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災害・避難情報で「津波です」、ソフトバンクのiPhoneで着信音ミス

 ソフトバンクは、iOS 9以降の「iPhone」で、「災害・避難情報」を受信した場合、本来鳴るべき着信音と異なる、「津波です」という音声ガイダンスとメロディを組み合わせた着信音が鳴ることを明らかにした。LTEエリア内では発生せず、3Gエリアで受信した場合に起こるとのことだが、画面上に表示されるテキスト情報は正しいものとなる。

 災害・避難情報は、災害などで避難の準備や避難する必要がある場合、国や自治体から発せられる。河川の氾濫や土砂災害の恐れ、あるいは弾道ミサイルの飛来や大規模なテロが発生した場合などに配信される。携帯電話・スマートフォンで受信すると「台風の影響で〇〇川に氾濫警戒情報が発表されました。△△地区方は最寄りの避難所に避難してください」といったテキストが表示され、専用のメロディが再生される。

 緊急速報のうち、緊急地震速報は独自のメロディを採用するが、「災害・避難情報」と「津波警報」ではどのキャリアも同じメロディを採用する。ただしドコモでは津波警報のときに「津波です」という音声ガイダンスもあわせて再生される。またソフトバンクでは、iOS 9以降、津波警報で「津波です」と音声ガイダンスが再生されるようになった。

 今回の事象は、津波警報ではないにもかかわらず、本来と異なる着信音がソフトバンクの「iOS 9以降のiPhone」で再生される。ソフトバンクではLTE網では発生しないとしており、3Gネットワークのエリア内で発生するものと見られる。原因はiOSに含まれるキャリア設定に誤りがあったためだという。

 なお、NTTドコモやauでは、同様の事象は発生しないとのこと。ドコモでは「3G網で配信するメッセージのIDのようなものが、当社とソフトバンクでは異なるため同様の事象は起きない」と説明。またauでは津波警報用の着信音に音声が付いていないため起こり得ない、としている。

 今回の事象は、「iOS 9.1」の配信にあわせ、10月20日に行った検証で発見された。ただし、事象自体はiOS 9.1ではなく、9月16日に配信された「iOS 9.0」で起こり得る状況だった。事前の検証体制について、ソフトバンクでは「改善の余地がある」として、今後、メーカーとともに再発防止に努める方針。近日中に、キャリア設定のアップデートを配信して、同事象を解消する。

 緊急地震速報、津波警報、災害・避難情報のメロディは、携帯各社のWebサイトで確認できる。

関口 聖