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家族の団らんをスマホで、コミュニケーションアプリ「famitalk」

 famitalk(ファミトーク)は、家族の利用を想定したコミュニケーションアプリ「famitalk」の提供を開始した。iOS、Androidで利用できる。親と子供のやり取りを気軽に、かつ、面と向かって言いづらい言葉をスタンプで伝えられるよう配慮したという。

 「famitalk」は、家族で会話したり、写真や予定を共有したりできるスマートフォンアプリ。核家族化で消えた「お茶の間」をスマートフォン上で復活させることをコンセプトに、「トーク」「アルバム」「予定」「メモ」を家族間で共有できる。既にあるチャットアプリと比べ、家族間で面と向かって言いづらい、それでいて温もりを伝えられるスタンプを「トーク」では用意。もし喧嘩したとしたとしても「どこかで折り合えないかな」というスタンプを使ったり、落ち込んだときには「本当は不安なの」などと伝えられるようにした。またトーク画面は、一言一言を大切にする、という考えから、会話形式ではなく一言だけ表示される形となっている。

 アプリでも家族には恥ずかしくて伝えづらい……という場合には、ペットやスマートフォンを使っていない幼児などをキャラクターとして登録しておき、家族の誰かがそのキャラクターになりきってトークに投稿する「アイドルトーク機能」を用意した。ペットのふりをして「最近、パパとお散歩していないなあ」とトークに投稿すれば、面と向かって言いづらいことも、家族に伝えられる、という形になる。

 1つのグループには最大8人まで参加可能。ユーザーが作成できるグループの数に制限はなく、たとえば実の親を含めた家族のグループ、あるいは夫や妻の実家にあたる義理の実家との家族のグループなどを分けることもできる。

家族だからこそのコミュニケーション

 特徴となるスタンプは、家族心理学の専門家という瀬川文子氏が選んだもの。瀬川氏は家族の場合、いつも一緒にいるだけに、言わなくてもわかってるだろう、と期待が勝手に大きくなり、その期待に沿わなければ不満が募ってしまうと指摘。そのため、家族の間では、実は丁寧なコミュニケーションが求められるのだと説明する。

親のやり取りから学べる場に

さとなお氏もコメント

 famitalk社の創業者である斉藤徹氏は、ソーシャルメディア関連の事業を手がけるループス・コミュニケーションズの代表取締役でもある。その斉藤氏の中高時代の同級生で、“さとなお”という別名でもネット上で知られるコミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏は「最初はまたアプリが増えるのかと思った。でも、LINEはいわば子供向けのツール。(famitalkは)親世代の価値感を子供に伝えられる」と評価。

 かつてのお茶の間は、親の行動をそばにいる子供が見て育っていく、という空間だったが、今は正月でさえ、子供は自室で過ごすなどバラバラになった、としてfamitalkは家族の関係を補完するツールと位置付ける。

フローよりストックのツールに

斉藤氏
想定するユーザー層

 斉藤氏は、「famitalk」というアプリを通じて、利益を最重要視するのではなく、社会貢献を重視した企業活動を行っていくと説明。とはいえ、全てを無料で提供し続けるのではなく、将来的には、有料スタンプや、プレミアムサービスの提供を検討していくとする。

 プレミアムサービスでは、検索機能や、アルバムなどの容量増といった機能が含まれるとのこと。LINEやFacebookといったコミュニケーションサービスは、会話や投稿がひたすら流れていく“フロー型”のサービスと言える。一方、famitalkでは、アルバムに写真を貯めこんだり、過去のカレンダーからかつてのやり取りを参照できるようにするなど、情報を蓄積していく“ストック型”のサービス。プレミアム機能では、そうしたストック型サービスとしての機能を強化する形だ。

 ユーザーを拡充していく施策についても、ひとまずはユーザー同士のやり取りをきっかけにしたいと斉藤氏。機能面では、famitalkは、いわゆるカップル向けアプリと似ているものの、カップルアプリは1対1となり、ユーザー間でアプリが広がりにくい。一方、家族向けのfamitalkは、ママ友などの繋がりから「あの家庭で使ったサービスをうちでも」と伝播することが期待されるとして、ひとまずはそうした拡大を見込む。また、先述した“さとなお”氏などが応援団として活動するとのことで、ソーシャルメディアを通じた拡散も図る。

関口 聖