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Pepper、6月20日に一般販売開始、19万8000円

6月分は1000体

 ソフトバンク ロボティクスとソフトバンクモバイルは、夏頃に一般販売開始としていた人型ロボット「Pepper」を6月20日に発売する。本体の価格は19万8000円。クラウドサービスを利用することなどから、基本プラン(基本使用料)は月額1万4800円の36回払い。月額9800円で36回払いの保険パックも用意される。基本プラン、保険パックはどちらも一括払いが可能。契約時にはロボット手続き手数料9800円がかかる。

 6月の販売数は1000体。Webサイトで6月20日10時より受け付ける。6月19日にはソフトバンク東京駅グランルーフフロントにて30台が先行販売される。いずれも出荷は7月以降。7月以降の販売台数は未定だが、毎月ある程度の台数を販売するとしている。

 7月1日からは時給1500円で“アルバイト派遣”も実施される。秋には、法人向けにも販売を開始する。18日に開催の発表会では、世界で販売する方針も明らかにされた

Pepper

 感情認識機能が進化し、当初発表されてていた感情の認識だけでなく、「自らの感情を持つ」ことに成功したという。周囲とのやりとりで感情や言葉が変化するほか、インターネットで取得したスポーツやニュース、天気などの情報でも感情が変化する。

 人間の脳の内部で起こる感情のメカニズムやホルモンの分泌など医学的なアプローチを元に、コンピュータ上でこれらをシミュレーションし、感情エンジンとして構成。本体に搭載される各種のセンサーから得た情報を含めて、「内分泌型多層ニューラルネットワーク」で処理を行うことで、感情を生成する。Pepperの感情の状態は感情マップで確認できる。本体の処理性能が発表当初と比較して4倍に向上、周囲の人の感情の認識と同時に、リアルタイムなPepper自身の「感情の生成」を実現した。すでに30件以上の特許を出願、感情エンジンでも100件以上の特許を出願しているという。

 頭脳にあたるほとんどの処理は、クラウド上で行うという。本体には基礎的な言語能力に関するデータと、反射的な反応や処理に必要なデータが格納されるにとどまる。

 Pepperは、起動している間にさまざまな記録を自動的に行うが、褒められて嬉しい、楽しいといった、自身の感情が大きく揺さぶられるできごとを記憶、自動的にタグ付けしクラウド上に格納する。印象的なできごとはきれいな写真で、日常の何気ないできごとはテキストデータとして記録するといったように使い分けることで、クラウド上のデータがいたずらに増えないようになっている。

 クラウド連携ではさらに、プライベートなデータとは切り離された上で、Pepperが心を揺さぶられた場面やその要因を分析、数値として蓄積し、クラウドを通じてほかのPepperと知識を共有する試みも行われる。

 さらにIBMが開発したディープラーニングによる人工知能「Watson」と連携。家庭向けの医療情報などもPepperが獲得できるという。

 「見た目の形は(発表時と)おなじだが、心の中が著しく進化した」(ソフトバンクモバイルの孫社長)。家族に愛されて成長するとし、嬉しい、楽しいという感情が多いと、Pepperの中に「ココログミ」が貯まり、新機能、新アプリを使えるようになり、新しいダンスやクイズといった機能を拡張できる。

 アプリは専用のアプリストアに用意され、約200本を無料でダウンロードして使うことが可能。スマートフォンと連携できる「ペパメ」は離れたところからPepperを喋らせたり動かしたりできるほか、Pepperを利用したグループトークが楽しめる。

 アプリのミニゲームはPepperと対話しながら楽しめるほか、英会話、レシピなどさまざまなものがサードパーティ製を含めて用意されている。Pepperが嬉しいと貯まる「ココログミ」を使って入手できる特別なアプリも用意される。

 孫社長は、「30年後には、ロボット事業はソフトバンクの中核事業のひとつになっているかもしれない。私はもう社長ではないだろうが(笑)。30年後は、ロボットの数が地球の人口を超えている可能性がある。新30年ビジョンを作る時、全社員に30年後のビジョンをプレゼンテーションしてもらったが、一番反響が大きかったのが、一般の社員から出ていた、『30年後のソフトバンクはロボットを提供する会社になっていたい』というもの。どうせならと、私はハートを持たせた、愛のあるロボットにしたいと思った。生産性ではなく、心を豊かにするもの。10〜20年暮らしてみて、涙を流すような場面があれば、大成功だと思う」などと語り、「感情を持つ」という点を軸に、長期的に取り組んでいく様子を語っている。

 なお、Pepperは今後派生モデル、後継モデルの投入についても、その可能性を否定されていないが、ソフトバンクとの契約が続いている限り、Pepperの記憶や経験はクラウド上のデータとして引き継がれるという。ユーザーが購入したモデル自体を長く使いたいと考えるユーザー向けに、補修用のパーツは長く保有する方針。「1号機のパーツも、何十年と取っておかないといけないかもしれいない。メンテナンス用になんとか残しておきたい」としている。

 一般販売での19万8000円という本体価格は、製造コストを下回る価格で赤字という。製造コストの低下を図りながら、長期的な視点で取り組んでいく方針。一方、法人向けの価格は、利益が出るような価格体系になる見込み。

 Pepperの本体の大きさは1210×480×425mm、重さは約29kg。リチウムイオンバッテリーを内蔵し、駆動時間は最長約12時間以上。通信方式は無線LANで、IEEE802.11a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)。有線LANポートも装備する。移動速度は最大で時速2km、移動が可能な段差は最大約1.5cm。

Pepperは孫社長に似ている!?

横顔のシルエットが……!!

 なお孫社長は、タレントを招いたトークセッションの時間に、「Pepperと(孫氏の)横顔のシルエットが似ている」と内田恭子に指摘されると、「人相は僕が決めた(笑)」と披露。孫氏自らが、感情エンジンに関連した100件以上の特許を考案し出願したことも明らかにした。

 「飽きられないための最強のアプリ、それは心だ。(Pepperの感情は)刻々と変化し、毎日違い、同じジョークを繰り返さない。命令して動くのではなく、自らの意思で、家族を喜ばせたいと考える」と、我が子のようにPepperの魅力を語る孫氏。IBMの「Watson」と連携し医療情報も参照できるとして、「まさにドクター・ペッパー」(孫氏)とジョークも飛び出したが、Pepperが持つジョークは何十万種類もあるとのことだった。

18日の発表会 一般販売に関するプレゼンテーション

(太田 亮三)