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損しないためのケータイ料金再入門

第6回:“メール無料”のプランを検証する


 KDDIが冬春モデルと同時に発表した「ガンガンメール」は、他社へ一気に波及した。今では、ドコモやソフトバンクも、メール無料プランを実施中だ。無料通話が含まれなかったり、パケット定額制がセットになっていたりと、各社のプランには共通点も多い。では、このメール無料プランは、どのようなユーザーに向いているのか。3社の施策を検証した。

ライトユーザーにお得なauの「ガンガンメール」

 KDDIが11月9日に開始した「ガンガンメール」は、「プランE(シンプル)」とEZwebに接続するための「EZ WINコース」を契約すると、メールの送受信が24時間365日無料になる。端末の初期費用が高い「シンプルコース」と、2年契約の「誰でも割」を組み合わせると、基本使用料はわずか780円。国際ローミング中や、Cメール、au oneメールなどのWebメールを除き、ケータイ本体から送受信するメールには一切料金がかからなくなる。添付ファイル付きのメールも無料の範囲に含まれ、端末によっては最大2MBまで扱うことが可能だ。

 また、プランEは1パケットあたり0.105円で課金され、上限は4410円に設定されている。PCサイトビューアー利用時は5985円、対応端末でPCやPDAなどにつないだ場合は、最大1万3650円が上限だ。基本使用料とパケット定額制がセットになったプランだと考えれば、分かりやすいだろう。従来のプランとは異なり、無料通話などは一切存在しない。通話料は30秒あたり21円である。パケットに関しても同様で、無料通信分は含まれない。使ったパケット量に0.105円をかけた分だけが、そのまま上乗せされる形だ。ちなみに、1パケットあたり0.105円という金額設定は「ダブル定額スーパーライト」と同じで、4万2000パケットで上限に達することになる。

 仮に、パケットを月に30万程度使い、その内メールは1割と仮定して、誰でも割適用後の「プランSSシンプル+ダブル定額」の組み合わせとガンガンメールを比べると、違いは以下のようになる。

  プランSSシンプル+ダブル定額 プランEシンプル
基本使用料 980円 780円
EZ WINコース 315円 315円
パケット使用料 4410円
(30万パケット分)
4410円
(27万パケット分)
合計 5705円 5505円

 当然だが、基本使用料が200円安い分がそのまま合計金額にも反映されている。ただ、プランSSシンプルには1050円の無料通話がセットになっており、最大25分の通話が可能。ガンガンメールで5分話しただけで料金は逆転してしまう。

  プランSSシンプル+ダブル定額 プランEシンプル
基本使用料 980円 780円
EZ WINコース 315円 315円
パケット使用料 4410円
(30万パケット分)
4410円
(27万パケット分)
5分間の通話料 0円
(無料通話分と相殺)
210円
合計 5705円 5715円

 一方で、仮定した30万パケットのうち、9割に当たる27万パケットが写真付きのメールだとすると、ガンガンメールに分がある。27万パケットは約33MB。2MBの制限いっぱいまでファイルを添付すると、約16.5通という計算になる。やや極端な例だが、最新機種でリサイズせずに写真や動画を添付した(もしくはそのようなメールが送られてきた)と考えれば、あながちありない話ではない。結果は以下の表のとおりだ。

  プランSSシンプル+ダブル定額 プランEシンプル
基本使用料 980円 780円
EZ WINコース 315円 315円
パケット使用料 4410円
(30万パケット分)
3150円
(3万パケット分)
合計 5705円 4245円

 このように、ガンガンメールは、その名のとおりメールの比率が高ければ高いほどお得になる可能性が高い。自分からほとんど電話をかけないし、EZwebも使わないという受動的なユーザーにもオススメだ。待受専用なら、プランSSシンプルだけを契約しておく手もあるが、メールはいつどれだけ届くか分からないため、ガンガンメールの方が安心感がある。こちらから連絡を取るために、簡単ケータイを親にプレゼントするといったケースにも、うってつけといえる。

「メール使いホーダイ」はパケット通信料がやや割安

 このガンガンメールに対し、ドコモは即座に対抗。1カ月も経たない12月1日から、「メール使いホーダイ」を開始した。同プランはFOMA専用で、送受信先の相手を問わず、国内のiモードメールが無料になる。例外は、国際ローミング中と、デュアルネットワークでmovaから発着信したメールだけだ。

 メール使いホーダイも、ガンガンメールと同じく、「タイプシンプル」という基本プランと、パケット定額サービスがパックになっており、0円から4410円の間で変動する「パケ・ホーダイ シンプル」が自動的に適用される。バリューコースでの月額基本使用料は1557円。2年契約の「ファミ割MAX50」や「ひとりでも割50」を利用すれば、月額780円になる。これにiモード付加機能使用料の315円が加わる形だ。通話料は30秒21円だが、1パケットの単価は通常の「パケ・ホーダイ ダブル」と同額の0.084円で、他社のメール専用プランよりやや割安に設定されている。

