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損しないためのケータイ料金再入門

第7回:担当者に聞くauの料金プラン


 auケータイ同士の通話料が3件まで、24時間無料になる「指定通話定額」を皮切りに、矢継ぎ早に新料金プランを発表しているKDDI。11月にはEメールが無料になる「ガンガンメール」を開始。1月にも、学生に向けた割引キャンペーンの「ガンガン学割」を発表した。では、auの料金プランはどこに特徴があるのか。「損しないためのケータイ料金再入門」の番外編として、NTTドコモに続き、KDDIの料金サービス担当者にお話をうかがった。

――まずは、この春にキャンペーンとして始めた「ガンガン学割」の狙いなどを教えてください。

KDDI コンシューマ営業企画本部 コンシューマ営業企画部 料金制度グループリーダー 矢野絹子氏

矢野氏
 春といえば学生さんが加入される時期で、毎年契約者も多くなりますので、そこはしっかり獲得していこうということで、ガンガン学割を導入いたしました。ガンガンメールをこの秋に始めましたが、それをさらに半額にすることで強みが出せたのではないでしょうか。このキャンペーンは学生さんだけでなく、ご家族も対象なので一家丸ごと加入していただきたいと思っています。ガンガン学割は小学生から加入できますし、小学生にもご利用いただきやすい機種(mamorinoなど)も出ますので、安心安全のために持っていただくこともできると思います。

――プランE(シンプル)はパケットが込みになっていますが、あえてセットにしたのはなぜでしょうか。

矢野氏
 プランEは基本料が780円で、Eメール通信料は無料となるプランです。EZwebに入っていただかなければならないので、別途315円は必要ですが、かかるのはこれだけです。通常ですとダブル定額スーパーライトなどに入っていただいていますが、それもパッケージにしてあり、Webを使う人にも安心してお使いいただけます。

 パッケージにした理由は2つあります。プランを作る際に、何か特徴を出したかったんです。Eメールが無料というのが最大の特徴ですが、特に若い人でメールだけしか使わないという人はほとんどいませんからWebを使う方にもお得な料金としました。もう1つの考えとしては、「プランSSにダブル定額を足して」となっていくと、どうしても複雑になってしまいます。だったらセットにした方が分かりやすいということで、パケット定額制も含めたパッケージのプランにしました。

――プランを組み合わせていくという考え方は、やはりユーザーの方に分かりづらいと思われているのでしょうか。

矢野氏
 料金プランとダブル定額ぐらいまでなら分かるのかもしれませんが、「指定通話定額」などのオプションなどもたくさんあります。そうすると「あれもつけて、これもつけて」となり、自分が何を選んだらいいのか分からないという声があります。

――auの場合、ダブル定額、ダブル定額ライト、ダブル定額スーパーライトなどがあり、選択肢が多い反面、複雑に見えてしまうような気がします。それが選びづらいという声はあがっていませんか。

矢野氏
 経緯からお話ししますと、まずフラット型の定額(EZフラット)を導入し、より入りやすいようにということで2段階制のダブル定額に形を変えました。さらに、どんどん裾野を広げるため、戦略的に入り口を安くしてきています。ダブル定額スーパーライトであれば、390円からなので、“保険的”に入っておくこともできます。

 ただ、確かに、いっぱいあって分かりにくいという声はあるため、訴求上は基本的に新しいものを導入したら、それをメジャープランとしてお勧めしています。上限はどれも4410円(PCサイトビューアー利用時は5985円)なので、入りやすいものを選んでいただくという形です。毎月のように上限に張り付くという方なら、下限の高いプランに入っていただくこともありますが、基本は加入のしやすさを重視しています。

――下限は安くなりましたが、パケット単価が上がっています。ここを一本化するという計画はないのでしょうか。

矢野氏
 一本化は考えていませんね。同じ390円からのプランを他社と比較をすると、傾きが違うというのはありますが、ここが0.105円なのか0.084円なのかで、使い勝手には大きな差がないと考えています。auは早くからパケット定額制を提供していましたから、古くからのユーザーは、新しいプランが出た時に下限を安くするか今のままにするかを選んでいただいています。下限の一番安いものに無理に合わせてパケット定額制を1つにしてしまうことをする予定はありません。

――では、通話のプランとパケット定額の組み合わせは、どれが一番多いのでしょうか。

矢野氏
 新しいプランが入る前は、やはり安さということで「プランSS」を選ぶ方が多かったですね。そういう方は、下限の安さを重視して390円からのダブル定額スーパーライトに加入されることが多かったです。ただ、ガンガンメールが入り、構造が変わったので、単純には比較できなくなってきました。

――ということは、やはり基本料金をより安くというニーズが一番大きいということですね。

矢野氏
 以前から使われている方は、自分はこの辺かなと分かっていて、プランを変えることもありますが、新しく入られる方は障壁の低い安いプランに入る傾向がありますね。

