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「MUSASHI」投入を発表したプラスワン増田社長、一問一答

 プラスワン・マーケティングは9日、表裏2画面の折りたたみ型スマホ「MUSASHI」の発売などを発表した。プレゼンテーションを行った代表取締役の増田薫氏が、報道関係者の囲み取材に応えた。

MUSASHIについて

――MUSASHIが狙う商戦期は?

増田氏
 コンセプトが立っている製品なので、「この時期だから売れる」というものではないと思う。

――長期で見ていくのか。

増田氏
 一部では日本からフィーチャーフォンがなくなるのでは、と報じられることがある。親世代に使い勝手のいい製品は必要じゃないかと思って作ったもの。たとえば「父の日」みたいなタイミングで購入していただけると嬉しいが、基本的に年間を通じてだと思う。

――MUSASHIの販売目標は?

増田氏
 「むさし」だから634台か……と考えたが、少ないですよね(笑)。ある程度まで行けば発表します。Priori 2発売時とは、数倍じゃきかないほど出荷する。正しく(ターゲット層へ)リーチできれば、非常に面白い台数になるんじゃないか。

――Priori 2は10万台超えたと発表があったが、それ以降、10万台を超えたものはあるのか。

増田氏
 あります。初代Prioriを出したころは1万台くらいだったが、この12月〜1月だけで日本向けだけで30万台を超えている。

――海外向けを含めると四半期で100万台とか。

増田氏
 がんばりたいですね。あの……(なにか言いたげにして)いや、やっぱりやめておきましょう(笑)。でも、日本で生まれ、育った身としてはもっと日本メーカーにがんばって欲しい。こんなんなっちゃうの、って思いません? 自分で家電を買うのって、中学生〜高校生のころだと思いますが、その当時のシャープ、ソニーなどがあって……そこからまだ20年、30年でこんなんなっちゃうの、って。絶対イヤなんですよね。日本で、世界で徹底的に戦って行きたい。

――MUSASHIの開発は大変だったのか。

増田氏
 大変でした(笑)。物理キーがあるものは難しい。特に今回はヒンジもある。かなり苦労には苦労したと思うが、良い製品に仕上がった。親にも使ってもらったが、うちの4歳の子とは、電話だけではなかなか会話が繋がらないが、Skype(のビデオチャット)をやると、こうやって話ができるんだ、と。使い方は今まで通りで、年配の方も喜んでもらえていると思う。

サポート体制

――MUSASHIの発売にあわせて、サポート体制はどうなるのか。

増田氏
 かつて在籍した会社の経験を踏まえて、社内メンバーでサポートすることにこだわっている。当社の入居するオフィスも、先週、同じビルの違うフロアに引っ越して、4倍の広さになった。これで、3月時点で、サポート人員は倍増した。4月以降も売れ行きに会わせて改善する。

――社外への委託は?

増田氏
 SIMの契約であれば、それはあり得る。しかし(MUSASHIでは)言葉でサポートする面では外部に出したくない。メーカー在籍時には板挟みになる経験をした。外部に委託すると、決まり切った言葉しか出せないこともある。社内のスタッフで対応すれば、「ではこうしよう」とすぐ決定できる。それはすごく大きいと思う。

――電話が繋がりにくいという声もあったようだが、スタッフ倍増で改善されるのか。

増田氏
 平均すると(繋がりやすさは)いいんですよ。たとえば、3月1日〜2日頃は、月初に加入者が増えるタイミングと、キャンペーンの終了が重なって、問い合わせがパンク状態になった。でも過去在籍したメーカーと比べると、平均値でもダントツで接続率は高い。「売りっぱなしか」と思われるようなメーカーにはなりたくない。意地でもやっていきます。

――たとえばSIMのサービスでは、解約の手続きをWebでできない、といったことがあったと思うが。

増田氏
 いま、ものすごい楽にしました。以前は(紙の書類を)送ってくださいという形でしたが、楽にしました。

――サポート面で、どれくらいの資金を投じる予定か。

増田氏
 うちの1/3のリソースは契約系(のサポートスタッフ)。日本で一番売れるようになった、とお伝えしているが、(プラスワンの社員)トータルで200名ほどいるが、営業は5人程度。一般にベンチャーは営業スタッフを多く抱えるが、それは嫌。製品を良くして、サポートをしっかりして足回りをしっかりしないとアクセルは踏めない。サポートのほか、製品作りのところは人員を拡大している。

0円スタートプランについて

――実質0円の廃止が総務省から提唱される中で、今回の0円スタートは挑戦か。

増田氏
 挑戦というわけではない。会社も個人も、キャッシュフローがある。欲しいものがあるけどお小遣いが足りないという状況があるじゃないですか。そういうときに、0円で分割で、というニーズはあると思う。そこに応えようと思っただけ。

――0円スタートプランは、大手キャリアのように審査した上で承諾する形か。それとも単にクレジットカードに課金するという形か。

プラスワン担当者
 普通のクレジットカードです。本人確認は行う。

――割賦契約になるのか。

プラスワン担当者
 当社のほうで審査というほどのことはないか、支払っていただけるかどうか、クレジットの決済を通ったもの、ということになる。

――大手キャリアでは銀行振込もある。単独で割賦払いの審査をして、だめならクレジット払いとなるのか。

プラスワン担当者
 そういう意味ではクレジットカード払い限定になる。

――ではリース形式ではない?

