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社内外の連絡先をスマホで一元管理――名刺管理のSansanがドコモと提携

 NTTドコモは16日、名刺管理サービスを提供するSansanとの業務提携したことを発表した。同日より、Sansanの名刺管理サービスをドコモの法人向けソリューションパッケージに組み込んで提供する。

NTTドコモ 法人ビジネス本部長の高木一裕氏とSansan代表取締役社長の寺田親弘氏
サービス提供イメージ

 「Sansan」は、名刺をデータベース化して、クラウド上で管理するサービス。スマホのカメラや専用スキャナーで取り込んだ名刺の画像をアップロードすると、OCRと人間による入力で、高精度でテキスト化され、スマートフォンのアプリから表示や検索できるようになる。社内の他の社員が交換した名刺を閲覧する機能もあり、社外との交流が把握できる。

アプリの利用イメージ

 ドコモではこのSansanを、中小法人向けのソリューションパッケージ「ビジネスプラス」のサービスの一つとして提供する。ビジネスプラスは、ストレージサービスやセキュリティサービス、業務効率化ツールなどのサービスをドコモが取りまとめて提供するもの。

 今回、ビジネスプラスで提供されるSansanのサービスは、名刺管理に機能を絞って低価格化したもの。料金は年額で、1契約あたり12万円となる。1契約あたり5000までの名刺を保存できる。5000枚を超過した際は追加契約をすることで保存枚数を増やせる。実際にアプリを利用するユーザー数については無制限。

 オプションとして、PFUのScanSnapをベースとした専用のスキャナーがレンタルにて提供される。付属の管理用パソコンから、名刺を高速でまとめて読み込むだけで、スマートフォン上から閲覧できるようになる。レンタル価格は年額12万円。

 なお、スマートフォンのカメラと専用スキャナー以外を読み込みに利用することはできない。

 ビジネスプラスで提供されるSansanでは、同パッケージの他のサービスとの連携機能が組み込まれている。Sansanで入力された名刺をネットワーク電話帳「ProgOffice」(NTTソフトウェア提供)の連絡先として登録することができ、ドコモが提供する内線電話サービス「オフィスリンク」の内線電話とあわせて、社内外の電話帳を一元管理することができる。

 ドコモとSansanでは、法人向けの営業やプロモーションを共同で展開する。法人向けスマートフォン「F-04F」では、Sansanのアプリをプリインストールして提供する。そのほかのiOS、Androidスマートフォンにも、Sansanアプリのセットアップサービスを提供する。

 ビジネスプラス向けSansanの目標としては、2017年度末までに3000社へのサービス導入を目指すという。

発表会の様子

NTTドコモ 法人ビジネス本部長の高木一裕氏

 16日のサービス提供発表会で登壇したNTTドコモ 法人ビジネス本部長の高木一裕氏は、ビジネスプラスの現状について解説した。ビジネスプラスは2014年4月より、中小企業向けにICTソリューションを提供するパッケージとしてスタートしたもの。業種業態を問わずに利用されており、現在2500社で25万ユーザーに利用されているという。

 今後ドコモでは、ビジネスプラスの契約数を2017年度までに1万社100ユーザーの利用を目指し展開していく。その中の取り組みの一つとして、提供しているサービスの横同士のつながりを強化を図っていく。

Sansan代表取締役社長の寺田親弘氏

 Sansan代表取締役社長の寺田親弘氏は、Sansanの提供サービスについて概要と目標を説明した。Sansanは名刺管理サービスのパイオニアとして、業種や規模を問わず3000社以上に提供している。今後、ビジネスインフラとして、どのオフィスでも当たり前に使われているサービスを目指している。今回のサービス提供を通して、ドコモの法人営業力により、今まで弱かった中小企業へのリーチを図っていく構え。

石井 徹