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もうひとつのキャリアバトル、CM好感度No.1にauの三太郎シリーズ

ソフトバンクは2位、ドコモは9位に

 CM総合研究所は、2014年11月~2015年10月までの1年間のテレビCMを対象とした銘柄(ブランド)別の「CM 好感度 No.1」を発表した。1位は調査史上で過去最高の好感度スコアを獲得したau(三太郎シリーズ)だった。2位はソフトバンク、3位は健康コーポレーションのRIZAP。NTTドコモは9位にランクインしている。

2015年の銘柄別「CM 好感度 No.1」を獲得したKDDI(au)

 CM総合研究所が発表するCM好感度ランキングでは、ソフトバンクが白戸家シリーズなどで史上初となる8年連続の1位を獲得していたが、2015年は、1月から放映された三太郎シリーズの人気により、auが過去最高の好感度スコアを獲得して1位に輝いた。

 CM総合研究所が開催した授賞式には、KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏が登壇した。田中氏は受賞後の素直な感想を求められ、「ソフトバンクさんの後に紹介されるのは一番いいですね」と会場の笑いを誘い、昨年は2位で後塵を拝した悔しさが晴らされた様子。

 田中氏は、「絵コンテの状態でこれほど笑ったことはなかった。いけると確信した。結果をコミットする感じ」と、3位のRIZAPのCMキャッチコピーも織り交ぜながら、「CM 好感度 No.1」の獲得を明確な目標として取り組んできた様子も明らかにした。

 田中氏からは簡単なプレゼンテーションも行われ、「auを好きになってもらうこと」という“表の目標”と合わせて、年間の「CM 好感度 No.1」を獲得することを“裏の目標”として掲げていたと紹介。その基本戦略は、とにかくシンプルであることとし、具体的には、スライドで「笑」の一文字で表したように、とにかく面白い内容を追求したこととした。

 ちなみにCM中でも大きく扱われていた「パッカァ~ン」で流行語大賞を狙っていたとのことだったが、「リストにも乗らなかった」と、こちらは狙い通りにはならなかった様子も語られている。

 田中氏は発表会後、CMなどのブランド戦略について報道陣からの囲み取材に応じた。まず感想を求められると、「ソフトバンクが8年連続の1位だった。狙って獲りに行った賞。ここにくるまで3年かかった。年間なので、月単位で好調なだけではだめで、毎月継続して1位をとっていかないといけない。今年、正月から三太郎シリーズのティザーでスタートして、よくここまで駆け抜けてきたな、という感じ」と振り返る。

 手応えを感じはじめたのは「半年ぐらい経ってから」。シリーズは継続するのかという問いには「ここで止めるわけにはいかないでしょう(笑)。一寸法師(映像中の隠れキャラ)も、もうちょっと後までいけると思っていたのに見つかってしまった。対応こまるよねぇ」と、さまざまな仕掛けを使いながらも、基本的にはシリーズを継続していく方針。2015年のauのCMは、出稿料を前年比で減少させながら好感度を向上させた点も特徴になっているが、2016年は少し予算を増やす意向も示された。

KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏

 記者からは、「端末ラインナップもキャリアのイメージに重要」という理由で、米MozillaがFirefox OSのキャリア向けの提供を終了すると報道されている件に質問が及んだ。田中氏からは、(CMなどの戦略とは)話がズレているとして、詳しくは語られなかったが、「なんか突然来るんだもんねぇ、まいっちゃうよね」と述べていた。

太田 亮三