――ちなみに、プランEには無料通話が含まれていませんが、その辺りを気にする人もいませんか。

矢野氏
 無料通話がなく780円のプランEシンプルと、1050円分の無料通話がつき980円のプランSSシンプルを比べると、通話をする人にはどうしても後者が割安に見えますが、家族割を組んでいれば家族間の通話は無料です。学生やシニアの方など、通話先が家族に限られていれば、これで十分カバーできます。また、夏に「ガンガントーク」と呼ばれる指定通話定額を導入しましたから、780円のプランに390円足すだけで3人までへの通話が定額になります。パッと見ると無料通話がない分、高く感じるかもしれませんが、これらを組み合わせて上手く利用すれば、プランSSシンプルより200円安いというところがメリットになってくると思います。

――プランEの場合は無料通話の分け合いもできますよね。

矢野氏
 はい。それも可能です。例えばお父さんが1人だけ高いプランに入り、無料通話を余らせて、プランEシンプルの子どもの通話料に充当するという使い方はリーズナブルだと思いますね。誰でも割が始まってから、プラン間の基本使用料の差は縮まってきたので、このような使い方もお勧めしています。

――プランEのメール無料だけを切り出して、通常の音声プランと組み合わせたいというニーズもあると思いますが、いかがでしょう。

矢野氏
 確かにそれもあります。たくさん通話やメールはしてもWebは使わないという方は、こちら(通常の音声プラン)にパケット定額のオプションがほしいとおっしゃります。ただ、現状ではどちらか多く使う方を基準に選んでくださいという形にしています。

――音声のプランを選ぶ際のコツなどがあれば教えてください。

矢野氏
 基本料の高いプランになればなるほど、30秒あたり(1分あたり)の通話料が下がります。慣れてくればすぐ計算できますが、総合カタログに載っている「分数」を目安に選んでいただければと思います。

――先ほど、ガンガントークのお話が出ましたが、導入してからの実績はいかがでしょうか。

矢野氏
 反響は大きいですね。ここ数年はパケット定額制に重きを置いてきましたが、安くお話ししたいというニーズは依然としてありましたし、ソフトバンクさんのホワイトプランもあり、通話の定額も求められていました。ガンガントークに関しては、やはり24時間無料というところが好評ですね。20〜30代の方が多く、カップルやよく話す友達との通話に使われているようです。

――ところで、auの場合、留守番電話やEZニュースフラッシュなどのオプションが無料となっていますが、ここは強みになっているとお考えですか。

矢野氏
 留守番電話ですと、メッセージを確認するのに通話料がかかりますし、EZニュースフラッシュでも詳細なニュースを見るのにパケット通信が発生します。定額料的なものはいただかずに、なるべく障壁を低くして、まずはお使いいただきたいと考えています。

――KDDIは固定回線も持っていますが、ここでのセット料金的な取り組みも改めて教えてください。

矢野氏
 ケータイだけだと差別化も難しくなってきましたが、KDDIではFMBCサービスである「auまとめトーク」を提供しています。ケータイと固定電話をセットでauにしていただけば、ご自宅の固定電話から全てのauケータイに対しての発信が、24時間無料になります。定額料のようなものもかかりません。もちろん、固定電話同士の通話も無料になりますので、世帯で見れば、通信費の節約になると思います。

 また、「ひかりone」から「auひかり」に名前を変えたのを機に、auひかりに向けたキャンペーンも展開中です。1月1日から5月9日までにauひかりに新規でお申し込みいただくと、auのケータイの基本料が12カ月間、390円割引になります。先ほどのガンガン学割に似ていますが、こちらは1年間、プランに関係なく390円割引です。

――ガンガン学割と併用すると、基本使用料0円になったりは……。

矢野氏
 残念ながら、さすがにそれはありません(笑)。2つの条件が重なった時は、期間が3年間と長い方の学割が優先されるようになっています。

 このほかにも、「auまとめライン」というサービスを実施しています。auまとめトークは、直収系と呼んでいる光やメタル回線だけが対象で、利用できるエリアが限られてしまいますが、こちらはNTTの加入電話でも「マイライン」をKDDIにしていただければ、かなりお得な料金で通話ができます。

――固定とケータイでの割引という意味では、ソフトバンクも「ホワイトコール」で同様の取り組みをしていますが、KDDIならではのメリットは何があるのでしょうか。

矢野氏
 確かにソフトバンクさんもホワイトコールを提供されていますが、固定電話の対象が「050」のIP電話です。最近はIP電話も増えてはいますが、まだ一部です。それに対し、こちらは通常の固定電話と同じ番号(東京なら「03」など)ですので、利用しやすいのではないでしょうか。

――本日はどうもありがとうございました。



(石野 純也)

2010/3/10 09:00