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女子高生のスマホ利用は平均5.5時間、15時間超えも――デジタルアーツ調査

 デジタルアーツは6日、未成年の携帯電話、スマートフォンの利用実態調査をまとめ、発表した。

 調査対象は全国の携帯電話やスマートフォンを持つ10~18歳の小・中・高校生618名と、0~9歳の子どもを持つ保護者597名。インターネットを利用したアンケート調査で調査期間は2015年6月3日~8日。

スマートフォン所持率は増加、フィルタリング利用率は中学生が最も高い

 携帯電話を持つ小・中・高校生のうち、スマートフォンを所持している割合が67.3%となり、2014年6月の調査より8.2ポイント上昇した。そのうち、高校生については、スマートフォンの利用者が99%で、残り1%もスマートフォンの利用意向ありという結果となり、スマートフォンを利用する意向がない割合が初めて0%となった。

 フィルタリングの使用状況については、小・中・高校生全体では48.2%が「現在使っている」と回答している。そのうち、小学生のフィルタリング利用率は40.1%、中学生では54.5%、高校生は50.8%となっている。一方で、「インターネットを使えない機種となっている」と答えた割合は小学生で15.9%、中学生は7.2%、高校生で3.3%となっている。

6割が「LINE」を頻繁に利用、高校生では9割にのぼる

 スマートフォンで使用頻度の高いアプリをきいた設問では、小・中・高校生とも「LINE」が最も多くなり、全体では61.7%となった。なかでも高校生は男子・女子ともに利用率が高く、それぞれ91.3%と92.2%となった。

 男子高校生はLINE以外では「Twitter」と「YouTube」が並んで58.3%、「ゲーム」が51.5%と続く。一方で、女子高校生では、「Twitter」が77.7%、「YouTube」が70.9%、「音楽」が53.4%となっている。

動画アプリで投稿する内容

 調査対象のうち、SNSや動画アプリを利用している小・中・高校生では、47.8%が写真や動画の投稿経験があると回答した。中でも女子高校生では投稿経験ありの割合が68.9%と際立って高かった。

 女子高校生が撮影して投稿する内容としては「自分のプライベート」や「学校(職場)での自分や友達(同僚)」が多く、それぞれ43.7%と40.8%が投稿経験ありと回答した。さらに、「芸能人や有名人」が31.1%、「有名キャラクター」が16.5%、「コンサート・ライブ映像」が12.6%となった。

平均利用時間は2.5時間、女子高校生では5.5時間

 小・中・高校生に対して携帯電話の利用時間を訊ねた設問では、全体の平均で2.5時間という結果となった。小・中学生については、「1時間未満」と答えた割合が、最も高かった一方で、高校生では「1時間未満」と答えた割合が10%を切り、男女とも「1~3時間未満」と「3~6時間未満」の合計で6割を超える割合となっている。

 特に女子高校生では、他の層では現れなかった「12~15時間未満」(1.9%)と「15時間以上」(6.8%)という回答者がおり、全体の平均利用時間を押し上げる要因となっている。男子高校生の平均利用時間は3.8時間、女子高校生の平均利用時間は5.5時間となった。

スマートフォンの使いすぎで「寝落ち」、女子高校生の45.6%が経験

 携帯電話・スマートフォンを利用し始めてからの経験についての設問では、「四六時中、使いすぎていると注意された」という回答が多く、全体では26.5%となった。この回答は男子中学生(35.9%)と女子高校生(40.8%)が、比較的高い結果となった。

 また、「寝落ちするまでいじっていた」(携帯電話を操作したまま寝てしまった)と答えた割合が全体では16.8%となっているのに対して、女子高校生では45.6%と高く、「頭痛」や「イライラ」といった健康面やメンタル面での影響についても、女子高校生では10%以上が経験していることが明らかとなった。

高校生では2割以上が携帯電話所有後にトラブルを経験

 携帯電話所有後にトラブルを経験した割合は、小・中・高校生全体では9.7%。そのうち男子高校生では21.4%、女子高校生は25.2%という割合となった。

 小・中・高校生が経験したトラブルの内容は、「嘘の噂を広められた」(31.7%)、「誹謗中傷を受けた」(18.3%)、「仲間はずれにされた」(18.3%)、「無断で写真・個人情報をあげられてしまった」(16.7%)という順となっている。

子どもの半数はインターネット上の書き込みや投稿で罰則があると「知らない」

 インターネット上での書き込みや投稿に罰則があることを知っているかという設問では、小・中・高校生全体で「知らない」という回答が53.7%となった。

 高校生では比較的認識率が高く、男子高校生で「知らない」と答えた割合は21.4%、女子高校生では35.9%となった。中学生では「知らない」と答えた割合が上回り、男子中学生では60.2%、女子中学生では64.1%が「知らない」と回答した。

 違法となる行為を提示して認識があるかを問う設問では、「他人の個人情報や写真を無断で公開すると訴えられる」や「他人を脅すと捕まる」といったものは75%以上が認識しているのに対して、「インターネット上で違法行為の仲間を募集すると捕まる」「他人を侮辱すると訴えられる」については50%程度の認知度となった。

 全体の認知度に対して低さが目立った項目としては、女子中学生の「他人を自殺に追い込むと捕まる」での40.5%(全体では62.2%)。女子高校生では「他人に法令違反となることを強要すると捕まる」が50.0%となった(全体では62.2%)。

親世代の6割はネット犯罪から子供を守るための対策に不足を感じている

 0~9歳児の保護者を対象として、子ども達をネット上の犯罪から守るための対策や教育が十分されているか、という設問には、67.5%が「思わない」と回答した。

 有効だと考える対策についての設問では、「情報モラル教育の強化」「端末側の機能制限」「アプリやウェブサービス提供者による年齢制限」の3項目が50%を超え、上位を占めた。

 情報モラル教育を主体になって取り組むべき対象をきいた設問では、学校・教育機関が73.7%と筆頭にあがり、保護者・家庭(59.7%)、地方自治体(50.0%)、政府(48.7%)と続いた。

石井 徹