ニュース

温泉ハッカソン「SPAJAM 2015」最優秀賞が決定

「モバイルプロジェクト・アワード2015」と合同で表彰式を開催

 モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は6日、一泊二日でモバイルアプリを開発し成果を競うハッカソン形式の競技会「スマートフォンアプリジャム 2015」(SPAJAM2015)の表彰式を開催した。あわせて、モバイルビジネスに貢献したプロジェクトを表彰する「モバイルプロジェクト・アワード2015」の表彰式も催された。

「SPAJAM2015」受賞者
「モバイルプロジェクト・アワード2015」受賞者

「SPAJAM2015」表彰式

 4日から5日にかけて埼玉県の温泉施設で開催された「SPAJAM2015」の本選。審査結果は表彰式の場で初めて明らかにされた。本選のテーマは「シェアを楽しむ」というもの。本選に出場した11チームの中から最優秀賞に輝いたのは、大阪予選を勝ち抜いた「VRつくり隊」。彼らが本選で制作した「World Portal」は、リコーの全天球カメラ「THETA」を活用し、撮影した全天球写真を世界中の人と共有し、ランダムに閲覧できるというアプリ。

 優秀賞は2チーム。1チームは、唯一の学生チームとして、目覚まし時計を共有するアプリ「Sharerm」を制作した「FUNkey」(ファンキー)。もう1チームは最年長チームとして参加し、顔認識機能を組み込んだ割り勘アプリ「ワラカン」を制作した「デジテニ東京」。審査員特別賞には、充電という動作を通じてユーザー自身の操作をほぼ行わずに音楽をシェアする「Music Elevator」を制作したチーム「よろしくお願いします。feat.Higu's bros」が選ばれた。

IO HAWKに乗りながら挨拶したコロプラの馬場社長は「初日は浴衣でこれに乗っていたけれど、表彰式は意外と真面目な場だった」と笑いを誘った
日本Andoridの会の丸山名誉会長による講評の様子
最優秀賞に輝いたのは「World Portal」を作成した「VRつくり隊」。バイト先で知り合ったという一風変わった3人組だ。
「VRつくり隊」のリーダーで、プログラムを担当した能代氏
優秀賞の「FUNkey」は、北海道から来た5人組の学生チーム
もう1組の優秀賞「デジテニ東京」の5人は、普段はテニス仲間だという
審査員特別賞は、「よろしくお願いします。feat.Higu's bros」。“敗者復活組”から見事受賞した

 「SPAJAM2015」の審査委員長を務めた日本Androidの会の丸山不二夫名誉会長は、今大会の講評として「業界のトレンドとして、IoTなど新しいハードウェアの連携を模索しているが、SPAJAMでもスマートフォン以外のハードウェアと連携したアプリが目立った。加えて今年のテーマは『シェア』だが、業界ではGoogle Nowなど、スマートフォンと人間とのインターフェイスのあり方について見直すきっかけとなる年となった。今回参加した各チームについても、新しいインターフェイスのあり方について、関心が芽生えてきていると感じた。学ぼうという気力があれば必ず成長する、SPAJAMの経験をバネに来年以降の飛躍を期待したい」と述べた。

「モバイルプロジェクト・アワード」表彰式

 「SPAJAM2015」の表彰式に先駆けて開催された「モバイルプロジェクト・アワード2015」(MPA2015)の表彰式では、モバイル業界の発展に貢献した4部門11プロジェクトが優秀賞を獲得した。最優秀賞については、今年は該当なしとなった。受賞者は6月29日の発表の通り。

司会進行は自身もアプリ開発者としての経歴を持つニッポン放送の吉田アナウンサー
モバイルハードウェア部門の講評を述べる本誌の湯野編集長
優秀賞「ZenFone 5」(ASUS)。ASUSの中村氏は「日本のモバイル市場がより拡大できるような製品を投入していきたい」と決意を語った。
優秀賞「LUMIX CM1」(パナソニック)。商品企画を担当した前田氏は「最初は衝突も多かった2つの開発部門が、一丸となって新しい価値を想像できた」と述べた。
モバイルプラットフォーム・ソリューション部門の講評はITmedia Mobileの田中聡編集長
優秀賞「Remote TestKit」(NTTレゾナント)。開発を指揮する萩野氏は「実機での動作検証が安価にできるこのソリューションで、サービス・アプリ開発のお手伝いができれば」とコメントした
優秀賞「au WALLET」(KDDI)。KDDIの長野氏は「当初はどのくらい受け入れられるか不安だったが、申し込み、利用とも予想をいい意味で裏切る結果となった」と述べた。
優秀賞「みおふぉん」(IIJ)。IIJの佐々木氏は「当初予想の50倍の契約を毎月いただいている。今後もドラスティックに変化する市場をリードしていきたい」と語った
MCF社会貢献賞の講評を行ったのは、月刊テレコミュニケーションの土谷編集長
優秀賞「00000JAPAN」。大規模災害時にキャリアやメーカーが協力してWi-Fiを無料解放するプロジェクト。授賞式には3キャリアの担当者も並び立った
モバイルコンテンツ部門の講評は、MCF専務理事の岸原氏
優秀賞「MixChannel」(Donuts)。女子高生に人気の同アプリを、Donutsの勝原氏は「文化祭が毎日行われているようなアプリ」と形容した
優秀賞「白猫プロジェクト」(コロプラ)。コロプラの浅井氏は「スマートフォンゲームといえばライトなものが多かった2年前に、あえて『王道』志向のRPGを開発した」と語った
優秀賞「音楽コミュニティアプリ nana」(nana music)。同社CEOの文原氏は、「音楽で世界を繋げていきたい」と決意を明らかにした
優秀賞「Brain Wars」(トランスリミット)。同社社長の高場氏は「最初からグローバル展開を意識して開発し、95%が海外からのダウンロードとなった」と明かした
優秀賞「SmartNews」(スマートニュース)。同社の松岡氏は「ニュースを分析する高い技術力を活かして、世界で展開していきたい」と話した

石井 徹