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3月1日放送開始のデジタルラジオ「i-dio」、番組など詳細発表

 エフエム東京、BIC、VIP、東京マルチメディア放送の4社は、3月1日12時からデジタル放送「i-dio」(アイディオ)の放送が開始されるのに合わせて、番組の詳細や今後の方針を解説する発表会を開催した。

「i-dio」
音楽チャンネルの「TS ONE」
ドライバー向けの「Amanekチャンネル」
24時間の音楽チャンネル「i-dio Selection」
映像チャンネルの「i-dio Creators Ch.」
「i-dio Phone」(CP-VL5A)
「i-dio Wi-Fi Tuner」(TUVL01)

 「i-dio」は地上アナログ放送で利用していた周波数帯を使う新たな放送サービスで、V-Lowマルチメディア放送として、高音質なデジタルラジオとしての放送のほか、映像やデータの配信、災害時向けの緊急情報配信システム「V-Alert」などの特徴を備える。

 3月1日のプレ放送開始時点では、関東・甲信越、近畿、九州・沖縄の3つのエリアで放送が開始される。

 関東・甲信越では「TS ONE」「Amanekチャンネル」「i-dio Selection」(3ch)、「i-dio Creators Ch.」(映像チャンネル)の合計6チャンネルがスタートし、近畿では「KANSAIチャンネル」が、九州・沖縄では「Qリーグチャンネル」がそれぞれ加わる。

 2016年度〜2017年度にかけて東海・北陸、中国・四国、東北で、2018年度に北海道で開始され、2019年7月までに全国エリアのサービスになる見込み。

 災害時に自治体が住民に情報を配信できる「V-Alert」では、自治体への納入も進め、普段から利用できるラジオ型の端末を提供する予定。今後4〜5年で、全国の自治体の3分の1程度が導入するのが目標としている。

「TS ONE」

 TOKYO SMARTCASTの「TS ONE」は、AAC形式の320kbpsで配信される高音質な音楽チャンネルで、質の高い音楽との出会いというラジオの基本を軸に、小林克也など各ジャンルについて著名DJで番組を構成する。

 平日は朝と夕方に生放送のワイド番組を用意し、週末はビルボードのランキング番組なども放送する。スマートフォンのアプリでは番組内容と連動しデータ放送画面でさまざまな情報が表示され、楽曲のレビューはアーカイブとして確認することもできる。楽曲の購入や掲示板でのコミュニケーションも可能になっている。

 「TS ONE」では、クーポンなどを含めたフル機能を楽しめるアプリを5月に提供する予定。6月1日には開局イベントを開催する。

TOKYO SMARTCAST 編成制作部長の砂井博文氏

Amanekチャンネル

 アマネク・テレマティクスデザインの「Amanekチャンネル」は、(車の)ドライバー専門放送として企画されているチャンネル。運転中に聴くことを前提にした選曲で番組を構成し、15分後の天気予報や渋滞情報も提供する。

 自動車の場所を判別したエリア別の情報については、自動音声読み上げ機能を駆使して情報提供も行う。ゲリラ豪雨などの緊急の情報、付近のガソリンスタンドで利用できるクーポン、観光などの情報が配信されて読み上げられ、車載のタブレットやスマートフォンのアプリ画面をタップすることで利用できる。

 アマネク・テレマティクスデザインでは、フィルムアンテナをフロントガラスに貼るタイプの車載用チューナーを4月に発売する予定。

 3月中はプレ放送としてサービス内容の紹介番組が放送され2時間の生放送を予定。4〜6月は平日と週末に分けた番組構成で放送され生放送も拡大する。グランドオープンは7月1日を予定し、タイムテーブルは後日発表される。

アマネク・テレマティクスデザイン CMOの庄司明弘氏

「i-dio Music Selection」「i-dio Creators Ch.」

 東京マルチメディア放送が手掛けるのが「i-dio Music Selection」と「i-dio Creators Ch.」。

 「i-dio Music Selection」は24時間ノンストップで音楽を放送するチャンネルで、ジャズ、クラシック、マスターピースの3チャンネルで構成される。

 「i-dio Creators Ch.」は映像チャンネルで、「秘密結社 鷹の爪DO」「MINE TV presents キレイをつくるビューティーチャンネル」、声優・アイドルやゲーム実況者がレトロゲームに挑戦する「NC2Lab presents ひよこGAMES」が用意されている。

「進化する放送」

東京マルチメディア放送 代表取締役社長の藤勝之氏

 2月29日に開催された説明会に登壇した東京マルチメディア放送 代表取締役社長の藤勝之氏は、「i-dio」の特徴として、多チャンネル、高音質、パケット料不要で無料、という点を挙げる。モニター向けに提供した非売品のスマートフォン向けチューナー「i-dio Wi-Fi Tuner」は、Android向けの対応アプリが2月29日から、iOS版は3月上旬から配信される予定。チューナーは当初5万台がモニター向けに提供される予定だったが、応募が5万件を上回ったとのことで、増産され合計10万台が提供される。この10万台は返却義務のない無償貸与。

 すでに2015年12月から販売されている「i-dio」対応スマートフォン「i-dio Phone」(CP-VL5A)は、3月1日から「i-dio」の放送を受信できるようになる。同端末はコヴィア製Androidスマートフォンで、2万9800円。

 藤氏によれば、スマートフォンは「売れていない。i-dioって何ですか? と聞かれて店員が分かりませんと答えている(笑)」とのことだが、3月後半からは放送開始のアピールを含めて、このスマートフォンが一部の量販店で特別推奨機器として販売される見通しであることも明らかにされている。

今後の予定

 今後の方針については、3月から音声チャンネルを中心に放送を開始し、高音質などの特徴をアピールしていくのが第1期で、6月以降はフルサービスを開始する第2期、10月以降は新たなコンテンツプロバイダーの参入を予定する第3期としている。

 5月をめどに「radiko」のようなIPサイマル放送をスタートする予定で、音質なども本放送と同じになる見込み。8月以降はハイレゾ級と謳う96kHzの高音質配信も開始する。

 PR戦略については、藤氏は「ラジオっぽい演出。コアで音楽を楽しむ方に訴えていきたい」と基本方針を語り、「ある意味競合だが、FMラジオでも紹介していく。書店で対面で紹介したり、デジタルサイネージでの宣伝も考えている。体験した人がインフルエンサーになってほしい。クリエイターズチャンネルのファン層にも広げてもらいたい」(藤氏)と、まずは音楽ファンを中心に広げていく考えを示している。

 「i-dio」は、音声放送だけにとらわれず、さまざまなクーポンやコンテンツなどの配信にも対応しており、これを「進化する放送」と位置づける。一般ユーザー向けの放送のほかに、企業が自社向けのIoT向け制御データを同報配信するといったことにも利用できるとし、「特定受信のニーズを解決するサービスを開発していく」(藤氏)という方針も明らかにされていている。

(太田 亮三)