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新放送サービス「i-dio」、使用レポート

 V-Low帯を使うマルチメディア放送「i-dio」(アイディオ)が3月1日正午からスタートした。高音質なデジタルラジオを主軸に全国展開を図る新放送サービスで、3月1日時点では「プレ放送開始」という位置づけ(ニュース記事)。対応機器で実際に視聴してみた。

エリア

 視聴できるエリアは3月のプレ放送開始時点で「関東・甲信越」「近畿」「九州・沖縄」の3つのエリアで、具体的には東京近郊、大阪、福岡の3地域。エリアの展開イメージは「i-dio」のWebサイトで公開されている。2017年度に東海・北陸、中国・四国、東北エリアに拡大し、2018年度に北海道エリアが追加される見込み。2019年7月までに全国エリアでの展開を予定する。

視聴できる機器

 視聴に必要な機器は、現在のところ、チューナーを内蔵したAndroidスマートフォンの「i-dio Phone」(CP-VL5A)か、Wi-Fiで接続するチューナー「i-dio Wi-Fi Tuner」(TUVL01)の2種類。

 「i-dio Phone」は家電量販店やAmazon.co.jpで販売されている。「i-dio Wi-Fi Tuner」はモニター募集により、応募者に無償で貸与されている。モニターの応募は5万名は超えたとしており、3月1日からはプレ放送開始地域である東京、大阪、福岡を対象に3万名が4月末まで追加募集されている。今後さらに2万名が追加募集され、合計で10万台の「i-dio Wi-Fi Tuner」が提供される予定。

 4月には車載用でフィルムアンテナを採用したスマートフォン用チューナーも発売される予定になっている。

 なお、通信網を利用するIPサイマル放送が5月をめどに開始される予定。8月には、現在の320kbpsよりさらに音声品質を高めハイレゾ級と謳う「HD Sound」対応の放送も開始する。

「i-dio Phone」(CP-VL5A)とAndroid版アプリ
「i-dio Wi-Fi Tuner」はアプリ(Android、iOS)から接続できる

視聴アプリ

 既存の機器はいずれもスマートフォンのプラットフォームを利用して視聴する形。視聴に必要な「i-dio」アプリはプレ放送開始に合わせてAndroid版の提供が開始されており、3月1日にアプリがアップデートされ実際に視聴できるようになった。

 iOS版はAppStoreの審査の都合で3月上旬に配信される予定になっている。なお、ドライバー向けチャンネルの「Amanekチャンネル」については情報をクリップするなどの別アプリが用意されている。

「i-dio Wi-Fi Tuner」とアプリ、利用の流れ

 以下では「i-dio Wi-Fi Tuner」とAndroidスマートフォンでアプリを利用して視聴する流れを紹介する。

 「i-dio Wi-Fi Tuner」はバッテリーを内蔵しており、microUSB(5V 0.5A)で充電しておく。連続駆動時間は6時間、充電に必要な時間も6時間となっている。

 一般的なAndroidスマートフォンでは、Google Playで「i-dio」アプリをダウンロード可能。インストールしアプリを起動すると、生年や視聴地域など簡単な利用登録の画面が表示され、規約に同意するとアプリの利用を開始できる。

 「i-dio Wi-Fi Tuner」は、電源ボタンを短く1回押すことで、Android向けのWi-Fi Direct接続モードで起動する。Android版アプリは起動するとWi-Fi Direct接続機器を選択する画面になり、表示された「i-dio Wi-Fi Tuner」を選択することでWi-Fi Directでの接続を開始する。接続が成功すると「TS ONE」「Amanekチャンネル」などのチャンネル選択画面になる。

 チャンネルを選択すると選局を開始し、しばらくすると、「選局中」のダイアログが表示されている最中でも音楽が聞こえ始める。

 選局が終わると、続けてアプリに表示するデータも放送波を通じて取得する。こちらは「コンテンツ受信中」と表示される。コンテンツの受信は視聴に必須ではなく、キャンセルしても音楽などの視聴を継続できる。

 視聴中、アプリ上側の帯を左右にスクロールしてチャンネルを変更可能。ボリュームや機器の電波状況も確認できる。アプリ下側ではタイムテーブルに表示を切り替えるタブが用意されている。

 3月のプレ放送開始時点で唯一の映像チャンネルとなっている「i-dio Creators Ch.」でも視聴の手順は上記と同じで、こちらは「コンテンツ受信中」のダイアログが完了すると画面に映像が表示される。映像を配信するとあって、ほかの音楽チャンネルと比べると、音声の帯域(品質)は絞られている。

ラジオのイメージからはかけ離れた高音質、アプリの改善に期待

 デジタルラジオ放送ということもあり、電波を受信できれば高品質な音で楽しめる。文章では伝わりづらいが、普段の利用においては、高音質な放送であることが価値のコアになっていると感じられた。

 東京・千代田区のオフィスビルの中で、3本の電波表示で1本のみ立っているという環境でも、受信・視聴できた。「i-dio Wi-Fi Tuner」なら、チューナーだけを窓に近い場所に置いて電波状況を安定させつつ、手元のスマートフォンで音楽を楽しむことができる。

 3月1日の「プレ放送」開始時点では、Android版アプリの仕様はごく基本的なものにとどまっており、まずは「視聴できること」に主眼をおいて開発されているという印象。現在配信されているコンテンツ(データ)は本放送並みには揃っていないと思われるが、今後は、現在放送中の楽曲名の表示、帯域など音声品質の表示、受信するコンテンツの軽量化、アプリや機器のWi-Fi接続の安定性、スマートフォンがWi-Fiでインターネットにアクセスした際の安定性などの部分でアップデートや改善が期待される。

(太田 亮三)