プラスワン担当者
 リースではありません。

メッセンジャーアプリの無料化

―― 一部アプリの通信量を無料にする、という行為は、たとえば米国ではネットワークの公平性、中立性といった議論の対象になることがある。どう思うか。

増田氏
 メッセージの中身を見るとなればさすがに問題だが、どのアプリを使っているか識別して、課金の対象から外さしているだけ。海外の話とは違うと思う。

――何分くらいメッセージアプリを使っているか、マーケティングデータとして販売するのではないか、という懸念があるのでは?

増田氏
 いや、さすがにそれはないです。ユーザーさんにメリットがなく、僕らも信頼を失うだけ。やる意味がないです。

――メッセージアプリの通信量無料化は、具体的にユーザーにはどれくらいのメリットがあるのか。

増田氏
 年齢層など人によって違うが、だいたい1GBくらい。

プラスワン担当者
 多い方は数GBです。

増田氏
 写真とかバンバン送るじゃないですか。うちの妻もそうですが、やたら写真を送ってくるとドバーっといきますよね。

――そうなると売上への影響は?

増田氏
 タダにしますよ、ということですから、そこだけを見ると、その分、利益面では下がる。しかしちゃんとマーケットを作りたい。山に行く人には、山に行く装備を売る店があるように、単なる量り売りではなく、ニーズに合ったものを提供できるチャンスは我々にはある。だから提供したいんですよね。単なる格安スマホ、格安SIMという枠を超えて、ニーズにあったものを利用できるようになる、というのが正しいと思う。そこを目指していきます。

――メッセージアプリの対象は拡大するのか。たとえばTwitterとか。

増田氏
 勉強になります。これで終わりではない。第3弾、第4弾とか、拡充していきたい。これは一歩。

――対象サービスになる側にとってはかなりウェルカムですよね。そういう事業者からお金をとれないか。そういうビジネスは考えていないのか。

増田氏
 ぜひちょっと交渉をしていただきたい(笑)。今はまだ考えていない。アイデアいただいて「そうか!」と思ったけれども、今は利用頻度が高いところをより使いやすくすることで、「こういうサービスがあるのか」「ライフスタイルにあうな」と気付いて欲しい。アプリ側から「うちを強く推したいから、無料にして」ということであれば、ビジネスとして喜んで話を聞く。

――メッセージアプリの無料対象はビデオチャットも含まれるのか。

プラスワン担当者
 動画は対象外です。

増田氏
 さすがに動画を含めると、かなりのデータ量になる。もしやったら苦しくなる(笑)。そのあたりも利用状況を見ながら、考えていきたい。

――毎年春になると、大手キャリアは接続料の見直しを行う。今回の取り組みはそのあたりを見越したものか。

増田氏
 まったくそれは考えていない。

プラスワン担当者
 (接続料が)下がれば嬉しいですが。

増田氏
 政府も言うように、海外と同じようになっていくと思う。20年ほど前では、携帯電話は20万円ほどしていた。でも今はみんな持っていて、IDに近い。クレジットカード、パスポート、携帯電話があればなんとか生活できる。総務省からは4人家族で平均年収の10%が通信に消えているという話があって、それはおかしいなと思う。海外ではもっと安く提供しているところがある。売場も含めて安く提供できるチャンスが我々にはある。もっとやっていきたい。

通話サービス

――通話サービスは数量限定か。

増田氏
 ひとつはFREETELユーザー限定のサービスであること。それからパッケージで提供するもので、それが10万限定です。増産ももちろん考えている。ダウンロード型のほうがいい、ということであれば検討する。まずは無料通話というものがあるんだ、ということを知っていただきたくパッケージにした。

FREETELブランドの拡がりについて

――最近のSIM市場として、FREETELの状況は?

増田氏
 ポストペイもプリペイドも好調です。半年前であれば、FREETELのことを知らない方はたくさんいましたが、ビッグカメラさん、ヨドバシカメラさんで販売していただいて、SAMURIシリーズも投入して、今、認知度が上がってきているところだと思う。ずっと伸びているという状況です。

――売れ筋はSAMURAIシリーズか。

増田氏
 そうです。ランキング調査を見ると、MIYABIやKIWAMIなど3〜4製品がランクインしている。数量的には等しい感じだが、一番売れているのはMIYABIだと思う。

――SIMサービスの契約数は?

増田氏
 (小声で)たくさんです……。

――調査データでは上位の企業名は明らかにされる。そこにいつFREETELが登場するのか。

増田氏
 結構近いうちに出てくるのではないか。

――では二桁の万には……。

増田氏
 思うんですけど、日本は1億5000万契約に達しているなかで、2%程度シェアとMVNOはまだまだ。10万、20万では大台と言えない感覚。

――ユーザーからすると安心感に繋がる実績では?

増田氏
 なるほど。となると両面だと思う。契約者数と、販売シェアと。発表できるタイミングでどんどん出していきましょうか。わかりました。

――1〜3月を振り返ると、イオンが数多くのプランを出したり、So-netが0円で運用できるとうたうSIMカードを提供しはじめました。競合他社の動きをどう見ているのか。

増田氏
 いろんなのが出てきて盛り上がっていいと思う。軽視しているという意味ではなく、他社の動きはあまり見ていない。というのも、うちはSIM、端末、アプリを手がけており、他社とコンセプトが違う。ハードウェアは日本だけじゃなくて世界も見ている。他社の動きを見ていても、そもそもコンセプトが違うので、そこに対抗策というのはあまりない。

(関口 聖)