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ドコモ2015冬-2016春モデル発表会、加藤社長の囲み取材一問一答

 30日、NTTドコモの新機種発表会において、加藤薫社長が報道陣の囲み取材に応じた。主な一問一答をご紹介する。

――今日の発表会では、加藤社長はノリノリでプレゼンでした。

加藤氏
 いや、ノリノリはね(笑)、なんといっても体験ですよ。(蕎麦打ちの講師だった)ヤマナカさんとおっしゃるんですが、最初に「私は不器用です」と最初に言われて。でも教えるのは巧い、いわゆる天才や達人であっても教えるのが上手とは限らない、と。哲学的なこともおっしゃっていて、とっても良い出会いだったんです。蕎麦打ち自身も、私にとって興味のあったことで非日常の出来事でしたが、そういう出会いもあって入れ込んでおりました、はい。

――新サービスの「すきじかん」の目標は?

加藤氏
 あまり目標は設定していないが、(CMキャラクターの)綾野剛さんも壇上で、溶接体験に触れていただいたが、普段と全く違う世界にちょっと触れて、人生が豊かになればという思いが詰まっている。

――月額6000円という価格だが。

加藤氏
 高めだとは思います。観光でも4000円程度で蕎麦打ち体験があるとは聞いている。でも、今回は、ある種、一流の人との場を提供している。体験していただくとコストパフォーマンスで劣るものではないと思っている。

――これまで利便性や効率性をアピールする商品、サービスを手がけてきたと思うが「すきじかん」を提供する必然性は。

加藤氏
 必然性というより、お客さまといろんな側面で接したい、役立ちたいと思っている。私自身も64歳で、少し振り返ることもあって、そういうタイミングの方もいらっしゃるだろう。生活のなかで非日常というところにも目を向けたいな、というのが本音。

――政府から携帯電話の利用料が高いという話がある。ドコモユーザーの平均的な通信量は?

加藤氏
 だいたい3GB程度。昔よりは増えていると思う。過去10年のなかで携帯電話の料金の占める割合、という話があると思うが、この10年で携帯電話はスマートフォンが広く普及するなど大きな変化があった。ドコモでは、長期契約者や若い方に配慮するような新料金を去年導入して、1000億円以上の痛み(減収)があった。ひっくり返すと、口幅ったいが、お客さまに還元した、値下げした効果になったのかなと思う。

 もちろん安いほうがいいのだろうが、私どもも企業としての成長、企業価値とお客さま満足度をどう両立させるか、ずっと考えている。これは料金の基本であり、今後も考え続ける。

――端末代金とセットになっていることが問題視されているところもあるようだ。

加藤氏
 かつてモバ研(モバイルビジネス研究会、総務省での有識者会合で携帯電話における割賦制の普及に繋がる提言をした)での議論もあって定価に近い形で売りましょうということもあったが、スマートフォンが始まってからそうでなくなった面もある。あらためて考える良い機会かもしれない。

――世界のなかでも日本の携帯電話利用料は高いという指摘もある。

加藤氏
 年に一度、(総務省から)発表されるが、国によって通貨価値や物価指数が違い、単純には比べられないが、決して日本は高くないと思う。海外の主要都市にはもっと高いところもある。

――端末が結構高い、という指摘もある。今回、バリエーションを増やしたのはそのあたりも踏まえてのことか。

加藤氏
 そうですね。一方でいろんなキャンペーンを実施して試行錯誤しており、これが決め手というものはないが、これからも探っていきたい。

――高市総務大臣が、通話定額以外のプランを選択肢として、としている。ドコモとしてはどう受け止めるか。

加藤氏
 そのあたりはまだ何も考えていない。不勉強で、まだ(発言内容を)聞いていない。そういう考え方もあるのかな、と思う。

――Android 6.0への早期の対応を明言した。何か方針を変えたのか。

加藤氏
 お客さまの声もある。あまり多彩にすると何を選んでいいかわからない。少なすぎると選択肢がない。そこでバランスを探るが、今回はこういう形になった。一方で、OSは進化していくもの。以前から速くしなければ、という思いはあった。私どもの力もある程度ついてきて、決意を表明できた。

――料金プランのバリエーションが少ないとの指摘がある。

加藤氏
 昨年導入したプランはバリエーションそのもの。長期に使えば割引があり、シェアもできる。若者向けの施策もあれば、らくらくホンなどの料金も揃っている。一定のバリエーションが内在している。一方で、いろんな意見がある。それを踏まえてどうしていくか、智恵の出しどころ。

――auの「スーパーカケホ」では、3GBから契約できる。対抗策はどうしていくのか。

加藤氏
 構造がちょっと違う。我々には2GBのプランがあり、8GB、5GBと刻んでいる。このあたりをどうしていくか。それぞれ特徴があっていいのだと思う。