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ドコモのツートップ「GALAXY S4」ユーザーの争奪戦が勃発

ソフトバンクの「Galaxy S6 edge」がMNPで激安に

 NTTドコモが“ツートップ”と称して拡販した「GALAXY S4 SC-04E」「Xperia A SO-04E」のうち、「GALAXY S4」のユーザーをターゲットにした争奪戦が販売現場で始まっている。ドコモは「Galaxy S6 edge」などへの機種変更を促す割引を行う一方、ソフトバンクはこれを奪うべく「Galaxy S6 edge」へのMNPで大幅な割引を実施している。

 本誌の取材では、「GALAXY S4 SC-04E」を18カ月以上利用しているユーザーを対象に、「Galaxy S6 SC-05G」「Galaxy S6 edge SC-04G」の2機種の本体価格を5000円引きにするクーポンが送付されていることが明らかになっている。

 加えて、「GALAXY S4 SC-04E」の下取り価格が540円から5400円(税込)に増額されており、これらを組み合わせることで、約1万円の割引に相当する形になっている。

「Galaxy S6 SC-05G」
「Galaxy S6 edge SC-04G」

 ドコモがこうした優遇施策を用意する中、「Galaxy S6 edge」を5月29日に発売したソフトバンクの販売店では、対応策がとられている。

 本誌の5月28日の取材では、都内の大手家電量販店において、ソフトバンク版「Galaxy S6 edge」(32GB)のMNPでの本体価格を、実質1万800円と、大幅に割引した価格で案内していることが分かっている。これは、2年明けを迎えるドコモの「GALAXY S4 SC-04E」のユーザーをターゲットにしたものとみられる。

 またソフトバンクでは、MNPの転入で1万円分のキャッシュバックを行う「のりかえ割」の対象機種に「Galaxy S6 edge」を追加しており、これを組み合わせると32GBモデルの本体価格が実質0円になる(通信料は別途必要)。

ソフトバンクの「Galaxy S6 edge」

ツートップ戦略とは

2013年夏モデルの発表会で明らかにされたツートップ戦略の2機種

 ドコモのツートップ戦略は、2013年夏モデルの発表時に明らかになったもので、前述の「GALAXY S4 SC-04E」「Xperia A SO-04E」の2機種を当初から特別価格で販売するという施策により、大きく販売台数を伸ばした。「GALAXY S4 SC-04E」は発売から1カ月で約32万台、2カ月で合計約55万台を出荷し、高機能モデルを求めるユーザーに支持された。

 「GALAXY S4 SC-04E」は2013年5月末に発売されているため、2015年の5月末からは、続々と“2年明け”を迎えるユーザーが登場することになる。2015年夏モデルは、このツートップ戦略で販売されたモデルの“2年明け”に重なるタイミングになる。

 ドコモは2015年夏モデルにおいて、安価であることを当初からうたう戦略的なミドルクラス「AQUOS EVER SH-04G」をラインナップするなど、ツートップの2年明けのユーザーを含め、機種変更のユーザーをターゲットにした選択肢を増やしている。

 迎え撃つモデルとなる「Galaxy S6 SC-05G」「Galaxy S6 edge SC-04G」は、ドコモのプロモーション施策においては、2年前に「GALAXY S4 SC-04E」を購入したユーザーにおすすめできるモデルと位置付けられており、「GALAXY S4 SC-04E」ユーザーが満足だった点をさらに進化させたモデルとしてアピールされている。

太田 亮三