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実機がなくても大丈夫! 今から始めるWindows Phoneアプリ作り入門

MADOSMA発売連動特集、抽選で5名に書籍をプレゼント

 既報の通り、6月18日にWindows Phone 8.1 Update搭載のスマートフォン「MADOSMA Q501」がマウスコンピューターから発売される。そこで、本記事では実に4年ぶりとなるWindows Phone搭載スマートフォンの日本再上陸を記念して、Windows Phone アプリ制作についてご紹介しようと思う。

 もちろん、一からプログラミングのお勉強を始めるつもりはない。ノンプログラマーの方でもお楽しみいただけるように、マイクロソフト公認キャラクターのクラウディア窓辺さんに一肌脱いでいただき、「壁ドン」をテーマにしたゲームっぽいサンプルを用意した。1行もコードを書かずにWindows Phoneアプリを体験できるので、ぜひ見て触って動かしてみてほしい。

まずは統合開発環境のインストールから

 今回は開発環境として、4月に最新版が公開された、「Visual Studio 2015」を使ってみよう。プログラミング未経験の人でも名前くらいは聞いたことがあるかもしれない、Visual Studioはマイクロソフトが開発した統合開発環境だ。最新のVisual Studio 2015では、Windows PhoneだけではなくiPhoneやAndroidスマートフォンのアプリを作れる、「クロスプラットフォーム開発」ができる。それも、インストール時に指定するだけで、クロスプラットフォーム向けの開発環境一式が同時にインストールされるというワンタッチさだ。また、「Visual Studio Community 2015」というエディションであれば、個人やSOHOの人などは無償で利用できる。つまり、タダでWindows PhoneアプリもiPhoneやAndroidスマートフォンアプリも作れる最新の開発環境を入手できてしまうというわけだ。まずは、下記のリンク先からインストーラーをダウンロードしてインストールしてみよう。

Visual Studio 2015 RCダウンロード

 https://www.visualstudio.com/downloads/visual-studio-2015-downloads-vs.aspx

 ちなみに、Windows Phoneアプリの開発を円滑に行うには、一定以上のスペックが必要になる。具体的には、OSにWindows 8.1 Pro Update以上、CPUはIntel VTもしくはAMD-Vといった仮想化技術をサポートし、メモリは8GB以上を搭載していないと、プログラミングはできてもPC上のエミュレーターでアプリを実行できない場合があるので注意してほしい。

 「Visual Studio 2015」でWindows Phoneのアプリを作るためには、インストールするときに“Windows 8.1およびWindows Phone 8.0/8.1ツール”のインストールが必要になる。インストーラーを起動したら[カスタム]を選択し、[Windows 8.1およびWindows Phone 8.0/8.1ツール]にチェックを付けてインストールしよう。すでに「Visual Studio 2015」をインストールしているなら、コントロールパネルの[プログラムのアンインストール]から[Microsoft Visual Studio Community 2015 RC]を選択して[変更]をクリックすれば、現在インストールされている「Visual Studio 2015」に[Windows 8.1およびWindows Phone 8.0/8.1ツール]を追加できる。

Visual Studio 2015 RCのインストール画面

 なお、Visual Studio 2015は現在、正式公開前の「RC」と呼ばれるベータ版だが、マイクロソフトがRCで作成したアプリは正式に公開・配布しても良い、と認めている「Go-Liveライセンス」が付いている。RCを使えば、今からWindows 10 Mobileを見越してアプリを作り始めることができるのである。

Windows Phoneエミュレーターでアプリを動かしてみよう

 Visual Studio 2015のインストールが終わったら、サンプルをダウンロードしよう。今回は5月28日に発売された書籍「できるVisual Studio 2015 Windows/Android/iOSアプリ対応」のサンプルコードから、本記事用にWindows Phoneへ移植したものを用意した。

サンプルコード ダウンロード

 >> KabeDonWP.zip(7MB)

 ZIPファイルをそのまま展開するとWindowsのセキュリティ機能によりVisual Studioで開く際に警告が表示されることがある。ZIPファイルを右クリックしてから[プロパティ]を選択し、[ブロックの解除]をクリックした上で、ZIPファイルをデスクトップなどに展開して利用いただきたい。

 さて、ダウンロードしたサンプルをVisual Studio 2015で読み込むと、画面右側に[ソリューションエクスプローラー]のウインドウが表示される。このウインドウには、アプリのコードや画像ファイル、音声ファイルといったアプリに必要なファイルがすべて含まれている。たとえば、“MainPage.xaml”はアプリをデザインするコードが記述されたファイルだ。これをダブルクリックすると、Visual Studioの画面左側に[XAMLデザイナー」と呼ばれる画面が開きアプリの画面デザインが表示される

Visual Studio 2015の画面

 さあ、早速アプリを実行してみよう。アプリを実行するには“ビルド”と呼ばれる操作を行う。ビルドとは、アプリのコードや画像ファイルなどをパソコンやスマホが実行できる形式に変換する作業のことだ。「Visual Studio 2015」にはWindows Phoneのアプリを実行するためにエミュレーターが用意されている。ターゲットデバイスを選択して[デバッグの開始]ボタンをクリックするだけで、アプリをビルドしてVisual Studio 2015のデバッガーを使って実行できる。ここではMADOSMAの仕様にもっとも近い[Emulator 8.1 720p 4.7inch (JA)]を選択して実行してみよう。

