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「格安スマホ」ユーザー調査、安くなったのは約半数

大手キャリアとの併用も、ネオマーケティング調査

 ネオマーケティングは、「格安スマホ」と呼ばれるMVNO通信サービスのユーザー1000名を対象にした利用実態調査の結果を発表した。

 調査対象は全国の20~70代の男女で、有効回答数は1000サンプル。Webアンケート方式により実施されたほか、対象者のうち5名にはインタビュー方式による調査も行われた。同調査では、MVNO通信事業者が提供するSIMフリー端末とSIMカードを用いているものを「格安スマホ」と定義している。

購入理由は「月額料金が安くなりそうだから」、実際に安くなったのは約半数

 「格安スマホ」を購入した理由を聞いた設問(複数回答)では、「月額料金が安くなりそうだから」が66.9%となり、「通話をあまりしないから」(28.3%)、「料金体系がシンプルだから」(26.3%)を引き離し、最も多い回答となっており、月額料金の安さへの期待をうかがわせる結果となった。

 一方で、現状の「格安スマホ」の利用料金について聞いた設問では、以前使っていたサービスと比べて「安くなった」と回答した人は51.3%と、約半数にとどまった。「あまり変わらない」が14.5%となり、「少し高くなった」(9.9%)、「高くなった」(4.5%)という結果となった。インタビュー調査では、「実際に6000円くらい安くなった」(30代主婦)という人がいる一方で、「もともとガラケー(フィーチャーフォン)を使用していたので安くなった気がしない」(40代主婦)、「端末代を考えると思ったほどには安くもない」(20代学生・男性)といった声もあった。

約半数は大手キャリアの携帯電話も利用、音声とデータ通信で使い分け

 大手キャリア(MNO)の携帯電話を併用しているか聞いた設問では、45.3%が「利用している」と回答した。併用している理由として、「音声通話、データ通信で使い分けたいから」(57.8%)、「併用したほうが料金総額が安くなるから」(51.4%)、「キャリアメールを使い続けたいから」(21.6%)となった。インタビュー調査では「インターネット用として利用している。通話ではガラケーを使用している」(20代学生・男性)、「通話とメールはガラケーを使っている。格安スマホでは新規で050番号なのでたまにしか通話をしない」(20代学生・女性)といった声があった。

 「格安スマホ」の購入方法については、SIMだけを購入して手持ちの端末で利用してる人が40.7%と最も多く、現在使っている携帯電話に追加で本体とSIMをセット購入した人が21.7%となる一方で、端末とSIMをセットして現在使っているスマートフォンからの買い替えたと回答した人は9.7%にとどまった。

基本料金には8割が満足、サポート体制には不安も

 項目ごとの満足度を聞いた設問では、「基本料金」については、「とても満足」と「満足」をあわせた満足度で86.8%となった。このうち40.0%については「とても満足」と回答しており、他の項目を引き離す結果となっている。「データ通信容量」は60.0%、「通信速度」は58.6%、「通信の安定性」については57.1%が「とても満足」または「やや満足」と回答している。

 一方で低調だったのが「サポート体制」(34.4%)、「バッテリーの持ち時間」(39.6%)、「通話料金」(44.4%)。インタビュー調査では「SIMと端末メーカーのサポートの区分けがわかりづらい」(20代学生・男性)、「初めてのスマホなので設定が難しい。年齢が高い人たちへのサポートがもっとあるとうれしい」(50代会社員・男性)という意見があった。

格安スマホを勧めたいのは「詳しい人」と「フィーチャーフォンを使っている人」

 どのような人に「格安スマホ」を勧めたいかきいた設問では、「スマートフォンに詳しい人」が60.0%、「大手キャリアのフィーチャーフォンとの併用者」(53.4%)となった。利用が勧められない人は「スマートフォンが苦手な人」が53.5%と最も多く結果となった。

 インタビュー調査では、「手軽に電話で聞ける窓口がないから、年配の方には勧められない。ITの知識がないと辛い」(30代主婦)、「安く済ませたい人、スマホを使ってみたい人に勧めたい。通話が多い人は、相手によって料金が変動するのでお勧めできないかも」(20代学生・男性)といった声が聞かれた。

石井 徹