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損しないためのケータイ料金再入門

第3回:フルブラウザやパソコン接続のコスト


 「フルブラウザ」「PCサイトビューアー」「PCサイトブラウザ」と呼び方はさまざまだが、今ではほぼすべてのケータイに、パソコンサイトを閲覧するためのブラウザが搭載されている。以前は青天井で課金されていたが、2005年にはauが定額制を開始し、ほか2社もこの動きに追随した。また、ドコモとauは、フルブラウザとは別に、パソコンなどをネットに接続した際の料金も定額化している。このように、ケータイ回線でパソコン用サイトを閲覧するための手段は多様化したが、接続先によって料金体系が異なるため、目的と費用のバランスを考えることが重要だ。そこで、今回は、“パソコンサイトを見るための料金”をテーマに、それぞれのプランの特徴を整理した。

ドコモの「パケ・ホーダイ ダブル」はシンプルな3段階定額

 ドコモのパソコンサイト用ブラウザはフルブラウザと呼ばれる。定額制は「パケ・ホーダイ フル」と「パケ・ホーダイ ダブル」の2種類で、5985円で一定額の前者はすでに新規受付を終了している状況だ。そこで、今回は後者のみを対象にした。「パケ・ホーダイ ダブル」を契約すると、「フルブラウザ」利用時の上限は5985円となる。月末時点でiモードの通信とフルブラウザの通信を、それぞれ1パケットあたり0.084円で計算し、上乗せしていく。あらかじめ述べておくと、5985円という金額や計算方法は、au、ソフトバンクも同じだ。

 例えば、iモードで10万パケット、フルブラウザで5万パケットだった場合、前者はまず4410円として計算され、後者の4200円がそこに加わる。この試算だと、合計金額は8610円になるが、定額が適用され料金は5985円に収まる。仮にiモードで上限を大きく超える40万パケットを使っていても、フルブラウザが1000パケットであれば、「4410円+84円」で済む。パケット数を合算して計算するのではなく、それぞれの金額を出して足し合わせるという仕組みだからだ。反対に、iモードが上限に満たない2万パケットで、フルブラウザが8万パケットだとすると、前者は1600円だが、後者は6400円で、合計は5985円になる。

 iモードを上限いっぱいまで使っていると、フルブラウザはわずか1万8750パケットで上限に達してしまうが、逆にiモードをまったく使わなければ、フルブラウザが上限に達するのは7万1250パケットになるという見方もできる。

 7万1250パケットは約8.7MB。本誌のトップページがおよそ500KBのため、iモードをまったく使っていなくても、17〜8回アクセスすると5985円かかる。Googleのトップページのようにシンプルなサイトだと200回程度。iモードをそれなりに使っていると、すぐにフルブラウザも天井に張り付くだろう。この辺りの“感覚”をつかんでおけば、上限に届かないよう節約しながらフルブラウザを利用できそうだ。

 さらに、パソコンなどのデバイスを接続して通信を行うと、この上限が1万3650円になる。計算方法は少々複雑で、5985円まで1パケット0.084円、それを超えると単価が0.021円に下がる。こちらも、料金はiモード、フルブラウザに上乗せされる形だ。

 一方で、ドコモにはデータ通信専用の「定額データプラン」があり、バリューコースと「定額データ スタンダード割」を組み合わせると、料金は1000〜5985円。単純に「パケ・ホーダイ ダブル」でiモードだけしか使わないケータイを併用するケースを考えても、パケット代は最大1万395円。結果、ケータイとパソコンそれぞれでかなりの量、通信をするというユーザーは、2回線契約した方が安くなる。ただ、両者はパケット単価が異なる。損益分岐点は以下のグラフのように数カ所あるが、最終的には28万1300パケットで2回線持ちの方が安くなることが分かる。そこから、iモードに使った分の5万2500パケットを引いても、パソコンだけで約23万パケット以上使わなければ、料金は逆転しない。パソコンでの通信はそこそこでOKというユーザーなら、1回線契約でもよさそうだ。

 また、これにスマートフォンを加えた“3回線持ち”を想定すると状況は変わり、1回線で1万3650円という金額が、かなり安価に感じられる。

「パケット割WINミドル/スーパー」が意外とおトクなau

 auは「ダブル定額」「ダブル定額ライト」「ダブル定額スーパーライト」を用意している。それぞれ1パケットあたりの単価が0.0525円、0.084円、0.105円と異なるが、PCサイトビューアー利用時の上限は、どれも5985円だ。また、パソコンなどを接続すると、1万3650円になる。料金はドコモ同様、EZwebとPCサイトビューアーが別々に計算される仕組み。当然、フルブラウザを多用する場合は、単価の安いプランの方が有利と言える。

