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Facetimeできる黒電話、クラウド動画を再生できるビデオデッキ――ソフトバンクが作ってみた

 ソフトバンクは、「Personal Innovation Act」の取り組みとして、黒電話やビデオデッキを進化させたユニークなデバイスが登場するウェブムービー「Analog Innovation」を公開した。

 ムービーの主人公は沖縄・多良間島に暮らす「おばあ」と大阪に住む孫たち。黒電話でFaceTimeできる「スマート黒電話」や孫が撮影した動画を再生するビデオデッキ「クラウドVHS」など、スマートフォンのようにコミュニケーションができるように進化したアナログデバイスを通じて、離れた場所に住む孫との交流が描かれる。

Personal Innovation Act “Analog Innovation”

 ソフトバンクでは、スマートフォンの世界を疑似体験してもらう試みを通して、スマートフォンの素晴らしさを伝える目的で今回の動画を制作したという。

 動画に登場するデバイスは、動画専用に作られたオリジナルのもので、市販される予定はない。ムービーに登場するデバイスを見ていこう。

スマート黒電話

 一見するとただの黒電話な「スマート黒電話」。実はiPhoneと接続されており、FaceTimeのビデオチャットで孫と話すことができる。

 黒電話の着信で受話器を取ると、相手がテレビに映し出され、音声は受話器から流れる。受話器を置くと通話終了と、黒電話の操作感そのままだ。黒電話のダイヤルを回してFaceTimeメッセージを発信することもできる。

クラウドVHS

 遠く離れた孫の動画を見られるビデオデッキ。まず、スマホで撮影した動画をアプリでクラウドにアップロードする。すると、おばあの家に設置されたプリンターに、QRコードがついたVHSのラベルが印刷される。

 そのラベルをVHSに貼ってデッキに入れると、デッキ内でQRコードを読み取って、アップロードした動画が再生される。ビデオデッキの操作で、クラウド上の動画を再生できる。普段の操作と同じように、早送りや巻き戻しも可能。

掛け軸メール

 孫がiPadで文字や絵を描くと、その文字がおばあの家の掛け軸に現れる。

 掛け軸の裏に装置が設置されており、受信したメッセージをレーザーで感熱紙に印字しているという仕組み。

リモート身長柱

 子どもの成長を柱に刻みつける「身長柱」。「リモート身長柱」は、離れた場所に暮らす孫の身長をおばあの家の柱に刻む装置だ。

 専用アプリではカメラ機能を使い、孫の身長を計測して送信する。おばあの家に設置された専用の機械では、受信したデータを元にカッターデバイスが名前や日付を刻みつける。

SNS新聞

 SNSの投稿を、新聞としてポストに投函する装置。アプリでFacebookの投稿を選ぶと、新聞のレイアウトとなって、おばあの家に送信できる。

 おばあの家のポストに取り付けられたプリンターがデータを受信し、印刷する。新聞を受け取る感覚で、家族の話題を知ることができる。なお、24日に実施されたメディア向けのデモンストレーション時には、プリンターは設置されていなかった。

影遊びオンライン

 沖縄のおばあと大阪の孫がインターネットを通じて、影あそびを楽しめる。それぞれの部屋のベッドライトが消灯すると装置が起動。照明の光で障子に作った影絵が相手側に投影される。

 実は障子の裏側では、iPhoneが影絵を撮影して、相手側のアプリに送信している。ベッドライトに設置されたプロジェクターでそれを映し出しているという仕掛けだ。

石井 徹