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“グループウェア版LINE”、「Works Mobile」サービス開始、1IDで月300円~

モバイルにも最適化、スタンプで「気持ちが伝わる」

 ワークスモバイルジャパンは、法人向けのグループウェア「Works Mobile」のサービスを開始した。親会社を同じくするLINEの兄弟会社として、メッセンジャー機能ではLINEのユーザーインターフェイスを踏襲、プリセットでLINEスタンプも用意されている。

「Works Mobile」

料金

 サービスの内容別に3つのプランが用意されている。利用料はすべてサブスクリプションで、年額、月額の2種類がそれぞれのプランに用意される。3つのプランは、いずれも無料のトライアル登録が可能。

 「ライト」プランは、1ユーザーあたり年額3600円(月300円)、または月額360円。「ベーシック」プランは1ユーザーあたり年額6000円(月500円)、または月額600円。「プレミアム」プランは1ユーザーあたり年額1万2000円(月1000円)、または月額1200円。価格はいずれも税抜。

 「ライト」プランは基本となるプランで、メッセンジャー、無料通話、ビデオ通話、アドレス帳、ホーム(グループ掲示板)、デバイス管理、監査・モニタリング、SLA保証の各機能が提供される。

 「ベーシック」プランはこれに加えて、メール、カレンダーと、Drive機能としてファイル共有(30GB)、グループフォルダ(1TB)を利用できる。「プレミアム」プランは「ベーシック」プランに加えて、トーク、メールのアーカイブ機能が追加され、メール保存容量は無制限に、ファイル共有が1TBに、グループフォルダが10TBに拡張される。

サービス

 「Works Mobile」は、LINEの使い勝手やスタンプのコミュニケーションをグループウェアに応用したもの。ITリテラシーの低いユーザーもすぐに利用できる使い慣れたUIとし、利用のための教育がほぼ不要としているほか、スタンプによるビジュアルコミュニケーションで「気持ちが伝わる」と謳う。

 iOS、Androidに対応し、1つのアプリですべての機能が提供される。パソコンではWebブラウザとトークアプリですべての機能を利用できる。スタンプは432種類がプリセットで提供され、トーク、メールで利用できる。なお、スタンプはプリセットのみで、追加の販売や、LINEで利用しているスタンプを流用することはできない。

 アドレス帳は組織の階層構造に対応したアドレス帳が用意され、通話、トークやグループトーク、スケジュールの確認が可能。複数人を会議に招待する際は、自動的に空いている時間を提示する機能も用意されている。

 企業の管理者向けの機能として、端末紛失時の遠隔データ消去といった管理機能、NGワードなどで内部からの情報漏えいを防ぐ監査・モニタリング機能、SLA保証、10年分のメールを保存するアーカイブ機能(プレミアムプラン)などを用意し、企業のさまざまなセキュリティポリシーに対応できる。企業の雇用形態の多様化に対応し、例えばアルバイトスタッフ向けに一部の機能を制限するといった利用にも対応する。

 また、サービス開始時点で145個のAPIが用意され、導入企業が独自にほかのサービスと連携させたり、販売代理のパートナー企業がほかのサービスとの連携機能を提供できる。

モバイル+スタンプをビジネスでも

 20日には都内で記者向けに発表会が開催された。ワークスモバイルジャパンは韓Works Mobileの日本法人で、韓Works Mobileは韓NAVERの子会社。Works MobileはLINEの兄弟会社ということになり、開発などでも連携を行っているという。

 登壇したワークスモバイルジャパン 代表取締役の松橋博人氏は、「Emoji」(絵文字)が世界的にホットなキーワードになっているという例を挙げながら、「カジュアルかつビジュアル的なコミュニケーションスタイルに多様化している」と市場の変化を指摘。モバイルシフトが浸透し、プライベートのSNSのメッセンジャー機能をビジネスでも利用するケースが増えているという調査結果や、正社員ではない雇用形態が増加しているといった職場の変化にも触れ、「ツールは変化、パラダイムシフトの過渡期にある。市場のリーダーとしてWorks Mobileを提供していきたい」と、モバイルに最適化済みで、なおかつ気軽に使えるグループウェアの決定版と位置づけた。

ワークスモバイルジャパン 代表取締役の松橋博人氏

 発表会では、スマートフォンとアプリを用いたデモンストレーションにも多くの時間が割かれた。登壇した同社 プロダクトマーケティング・セールスサポートチーム統括ヘッドの萩原雅裕氏は、LINEでおなじみのトークの画面や、掲示板へのコメント、アドレス帳から複数人に連絡しスケジュールを調整する機能など、さまざまな機能が、スマートフォンから簡単に利用できる様子が紹介された。

 松橋氏は、「Works Mobile」が市場にもたらすインパクトを、上長の“指示待ち”といった待機時間を減らせる「効率・スピード」、スタンプによる「感情・気持ち」のコミュニケーションの2点にあると自己分析し、「新しい時代のコミュニケーション。数年以内に、日本でのデファクトリーダーを目指す」と意気込んだ。

 なお、「Works Mobile」は日本が先行展開という形で、フィードバックを受け付ける体制を強化。今後はアジアを中心にグローバル展開も行う。

プロダクトマーケティング・セールスサポートチーム統括ヘッドの萩原雅裕氏

スマートフォンでのデモ

太田 亮三