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iOS/Android対応の「Office 2016」、共同編集などに対応

永続ライセンスは30日より提供開始

 日本マイクロソフトは、「Office 2016」の提供を開始した。クラウドサービスを通じた提供は既に開始されていたが、30日からはダウンロードやPOSAカードで購入可能な永続ライセンス版も提供される。Windows、Mac、iOS、Androidとマルチプラットフォームをサポートする。月額制のクラウドサービス「Office 365」でも最新版が提供され、その利用料は従来と同じ。

iPhoneを手に、iOSへの対応をアピールする平野社長

 既に23日から、クラウドサービス「Office 365」で個人向け、法人向けが、パソコンへのプリインストール版が提供されている。30日からは一般向けの永続ライセンス「Office Home & Business 2016」が、10月1日からはボリュームライセンスの「Office Professional Plus」が提供される。WordやExcel、Outlook、PowerPointなどのほか、オンラインストレージのOneDriveなどが利用できる。

目玉機能は共同編集、Windows 10のContinuumなどにも対応

 Office 2016では「チームワークへの最適化」「Windows 10との完全な連携」「ユーザーのやりたいことを先回りしてサポート」「セキュリティの向上」という4点が大きな特徴とされる。

 たとえばチームワーク関連では、これまでと比べて、複数人が同時にアクセスして入力や編集が可能になった。日頃の生活と仕事のバランスの取り方に対して、変革をもたらそうとする同社の方針を反映した機能で、同じ事務所にいなくても、仕事を進めやすくする。今後進展する高齢化社会に向けて、今後、介護と仕事と両立するためテレワーク環境が求められるとして、時間と空間を超えた利用ができるとアピールする。マスターとなるファイルはOneDriveに置いておき、他のユーザーとリアルタイムに同期しながら一緒に編集作業を進められる

 各デスクトップアプリでサポートされており、さらにSkype for Businessが組み込まれたことで、共同編集中でもすぐ会話できる。モバイルからも、タイムラグはややあるものの、共同編集は可能とのこと。ただデスクトップ版はリッチクライアントで機能が豊富なのに対して、モバイル版の機能はデスクトップ版よりもやや制限される形になる。

10.1インチ以下向けのプリインストール「Office Mobile」

 モバイルファースト、クラウドファーストをうたい、Windows以外のプラットフォームへの展開に注力するなか、「Office 2016」もまたマルチデバイスへの対応が大きな特徴の1つとして打ち出されている。

 そうしたなか、日本限定のライセンスとして、10.1インチ以下のデバイスにプリインストールで提供されるのが「Office Mobile」だ。1年間無料、それ以降はOffice 365サービスの利用料(年額5800円/税抜、以下同)となる同サービスは、1TBのOneDrive、2台のタブレットと2台のスマートフォン向け、そして毎月60分のSkypeによる携帯電話・固定電話向け通話料が含まれる。また業務での利用(商用利用)も可能なライセンスとなっている。
 10.1インチ以上のWindowsデバイスにプリインストールされる製品は、同内容の「Office Premium」が用意される。10.1インチデバイスの場合、メーカー側で、PremiumかMobileのどちらをプリインストールするか選ぶ。

 今後登場する、12.9インチのiPad Proの場合はもともとプリインストール版ではないため、上記の話は関わりがない形だが、iOSアプリの場合は閲覧は無料で利用できる。それ以上の機能、あるいは商用利用は有料ライセンスが必要となる。

 10.1インチ向けのライセンスが登場した背景として、業務執行役員の越川慎司氏は、車社会の米国に対して、電車の利用が多い日本のほうがより小型のデバイスが好まれ、日本社会ならではの要素が影響した部分もあるの違いもある、と説明する。

ソフトバンクも注力

 パートナー企業の1社として登壇した、ソフトバンクの首席エヴァンジェリストである中山五輪男氏は、これまでアップル社員と勘違いされるほど、iOSの普及活動を行ってきたものの、マルチプラットフォームの流れが強まっている、と説明する。

左からsMedio社長の田中俊輔氏、NECパーソナルコンピュータ社長の留目真伸氏、マイクロソフトの平野社長(中央)とパートナーである、

 タブレットを導入する企業の7割はiPadを選択しているものの、iPadを使い続けていると、いつのまにかノートパソコンも持ち歩く状況となり、最近ではノートパソコンとタブレットの両方で利用できるSurface 3が支持されており、全国数千人の法人営業を抱えるソフトバンクとしても、Office 365、Office 2016に注力する、と宣言した。

 このほかパートナー企業として、sMediaが登壇。映像や音楽の再生ソフトを手がける同社からは、ホームネットワーク上のコンテンツを楽しめるWindows向けアプリ「TrueLink+」が紹介された。プレゼンテーションのなかでは、ハイレゾ音源を1TBのOneDriveストレージに設置しつつ、ストリーミングで観賞できるという様子を披露する。ファイルサイズが大きなコンテンツをクラウドに置いて、ローカルストレージを圧迫しないようにしつつ、さまざまなデバイスでシームレスに楽しめるというメリットがある。越川氏によれば、こうした使い方は、日本でまず実現したものだという。

Windows 10 Mobileのアドバンテージは「Continuum」

 特徴の1つとなるWindows 10での完全な連携は、Helloによるシングルサインオン、パーソナルアシスタントのCortanaの対応といった点になる。これらは主にWindows 10デスクトップ版での利用が想定されたものだが、Windows 10 Mobileでも利用できるようになる見込み。

 29日の発表会でも、Windows 10 Mobileデバイスを使って、開発中という「Continuum」での利用をデモ。モバイルデバイス用の画面から、マウスとキーボードを繋いで40インチディスプレイに最適化したPCライクな画面へと切り替わる様が披露された。ただ、開発中とあって、デモの時間は非常に短かった。またやや切り替えに時間がかかり、動作もぎこちなく思えたが、こうしたあたりは正式版が登場する際には、うまく解消されることに期待したい。

(関口 聖)