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auがフィンテック分野に参入、「auのほけん・ローン」

セット割も提供へ

 KDDIは、4月より新たな金融サービス「auのほけん・ローン」を提供する。生命保険、損害保険、住宅ローンがラインアップされる。金融サービスとITを組み合わせた“フィンテック”分野の商品と位置付けられる。KDDIでは2016年、「auライフデザイン戦略」を掲げて、通信のほか、決済、電力、金融を取り揃えて、単身者や核家族、二世帯などさまざまな世帯に向けたサービスに取り組む。

KDDI 代表取締役執行役員専務の高橋誠氏

パートナー企業と3つのジャンルで商品

 保険サービスのうち「auの生命ほけん」は、「au定期ほけん」「au医療ほけん」など、年齢などにあわせて選択できるネット型保険。オリジナル商品ではなく、KDDIが代理店となってライフネット生命の商品を販売する。たとえば死亡保障である「au定期ほけん」は30歳男性で、保険金額が500万円(保険期間10年間)の場合、月額の保険料が740円になる。医療保険・がん保証の「au医療ほけん」は30歳男性で月1470円(入院給付金5000円、払込期間が終身)。一般的な大手生保と異なり、顧客を訪問するスタッフや店舗を抱えるのではなくネット経由での販売に特化するというライフネット生命の取り組みにより、一般的な生命保険よりも割安な価格帯で提供できるとアピールする。

 スマートフォンで免許証など、審査に必要な書類を撮影してアップロードして申し込める。保険金は書類が到着してから最短2日間で支払う。

 「auの損害ほけん」は、自転車事故、ペット、海外・国内旅行などをカバーする保険が用意される。au損害保険の商品をKDDIが代理店として提供する。たとえば自転車保険は月額370円~、ペット保険は月990円(猫、2歳)、海外旅行保険は旅行期間1日で1037円、国内旅行は1泊2日/日帰りで262円などとなる。

 「auのローン」は住宅ローンがまず用意される。こちらはじぶん銀行の代理店としてKDDIが販売するもので、内容はじぶん銀行のサービスと同じ。発表会で紹介された金利は、変動で年0.568%。もしガンと診断されるとローン残高が1/2になる。借り換えの場合、他行での審査を終えている顧客ということもあり、最短10日で審査を完了させる。

 いずれもパートナー企業の商品をKDDIが取り扱う格好で、内容は各パートナー企業の商品と同じ。

 auならではの要素として、スマートフォンやパソコンから24時間、いつでも申し込めるほか、専用のサポートセンターを用意して、ネット販売に注力する一方で、個々のユーザーのケアにも注力する。当初のサポートセンターの規模はまだ検討中とのことだが、ネット販売をしつつサポートにコストをかける背景には、たとえばネット販売の保険がいまだ2.2%という低いシェアに留まっていることがある。KDDIでは、ユーザー側の希望として、「自分自身にあった保険が欲しい」というニーズがある、と分析。専門のサポートセンターで、そうしたニーズを組み上げる。さらにauショップにも保険やローンに関する資格を持つスタッフを配属して対応していく方針。まずは直営店(新宿・名古屋・大阪・福岡)にスタッフを用意する構えで、アップルにおけるジーニアスバーのような対応をイメージしているという。

【お詫びと訂正 2016/2/18 11:59】
 記事初出時、「auの損害ほけん」で自動車保険が含まれる記述がございましたが、誤りです。お詫びして訂正いたします。

セット割も用意、詳細は後日

 auの携帯電話とセットの場合、通信料金などを割り引きするセット割、あるいは特典が用意される。

 ただし今回はその詳細が明らかにされなかった。サービスの開始にあわせて、あらためて案内される見込み。