 では、「タイプSSバリュー+パケ・ホーダイ ダブル」と、「タイプシンプルバリュー+パケ・ホーダイ シンプル」では、どのような違いがあるのか。まず、auのケースに習い、月に約30万パケット使った場合をまとめた。30万パケットの内、1割がメールと仮定してある。

  タイプSSシンプル
+パケ・ホーダイ ダブル
タイプシンプルバリュー
+パケ・ホーダイ シンプル
基本使用料 980円 780円
iモード付加機能使用料 315円 315円
パケット使用料 4410円
(30万パケット分)
4410円
(27万パケット分)
合計 5705円 5505円

 さらに、こちらもガンガンメールでの検証とまったく結果は同じだが、タイプSSバリューには1050円分の無料通話が含まれているので、パケットを上限いっぱいまで使ったケースでは、5分話すだけで料金が逆転する。

  タイプSSシンプル
+パケ・ホーダイ ダブル
タイプシンプルバリュー
+パケ・ホーダイ シンプル
基本使用料 980円 780円
iモード付加機能使用料 315円 315円
パケット使用料 4410円
(30万パケット分)
4410円
(27万パケット分)
合計 5705円 5715円

 一方で、パケット通信の9割がメールだと仮定した場合の結果は以下のとおりだ。 パケット単価が安い分、auの比較より、両ケースの差が顕著になっている。

  タイプSSシンプル
+パケ・ホーダイ ダブル
タイプシンプルバリュー
+パケ・ホーダイ シンプル
基本使用料 980円 780円
iモード付加機能使用料 315円 315円
パケット使用料 4410円
(30万パケット分)
2520円
(3万パケット分)
合計 5705円 3615円

 この比較から分かるように、メール使いホーダイの対象となるユーザーも、auとほぼ同じ。待ち受け専用にする人、WEBはそこそこでメールが多い人などが、それに当たる。

 なお、ドコモのタイプシンプルバリューは、このプラン専用の「Biz・ホーダイ シンプル」と組み合わせてスマートフォンで契約することも可能。現状のスマートフォンはiモードメールに非対応で、メール無料の恩恵は受けられないが、月々の最低維持費用を基本使用料の780円だけにすることができる(「mopera U Uライトプラン」の場合)。複数のケータイを持ち、スマートフォンをまったく使わない月があるというユーザーにはオススメだ。また、Biz・ホーダイ シンプルのパケット単価は「Biz・ホーダイ ダブル」と同じなので、電話をまったくかけないというPDA的な使い方をする場合にも向いている。

「シンプルオレンジE」は月月割が非適用に!!

 ソフトバンクは12月16日より、「シンプルオレンジE」を提供している。このプランは、auのプランEシンプルの対抗策として発表されたもの。基本使用料は1560円だが、2年契約の「新・自分割引」に加入すると、月額780円となる。30秒あたりの通話料は21円で、パケット定額制がセットとなっている点も同じだ。パケット単価は0.105円に設定されている。PCサイトブラウザを利用した際の上限は5985円。他社とは異なり、スマートフォンで契約すると「PCサイトダイレクト」が適用され、パケットの上限は9800円に収まる。

 ただし、同社が「主力はホワイトプラン」と述べているように、シンプルオレンジEは新スーパーボーナス加入時にしか契約できない。つまり、このプランを選べるのは、新規契約もしくは機種変更時だけということだ(シンプルオレンジ内の契約変更はこの限りではない)。また、iPhone 3G(S)でも利用できるが、キャンペーンの適用範囲から外れてしまう。メールの無料対象は「S!メール」だけで、ホワイトプランの特徴の1つである、自網内のSMS無料もない。

 これらの注意点に加え、「月月割」がなくなり、端末の実質価格が極端に上がってしまうことは覚悟しておきたい。月月割を除いたソフトバンクの端末一括価格は、他社より高めの傾向にある。近いスペックの端末で比べると、12月18日時点でドコモの「SH-01B」が約5万9000円なのに対し、ソフトバンクの「940SH」は約9万6000円だ。ハードやソフトに差があり、搭載されている機能も違う上、調達量もキャリアによって異なるため一概にはいえないが、940SHの月月割適用後の価格が約4万8000円であることを考えると、ソフトバンクの端末価格は月月割が大前提といえる。結果、シンプルオレンジEを利用すると、端末代と通信料のトータルが割高になりかねないので、基本使用料の安さやメール無料の特典だけに飛びつくのは禁物だ。

 もちろん、かなり条件は限られるが、このプランを選択した方がお得になるケースもある。例えば、完全にケータイを待受専用に使うとすると、基本使用料がホワイトプランより200円安い分、月々の支払を節約可能。他社やPCへのメールが中心で、自網内への通話やメールがほとんどないというケースでも、シンプルオレンジEの方が安くなる可能性がある。新スーパーボーナス一括で売られているリーズナブルな端末を手に入れてシンプルオレンジEにするという使い方はありそうだ。

 



(石野 純也)

2010/2/25 11:00