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DeNAが無料の高機能カーナビアプリ「ナビロー」

渋滞情報、ドラレコ、ARなど搭載、今夏には声優のナビ音声も

 DeNAロケーションズは、スマートフォン向けのカーナビアプリ「ナビロー」の配信を開始した。Android版の配信が開始されており、auスマートパスでも配信される。利用料は無料。iOS版は近日中に配信が開始される。将来的には、有料コンテンツも追加される見込み。

 今回配信が開始された「ナビロー」は、本格的なカーナビゲーション機能を搭載したスマートフォン向けアプリ。基本機能としてVICSの渋滞情報をサポートし、最適なルート案内をリアルタイムで行うほか、住所やフリーワードからの目的地設定機能、走行中のレーン情報、イラストでの分岐点の案内、交差点名の音声案内、高速道路専用ナビ、取り締まり情報の音声アナウンスなど、さまざまな機能を備える。

 車以外にも、歩行者向けのナビ機能、電車の乗換案内機能も搭載されている。スマートフォンのほかタブレットでも利用可能。縦画面でも利用できる。

 スマートフォンアプリならではの機能として、クラウド型でサービスを提供。アプリをバージョンアップせずに最新の地図データを利用できる。加えて、渋滞の傾向と連動してパケット通信の頻度を最適化し、サーバー負荷も軽減する独自技術「ビーラインテクノロジー」を搭載し、渋滞情報と連動するルート再探索時のパケット通信量を削減している。

 さらに、スマートフォンのカメラを利用して映像と音声を記録するドライブレコーダー機能や、カメラの映像にナビゲーションのルートを重ねて表示するARモードも搭載される。

 アプリのホーム画面には、六角形の格子を組み合わせたハニカムUIを搭載。履歴や目的地が直感的に分かるほか、ほかのユーザーが公開したおすすめのコースや場所なども表示され利用できるようになっている。

 今夏には、ナビゲーション時の音声を「ナビ声」として、変更できるようにする予定。関西弁、沖縄弁といった方言や、タレントや声優など著名人による「ナビ声」の提供も予定されている。

渋滞情報、最新地図で「早く着く」

DeNAロケーションズ 代表取締役社長の津島越朗氏

 5月28日には都内で記者向けに発表会が開催された。発表会自体は、すでに取り組みが明らかにされていた、ディー・エヌ・エーの自動車関連事業を説明するものだったが、この中で「ナビロー」の発表と解説も行われた。

 「ナビロー」についてプレゼンテーションを行ったのは、DeNAロケーションズ 代表取締役社長の津島越朗氏。津島氏は、最新の地図を利用できることと、VICS渋滞情報を利用できることで、「この2つを組み合わせることで、目的地に早く着く」と、アプリが目指す部分を紹介する。

 特許取得済みという同アプリにおけるパケット通信量の節約技術については、「渋滞情報は、変化が大きい時と、そうでない時がある。情報の更新頻度を変えることにより、トータルの通信量を少なくするというもの。混んでいる時には頻繁に更新するため、結果的に早く着くというコンセプトも補強する」と説明。「第三者機関の調査で、ほかのアプリと比較してパケット通信量が最大で1/10になるという結果も出ている」と独自技術に自信を見せた。

 カーナビアプリとしては後発になるため、質疑応答の時間には差別化ポイントが聞かれた。津島氏は、パケット通信量の節約機能や、ドライブレコーダー機能などの付加機能がポイントとしたほか、ハニカムUIを採用したホーム画面からのソーシャル機能やコンテンツの利用も「ただカーナビを持ってきただけではない、新しい体験」と位置付けた。また、「ビッグデータを活用した独自のプローブ情報も提供したい」と、基本機能を強化していく方針も語られている。

太田 亮三