者に対して、アプリとメールによる通知が行われる。

 ハンズフリー機能も搭載されている。スマホのGPSが、ハンズフリー機能を設定したdanalockの半径200m以内に入ったことを検知し、かつ、BLEの測位範囲(半径約5m程度)に入ることで、自動的に開錠される。ハンズフリー機能を再び有効とするためには、半径200mの範囲から出る必要があるため、自宅にいるときに勝手に扉が開くということがないとしている。

 施錠については、オートロック機能を搭載しており、開錠から最大30秒後に自動で施錠される。

 企業の会議室など、大人数向けの利用のために、Poly Control社のサーバー上に、共有権限の管理システムが用意される。管理用のポータルサイトより、複数の鍵に対して、ユーザーごとの共有権限の設定が可能。

 子どもやフィーチャーフォンユーザーなど、スマートフォンのアプリを利用できない層向けに、別売りで、ロック解除用のリモコン「キーフォブ」が用意される。また、ドアの外に設置し、暗証番号入力でのロック解除を可能とする「キーパッド」も提供される。

キーフォブ
キーパッド

 同製品の本体にはタッチセンサーが設置されており、内側からはタッチセンサーに手を触れるだけで錠の操作ができる。また、シリンダー部はそのまま残して取り付けるため、従来の鍵を用いての開錠操作も利用できる。

 本体は、ドアの内側にあたる、錠のサムターン部分のプレートを交換して取り付ける。鍵の形状に関わらず取り付けられるという。機器は内側のみに取り付けられ、外側からは取り付けられていることを判別できない。

 取付け用のプレートは、日本向けに、美和ロックの錠に対応したものが同梱される。対応する錠の製品一覧表は近日公開予定としている。

 同製品は、CR123cリチウム金属電池4本で動作する。1日に10回程度、鍵を操作した場合で、1年程度の利用が可能だという。電池の残量が25%以下になった場合は、音を鳴らして知らせるほか、メールやアプリの通知で交換を促すメッセージが表示される。

 なお、通信障害などにより、サーバーとの接続ができなくなった場合、開錠ができなくなる可能性があるという。通信ができない場合でも通常の鍵での開錠はできるため、非常時用に携行しておいた方がよいだろう。

 6月10日より、Amazon.co.jpで先行予約の受付を開始し、7月末より販売開始となる。Amazonのほか、鍵取扱い業者「ロックスミス」を通して、設置サービスとセットでの提供も予定しているという。「キーフォブ」と「キーパッド」については、9月提供開始予定。

今後はスマートホームへ向けた展開を予定

Poly Control社の社長Overgaard氏

 danalockを開発したPoly Control社は、2002年に創業した、デンマークのベンチャー企業。当初はオフィスビルなどのオートメーション式管理システムを提供していたが、2010年より電子ロックなどのアクセスコントロールを専門で扱うようになったという。

 25日の製品発表会で登壇したPoly Control社の社長Henning Overgaard氏は、同製品について、「せっかく開発するならば、最新の技術を採用して、世界中の錠で使えるように設計しようと意識して開発した」と語った。

 同製品では2010年に規格が策定されたBluetooth Low Energy(BLE)を採用している。

 「スマートロック製品で最も重要なのは安全性の担保」と話すOvergaard氏は、BLEを採用することによるセキュリティリスクによる対策として、danalock専用の独自プロコトルを採用したことを解説した。そのほかにも、クラウドサーバー経由での認証を必須としたり、開錠のログを錠に記録し、スマホ経由でクラウドに保存する仕様などのセキュリティ対策を施しているという。

 現在のdanalockは、スマートフォンとの近距離接続による、点と点での開錠操作にとどまっているが、今後、danalockとWi-Fi/LTE回線との接続用アダプターを提供し、スマートホームの一部となるような機能を提供していきたいとしている。海外で提供している製品では、近く「ZigBee」や「Z-Wave」といった、家電向けの近距離通信規格を活かした機能の実装を予定しており、鍵を開けることで照明やエアコンなどコントロールすることも可能となるという。

M2モビリティーの橋本氏

 danalockを日本向けに提供するM2モビリティーの橋本氏が説明した日本向けの展開で、Amazonで先行して提供するという。また、ヨーロッパ市場では提供されていない、取り付け工事とセットでの販売を、鍵取扱い業者を通して行うという。また、IoTに向けた機能の実現のため、MVNO事業者との提携を予定している。

(石井 徹)