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MetaMoJiの建設業界向けデジタル野帳「eYACHO」、iPad版を7月提供開始

アプリ基盤「GEMBA」により現場業務向けのノートアプリを展開

 MetaMojiは、大林組の協力のもと開発した、建設会社向けのデジタル野帳アプリ「eYACHO」のiPad版の提供を、7月より開始する。月額課金制で、基本料金は1ユーザーあたり300円(税込、以下同)。今後、手書きノートを核とした業務現場向けのソリューションを提供していく。

 「eYACHO」は、建設現場で使われている、屋外メモのコンパクトなノートブック「野帳」をデジタル化するコンセプトで開発されたアプリ。従業員に5000台のiPadを支給し、業務のIT化を進めている大林組が、MetaMoJiに開発を持ちかけ、建設現場の要望を反映させたアプリとして開発されたという。

MetaMoJi 代表取締役社長 浮川和宣氏
大林組 グローバルICT推進室 技術課 課長 堀内英行氏

 同アプリの特徴は、自由自在に作成できる紙のノートの利点と、デジタルならではの整理のしやすさを融合させていること。手描きのできるノート機能を核に、定型入力機能や図版や写真の挿入、簡易スプレッドシート機能、録音機能、日付ごとのノート管理といった、建設現場での業務管理で求められる機能を盛り込んでいる。

 紙のメモ帳のように備忘録や、図版を貼りつけて書き込みをして使う用途や、手書き文字入力「mazec」によるテキスト入力で報告書の作成、スプレッドシートを貼りつけて、点呼の管理に使うなどの用途がある。

 テンプレート機能も備えており、定型業務で使うフォームを登録しておいてノートに貼りつけたり、あらかじめ設定したフォーマットで書類を作成できる。録音機能では、ノートを書きながら録音することができ、メモが書かれた時点で録音していたものを再生する機能を備えている。ToDo機能として、ノートの一部を囲んで保存し、並べて表示する機能も搭載している。

「eYACHO」アプリ画面

 「eYACHO」のアプリ本体は無料。利用料は1ユーザーあたり月額300円。年額の場合は1ユーザーあたり3000円。オプションとなっている簡易表計算機能と、音声録音機能は各月額100円(年額1000円)。手書き入力「mazec」用の建設業向けの変換辞書も提供され、こちらは月額400円(年額4000円)。機能を制限した試用版も提供される。

 7月のサービス提供開始に向けて、現在ベータテストが実施されている。ベータ版の利用は無料で、同サービスの公式ホームページより試用の申し込みを受け付けている。年内に、コラボレーション機能を備えたチームエディションも提供予定。Android版とWindows版のアプリも、年内に提供される。

 MetaMojiでは今後「eYACHO」で用いられているアプリ基盤「GEMBA」(ゲンバ)を用いて、営業、接客、生産、事故管理、取材といった、さまざまな業務に特化したノートアプリを開発していく方針で、サービスの開発への協力企業を募集している。

 18日に行われた発表会では、「GEMBA」のアプリ基盤によって開発された不動産営業の試作アプリが参考として紹介された。書き込みできるカレンダーによるノート管理機能や、動画再生機能、付箋の差分機能などを新たに試作しているという。

石井 徹