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ドコモ、3波キャリアアグリゲーションで下り300Mbpsを11月開始

iPhone 6s/6s Plusは下り最大262.5Mbpsで

 NTTドコモは、3つの電波を束ねて下り最大300Mbpsとなる通信サービスを2015年11月より提供する。対応機種の発売にあわせて開始される見込み。

 複数の電波を束ねる手法は「キャリアアグリゲーション(CA)」と呼ばれ、これまで国内の通信事業者は、2つの電波を束ねる形でサービスを提供してきた。ドコモでは今回、3波を束ねる「3CC」を導入する。800MHz帯、1.5GHz帯、2GHz帯を組み合わせる。利用できるのは東名阪都心部など、2015年度末までに600以上の都市で導入される。

 対応機種は今後登場する見込み。既存機種は3CCに対応しておらず、利用できない。一方、まもなく発売されるiPhone 6s/6s Plusは、2波を組み合わせ、下り最大262.5Mbps対応となり、下り300Mbpsには対応しない。ドコモでは、2016年度、3.5GHz帯のTD-LTE方式を導入して、下り最大370Mbpsを目指す。

今年のドコモ、進化のポイントは3つ

 15日、NTTドコモは報道陣向けにネットワーク関連の説明会を開催。壇上に立った取締役常務執行役員の大松澤清博氏は、この秋、同社のネットワークにおける進化の特徴は3つある、と語る。

 1つ目は下り最大262.5Mbps、次いで300Mbpsという、国内最速の通信速度を達成すること。他社では、auが225Mbps、ソフトバンクが187.5Mbpsとなっているところ、ドコモでは9月25日より、東名阪地域において262.5Mbpsのサービスを開始する。2GHz帯(15MHz幅、112.5Mbps)と1.7GHz帯(20MHz幅、150Mbps)を束ねた場合、この速度になる。

 2つ目はキャリアアグリゲーションの組み合わせが4種類となり、安定した通信を継続しやすいこと。ドコモでは「4つのCAのベストセレクト」とアピールする。これは、先述した「2GHz帯+1.7GHz帯」という組み合わせのほか、「1.7GHz帯+800MHz帯(225Mbps)」、「2GHz帯+1.5GHz帯(225Mbps)」、「2GHz帯+800MHz帯(187.5Mbps)」と、あわせて4つの組み合わせが利用できることを指す。新しいiPhone 6s/6s Plusでは、1.5GHz帯をサポートしないため、4つのうち、3つの組み合わせが利用できる。

 キャリアアグリゲーションは高速化だけではなく、通信を安定して行えるようになる、というメリットもある。そこへ、キャリアアグリゲーションの選択肢が増えることで、いわば、通信環境の底上げになる、というのがドコモ側の言い分。通信環境は、その場にいる端末の数(人数)や、周辺の環境で刻一刻と変化するため、4種類の選択肢になったキャリアアグリゲーションによってどの程度快適になるか、数字で表現することは難しいものの「たとえば動画を観ている場合、一時的に止まるといったことがなくなって快適に視聴できるようになる」(大松澤氏)とドコモでは説明する。

 進化の3点目は、都市部への集中的な設備の展開だ。これは、今春導入した高度化C-RANによる恩恵と言えるもの。高度化C-RANとは、広いエリアをカバーする“マクロセル基地局”のエリア内に、ごく一部だけをカバーする“スモールセル基地局”を設置し、それぞれの基地局を一カ所で集中制御する技術だ。マクロセルとスモールセル、それぞれから発せられる電波をキャリアアグリゲーションで束ねて、高速通信を実現する。中央で制御するため、通信が混み合う場所へスモールセル基地局を追加した場合も、周囲の基地局と干渉をコントロールしやすい。つまり、設備の追加が手軽にできるため、集中的な展開が可能になった。PREMIUM 4Gのエリアは、9月、640都市まで拡がっており、サービス半年で20倍近くになった。15日からはドコモのWebサイト上でも確認できるようになった。2015年度末には全国900都市以上に展開する予定で、対応基地局は1万8000局(LTE対応局全体で13万局)となる。

快適さをアップ

 こうした3つの特徴により、理論値だけではなく、最も混み合う時間帯でも、ユーザーの手元にある端末の実効速度が大きく向上した、とドコモでは説明する。たとえば渋谷のようは繁華街でも朝の通勤時や夕方の帰宅時に実効速度が向上した、というグラフを掲出。それによると確かに混み合う時間帯では遅かったところ、速度が向上した、という形。ただし、実際にどの程度速度がアップしたか、縦軸の単位までは開示されなかったため、やや説得力に欠ける内容だ。

 一方、東京・山手線内の主要駅において、LTEでの速度と比べて、LTE-Advanced方式であるPREMIUM 4Gでは、平均で4倍の実効速度向上が実現した。PREMIUM 4G導入前の2014年第3四半期と比べると、最も混雑する時間帯での平均実効速度は、全国で10%、都市部で20%、向上した。この数値は、ドコモが提供するスピードテストアプリの集計値。こうした実効速度については、総務省がガイドラインを整理しているところだが、大松澤氏は「総務省よりも厳しい環境での測定データ」と胸を張る。

SIMロック解除で……

 5月に導入された新しいガイドラインにより、iPhone 6s/6s Plusを含めて、条件を満たせばSIMロックを解除できるようになる。

 ドコモでは、iPhoneに限らず、動作を確認できたものについては、ドコモのWebサイト上で案内していく方針。ここで動作が保証されるのは基本的な接続の部分とのこと。

 キャリアアグリゲーションについては、機種によって利用できないものがあるかもしれないが、それはあくまで個別の事象とのこと。ドコモとしてはSIMロックフリーの機種を排除しているわけではなく、「ドコモが販売したスマホだけがキャリアアグリゲーションを利用できる」ということはないという。

(関口 聖)