さまざまな解像度と画面サイズのエミュレーター
エミュレーター上で実行したアプリ

 カンの良い方はお気づきになったかもしれないが、このエミュレーター上ではWindows Phone 8.1そのものが動作している。画面下のWindowsキーを押すとスタート画面が表示され、標準状態でインストールされているすべてのアプリを実行できるだけでなく、モバイルネットワークや加速度センサー、GPSの状態も再現できる。実機の購入前にWindows Phone 8.1を試しに触ってみたい人にもぜひおすすめしたい。

画面下のスタートをタップすると、Windows Phoneのスタート画面が表示される。設定を日本語にすることで、日本語表示や日本語入力も可能
ジャイロセンサーやGPSの位置情報もエミュレートできる

 さて、自分でアプリを作る際の醍醐味は、何といってもアプリの挙動を自分の思いのままに調整できるところだ。こちらについては、窓の杜で掲載した「『作る!俺アプリ』入門 無料のVisual Studioで始めるタッチアプリ作成術 前編」をご覧いただきたい。Windows ストアアプリ中心の解説だが、Windows Phone 8.1でもまったく同じ方法でカスタマイズが体験できる。

 このほか、Visual Studio 2015ではPCで動作するWindows ストアアプリとWindows Phoneアプリ両方に対応した“ユニバーサルアプリ”を作成することも可能だ。本記事で紹介したサンプルはもちろん、ストアアプリを一から作成する方法については書籍『できるVisual Studio 2015 Windows/Android/iOSアプリ対応』に詳しく書いてあるので、興味のある人はぜひとも手に取って読んでみてほしい。

 さて、Visual Studio 2015を使ったWindows Phoneアプリ作成を駆け足でご紹介してきたが、いかがだっただろうか。今回はWindows Phone 8.1をターゲットにしたが、7月末に予定されているWindows 10と、それに続くWindows 10 Mobileでは、PCとスマートフォンの垣根が取り払われる。ユニバーサル Windows プラットフォーム アプリとして、1つのアプリがすべてのWindows 10デバイスで動作するようになり、その数は今後2〜3年の間に10億台に上るとも言われている。今から「Visual Studio 2015」を利用して、Windows 10時代を見越したアプリ開発を始めても決して遅くはないだろう。

編集部より:書籍プレゼントのお知らせ!

 本記事で紹介した『できるVisual Studio 2015 Windows/Android/iOS アプリ対応』の電子書籍(PDF形式)を、抽選で5名様にプレゼントいたします。ふるってご応募ください!

「できるVisual Studio 2015 Windows/Android/iOS アプリ対応」読者プレゼント 応募フォーム

応募受付期間:2015年6月18日11時〜6月24日11時

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商品情報

【定価】
1,800円+税
【発売日】
2015/05/28
【ページ数】
160
【サイズ】
B5変形判
【著者】
広野 忠敏 著/岩永 信之 著/できるシリーズ編集部 著
【ISBN】
978-4-8443-3821-5

目次

第1章 アプリを作る準備をしよう

レッスン1 Visual Studioってなに?

レッスン2 Visual Studioで作れるアプリとは

レッスン3 Visual Studioに必要なものを確認しよう

レッスン4 Visual Studioをインストールするには

第2章 Visual Studioでアプリを動かそう

レッスン5 Visual Studioを起動するには

レッスン6 Visual Studioの画面構成を確認しよう

レッスン7 アプリのファイルを開くには

レッスン8 アプリを試しに動かしてみるには

レッスン9 Visual Studioの作業を終了するには

第3章 Windowsタブレットアプリを作ろう

レッスン10 タブレットアプリを作るには

レッスン11 新しいプロジェクトを作るには

レッスン12 アプリで使う画像を用意するには

レッスン13 アプリの画面全体に画像を表示させるには

レッスン14 プロジェクトを保存するには

レッスン15 タップすると画像が変わるようにするには

レッスン16 タップすると用意した順に画像が変わるようにするには

レッスン17 タップすると音声が鳴るようにするには

レッスン18 画像と音声のデータを定義するには

レッスン19 定義したデータを使って画像と音声を変えるには

レッスン20 一定時間たったら元の表情に戻すには

レッスン21 タップ位置によって得点を変えるには

レッスン22 ゲーム開始のボタンを追加するには

レッスン23 ゲームオーバーの処理を追加するには

レッスン24 メソッドを抽出してコードを整理するには

レッスン25 スプラッシュスクリーンとタイルを設定するには

レッスン26 Windowsストアに公開するには

レッスン27 Windows Phoneアプリを作るには

第4章 アプリの不具合を修正しよう

レッスン28 アプリの動作を確認して修正するには

レッスン29 アプリの動きを観察するには

レッスン30 任意の位置でアプリを停止させるには

レッスン31 変数やプロパティを確認するには

レッスン32 コードを一行ずつ実行するには

第5章 AndroidやiOSのアプリを作ってみよう

レッスン33 AndroidやiOSアプリを作るには

レッスン34 Androidアプリのプログラミングを始めるには

レッスン35 Androidアプリを試しに動かすには

レッスン36 Playストアに申請するには

レッスン37 iOSアプリのプログラミングを始めるには

レッスン38 iOSアプリを試しに動かすには

レッスン39 App Storeに申請するには

付録 Visual StudioからGitHubを使う

用語集

索引

(広野 忠敏)