 また、PCサイトビューアーでは、「パケット割WINミドル」が、パソコン接続時には「パケット割WINスーパー」が活きてくる。前者は月額4200円でパケット単価が0.02625円。後者は、月額7875円でパケット単価は0.01575円となる。両者とも、「ダブル定額」などと同じパケット定額制で、EZwebやメールだけなら4410円、フルブラウザ利用時は5985円、パソコン接続時は1万3650円と、上限が設けられている。

 連載の第1回では複雑になるのを避けるために(そして差が最大210円とほとんどなく、利用シーンも限定されるため)、あえて比較の対象としなかったが、EZwebやメールだけしか使わない場合、8万〜16万8000パケットの間は、「パケット割WINミドル」がもっとも安い。とは言え、「ダブル定額」と「パケット割WINミドル」の差が顕著なのは、やはりPCサイトビューアー利用時。「パケット割WINミドル」は、22万8000パケットでようやく上限の5958円に達する。グラフで比較すると以下のとおりだ。

 パソコン接続時は「パケット割WINスーパー」で料金を節約したい。パケット単価は0.01575円と非常にリーズナブル。定額料が7875円と高く、敷居は高いがそれなりの価値はある。上限の1万3650円に達するパケット数は86万6667。105MBで天井に届くというわけだ。

 ただし、auの場合も、上限まで思いっきり利用するなら、結果としてケータイとデータ通信カードを2回線契約した方が安上がり。11月1日からは、2年の継続契約でデータ通信カードの料金が割り引かれる「誰でも割シングル」が提供される。また、同一名義で2回線契約すると「WINシングルセット割」も利用でき、こちらには縛りがない。11月1日からは、「誰でも割シングル」に合わせる形で料金も下げられ、シンプルコースを利用すると、月額1680円から5460円となる。

 もし、「ダブル定額」と「誰でも割シングル」を適用した「WINシングル定額」の両方が上限に達したと仮定しても、料金は9870円だ。ただし、パケット単価が0.0525円とやや高めで、すぐに金額が跳ね上がるという欠点もある。利用量によっては「パケット割WINスーパー」でパソコン接続した方が安くなることもあるので、以下のグラフを参照していただきたい。なお、比較を見やすくするため、ケータイのダブル定額は上限ピッタリまで使ったことにして、変数を減らしている。

ソフトバンクの「パケットし放題」はパソコン接続NG

 ソフトバンクの「パケットし放題」も、金額や適用条件はドコモやauと同じだ。PCサイトブラウザでの上限は5985円で、パケット単価は0.084円。パケット数ではなく料金が足し合わされ、Yahoo!ケータイを10万パケット、PCサイトブラウザを1000パケットという条件なら、金額は「4410円+84円」になる。また、パケット単価はそれぞれ異なるが、「パケットし放題S」や、オレンジプランの「パケット定額」も仕組みは変わらない。ただし、ブループランの「パケット定額」のみ、ドコモの旧「パケ・ホーダイ」をコピーしたものがそのまま残っているため、PCサイトブラウザは青天井の課金となる。

 一方、ドコモやauとは異なり、ケータイをパソコンなどと接続してデータ通信を行うと、定額制が適用されない。「パケットし放題」だと、1パケットあたり0.084円が加算されるので、もし利用するなら通信量には十分注意すべきだ。イー・モバイルの回線を使ったMVNOとして、データカードによるパソコン向けの定額制が用意しているので、ソフトバンクでパソコンをネットに接続したいという場合は、そちらを契約しよう。ただし、MVNOの仕組み上、エリアや通信速度はあくまでイー・モバイルと同等になる点は理解しておきたい。

 もちろん、ここに挙げた“組み合わせ”がすべてではない。特にパソコン接続は、複数回線持ちの方が安くなるケースもあり、別々のキャリアを契約するという選択肢も考えられる。上記の例を参考に、各自がベストな方法を模索してほしい。また、ケータイの回線でパソコンサイトを見る方法は、ほかにもある。例えば、アプリを使ったフルブラウザがそれだ。普及の兆しを見せつつあるスマートフォンや、サイトをケータイ向けに変換するサイトも1つの解と言える。節約につながるこれらの手段や料金は、回を改めて紹介していきたい。

(石野 純也)

2009/10/30 14:32


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