App Annie月間アプリランキング

2015年9月:IP活用アプリが躍進

 9月はiPhone 6sの発売や、Androidの新OS“Marshmallow”が発表され、ますますモバイルデバイスの進化は続いています。アプリ市場も成長が止まることはなく、新作がどんどんリリースされていますが、その分変化が激しく、特に中長期トレンドの分析は簡単ではありません。世界中のアプリ市場データと分析ツールを提供するApp Annie(アップアニー)のデータを用いて、2015年9月の人気アプリを分析してみましょう。

ゲームアプリの月間ランキング(2015年9月・国内)

ゲームアプリのダウンロード数&売上ランキング

 まず、日本国内におけるゲームアプリのランキングから見てみましょう。前月のランキングと比較すると、収益ランキング(右)には大きな変化はありませんが、ダウンロード数(左)の方は内容が大きく変わっていることがわかります。前月から引き続きランクインしたタイトルは4位の「ディズニー ツムツム」と10位の「モンスターストライク」だけであり、ゲームアプリ市場の競争の激しさが伝わります。

 新しくDL数ランキングに入ったアプリの中で特に目立つのは「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」ではないでしょうか。こちらのアプリはGoogle Playで2015年9月2日、iOSでは2015年9月10日にリリースされたばかりであるにもかかわらず、DL数で1位、収益でも5位に入っています。収益ランキングはダウンロード数と比較して固定されがちですが、「Fate/Grand Order」と共にリリース直後にランクインしていることは、異例と言えるでしょう。

 これらのアプリは、IP(知的財産:映画やアニメ、コミックのキャラクター等)をアプリと融合させることで、ゲームアプリに新たな魅力を加えることに成功しました。今月のダウンロード数ランキングに入った「KINGDOM HEARTS Unchained χ」「ポケとる」なども人気アニメのキャラクターがゲーム内に登場しており、IP活用がアプリ戦略において重要であることがわかります。

一般アプリ(ゲームを除く)の月間ランキング(2015年9月・国内)

一般アプリ(ゲームを除く)ダウンロード数&売上ランキング

 続いては、日本国内における一般アプリ(ゲームを除く)の月間ランキングです。8月の一般アプリ編のダウンロード数ランキングは7月から大きな変動が見られませんでしたが、今月は多くのアプリが入れ替わっているようです。一番大きく順位を上げたのが3位の「GYAO」で、前月から28もランクが上昇しています。本アプリのリリース自体はiOSが2008年、Google Playが2011年であり、昨年の時点でダウンロード数が1000万を突破するなど、すでに多くのユーザーを獲得していましたが、9月に行われた人気アニメ『エヴェンゲリオン』の無料配信や、人気アーティストのライブ生配信等のキャンペーンが新規ユーザーを呼び込んだのではないでしょうか。

 さて、冒頭で触れたAppleのイベントでは、新しいApple TVがApp Storeに対応することも発表され、日常生活におけるアプリの存在感は強まってきています。ゲームだけでなく、音楽や動画ストリーミングアプリも人気を増しており、アプリ市場の動向から目が離せません。10月のランキングもお楽しみに!

データ提供:App Annie Index(無料)